管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

間引き点灯 



省エネ、電気代節約のためやっております


 管理人業務の中に、「共用部照明の管理」というものがあります。具体的には、「電球が切れたら(切れそうになったら)交換する」「点灯時間の季節ごとの調節をする」というものです。日照時間は、毎日かわるものですから、当マンションでは、「1年間に24回変更する」ことになっています。これは、私の前任者の管理人さんが作った表をもとに行なっています。この人はまめな人で、365日分の「日の入り・日の出時刻」の表を作っていました。

 「切れそうな電球のチェック」ですが、これは管理会社や管理人さん個人でいろいろ違うと思います。
 当社では会社としてマニュアルはないため、自分で基準を決めてやっています。 以前は「半月に1回ずつ」でした。少ないようですが、これで全然問題ありませんでした。古くなって点滅したりすると、たいてい、住民のほうから連絡がありますから。
 ただ、「管理人を敵視するペット飼い主の出現」により、「あの管理人は電球が切れていても知らん振り」などと言われないように、現在は点検頻度を増やしています。毎週火曜と金曜の2回実施しています。それに、冬場は勤務終了時に暗くなって、すでに電灯がついていますので、帰る際に、建物全体をグルって見回して、おおざっぱな点検を毎日しています。

 別のマンションの管理人さんに話を聞くと、「前任者がこうしていたから」というのが多く、管理会社の基準として決められているケースは少ないようです。電気関係が好きな管理人さんの場合、毎日点検している人もいます。巡回の際に、スイッチ全ONして、電灯もチェックするそうです。ただ、私が思うに、巡回というのは細かく見るとけっこう時間がかかります。その間じゅう、ずっと点灯しているというのは、電気代の無駄だと思います。1日30分の点灯でも、年間でかなりの金額増加になるはずです。特に大型マンションでは見過ごせない金額になるでしょう。そして、管理人というのはいろいろと雑用が多いですし、住民の話を聞くのも仕事のうちですから、「巡回の途中でおしゃべりの奥さんに捕まり、そのまま1時間、家庭内の小言を聞かされる」なんて場合、電気もずっとついたままで無駄です。

 さて、当マンションでは、現在、週2回ですから、「電球が切れたのに、1週間もほったらかし」ということは絶対にありえないのですが、まれに、住民からの苦情で、「●●号室前の廊下の電球がずっと切れたままよ。あんた、何してるの?」と怒られたりすることがあります。これは実は勘違いです。
 どこのマンションでも、そうですが、省エネのため、共用部照明は時間によって間引き点灯をしているからです。「夜の12時以降は、半分消灯する」といったことをしています。この半分消灯を「タマ切れ」と勘違いする人がいるのです。(特に新しく入居した人。入居案内の書類には書いてあるのだが、読んでいない) 仕事が夜型で毎晩帰宅するのが12時以降の場合、半分点灯の状態しか見られません。当マンションでは、建設当初(20数年前)は、午後10時に半分消灯していたそうですが、「夜型人間の増加傾向」により、10時→11時→12時と時刻が遅くなってきています。12時でも、「終電で帰ってきたときに、うちの部屋の前の電灯が消えているのは寂しい。1時までつけてくれ」という要望があります。現代は、24時間社会ですから、どこのマンションも悩んでいるのではないでしょうか?

 実は半分消灯は、深夜の切り替えだけではありません。よそもそうだと思いますが、当マンションでは、以前、電気代のことにうるさい役員がいた時に、細かな話になり、「夕方、点灯させる時も、一度に全部点けることはないんじゃないの? まだ、薄暮で見えるんだから、まず半分だけ点灯させて、30分後に残りの半分を点灯させれば? 朝も、まず半分消灯させてから、時間差で残り半分を消灯させたらどうなの?」という提案があり、「そりゃそうだ。道理だ」ということで、その方式が採用されています。もともと、半分消灯用にタイマーが2系統用意されていますので、この方式は可能です。

 というわけで、夕方、薄暗くなってきた時に、点灯するのは半分だけです。これを見て、「●●の蛍光灯切れてるわよ」と連絡をくれる住民がいます。これが私に直接言ってくれれば、その場で解説できるから誤解を解けるんですが、匿名の手紙で、管理事務室ポストに投函されると、相手に連絡のしようがありません。説明できません。しかたないので、わざわ掲示物を作成して説明します。

 半分消灯といった面倒な手間の他にも、「東側は暗くなるのが早いから早めに点灯。西側は遅めに点灯。朝は・・・・・」といった、場所ごとの細かな調整が必要で、管理人が設定するタイマーの数は14ほどになり、「点灯時間表」もかなり複雑な表になっています。また、タイマーの時刻表示文字が老眼の私にはとても小さすぎて、よく間違えます。かなり、面倒な作業です。照度センサーで自動的に「点灯/消灯」してくれるマンションがうらやましいです。加えて、そのタイマーがけっこう時間が狂うため、半年に1度程度は時刻合わせも必要です。数分狂っているだけでも、チェックの厳しい住民は、「あそこはついているのに、なんでうちの前はまだ点かないのよ!」と苦情を言って来ますから。

 こんなに細かなことをやっているようでも、まだまだ不十分です。同じフロアでも、例えば、「1号室前の廊下は西日があたって夕方は明るいため、”こんなに早く点けるのはもったいない”と言われる」「4号室前の廊下には外光が入りにくいため、”4時ごろにはつけてよ”と言われる」など、ほんと、一部屋ごとに明るさが違うからです。もちろん、住民の節約意識の差にもよります。組合活動は無関心なのに、電灯のことだけ気にする人もいますし。

 全員が満足する電灯管理は絶対に無理です。 大変だなあ。





2006/1



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