管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

コインパーキングの情報を把握しておくことも大事





 毎朝、通勤の際に、駅で降りてから、マンションまで歩いていく際に、ほんのちょっと寄り道をします。

 それは、
マンション周辺のコインパーキングの状況を調べておくことです。厳密に言うと、これも「仕事」であり、本来、勤務時間ではない「通勤時間」の中で、こういう仕事をするのは嫌なんですが、「まあ、サービス残業してやろう」と思ってやってます。

 というのも、うちのマンションでは、基本的に「来訪者用の駐車場はありません。近隣のコインパーキングを使ってください」としているためコインパーキングのことを把握しておかないといけないのです。

 よく、朝一番にマンションに到着した際、管理室の前で、見知らぬ人が待っていることがあります。
「なにか御用ですか?」
「このマンションに車で来たんだが、”来客用駐車場はない”ってことで、近くのコインパーキングを探したんだが、どこも満車で置けないんだ。なんとか、マンション内に置かせてくれ」
「いやあ、あの〜、そうはいっても、規則ですから」
「規則といったって、実際に、コインパーキングが満車じゃ、どこにも置けないだろう。なんとかしろ!」
と言われるのです。

 実は、「満車」というのは、9割がた、ウソです。「そう言えば、この管理人はなんとかするだろう」と思って、ウソをついて脅しているのです。こういう人たちは、どこに行っても、こういうウソをついて、ごり押ししているんだと思います。だって、「ほんとに満車なんですか? じゃあ、今から、私が、ご案内しますから、あとをついてきて下さい」と、周辺のコインパーキングへ向かうと、たいてい、空きがあります。
すると。
「あれ、さっきは、満車だったんだけどなあ〜 あはは」とか言って、笑ってごまかします。はなから、コインパーキングなんか調べてないのです。

 こうやって、その都度、私がコインパーキングまで行くのも面倒なので、通勤途中に、あらかじめ調べておくのです。そして、「満車だったんだ」とウソをつく来訪者に対して、「3分前に私が自分の目で見ましたけど、あいてましたよ」と言う訳です。

 なお、コインパーキングを毎朝調べるのは、「空車」「満車」のこともありますが、「コインパーキングはあっという間に消えてしまうことがある」というのも、理由のひとつです。もともと、空き地の一時利用ですから、「先週までコインパーキングだったところが、今日見たら、マンション建設現場になっていた」なんてことはよくある話です。逆に、「先月まで、ラーメン屋だったところが、今日は駐車場になってる」(アベノミクスに騙されるな。不況は加速してるぞ)ってこともよくある話です。コインパーキングに関しては、最新版の地図を見ても、正確ではありません。自分の目で最新情報をつかんでおかないといけないのです。

 そんなわけで、管理室の中には、「当マンション周辺のコインパーキング情報」という紙が、常時準備されており、車で来訪した人には、「これが案内図です。5ケ所ほど紹介していますので、どれかひとつのコインパーキングは絶対に空いていると思いますよ」と説明して、その紙を渡します。

 ただ、過去に、近くの大規模マンションが、大規模修繕工事をしていた期間は、その工事の関係者の一時駐車が多くて、コインパーキングが常に満車で困ってしまった記憶があります。

 このように、質の高い管理人業務をしようとすると、いろいろと大変なわけです。バカじゃできません、この仕事。




2014/6

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