管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

理事長が公開する情報にも基準というものがあるのに





 定期総会が終わって、また、新しい理事長に変わりました。管理会社としては、「小学1年生の担任の教師」みたいなもので、これから、また、新人の理事長に「管理組合運営」のことを教えていかないといけません。これだから、1年交代の輪番制は嫌なんです。労働量が全然違いますから。

 さて、新年度の新体制が始まって、新理事長もいろいろな書類に「署名捺印」をしたりするわけですが、今期の理事長。
「管理」という文字をずっと「菅理」だと思い込んでたらしく。だから、「かんりくみあい」を書く際も「菅理組合」と書いていて。本当なら、フロント君が気づいて指摘してあげればいいのに、気づかなかったようで。

 それにオイ ラも気づかずに、理事長の書いた書類を銀行に持って行ったら。「これ、字が違います、受理できません」と突き返されてしまいました。参ったなあ。誤字も厳しくチェックしますからねえ、銀行とか公共機関は。書類を最初から作り直しです。しょっぱなから疲れます。

 とはいえ、今期の理事長は、「真面目」な人のようです。その「真面目さ」はいいことなんですが、初回の理事会で、それが裏目に出ました。

 理事会の前に、フロントとか管理人から、会議の前の予備知識として、いろいろな情報を伝えてあります。その中には、当然、「個人情報」も含まれます。

 例えば、うちの管理組合では、「管理費の滞納」に関しては、「理事長にはすべての情報を知らせるが、役員には、高額滞納者の名前しか教えない。ケアレスミスの1〜2ケ月程度の滞納者の名前は役員には伝えない」といった、暗黙の基準があります。
 なのに、今期の理事長は、理事会の前に、理事長だけに渡された「滞納者リスト」(名前が全部載っている)を自分でコピーをして、理事会に出席した役員に配布してしまったのです。その他にも、私が理事長あてに書いた「理事長個人宛の業務連絡事項」の中に、「単身高齢者で、認知症になって、いろいろと問題を起こすAさんの、家族の連絡先が判明しました」という文章もコピーして配布してしまい・・・
 これなんか、Aさんの家族の、住所氏名電話番号続き柄が全部載ってます。管理人としては、「理事長個人だけには伝える」という意味で書いた書類だったのですが、今期、理事長は、「受け取った情報は役員全員で共有する」と思ったようです。

 困ったのは、フロント君が、理事長宛に伝えた「今期役員の***号室の***さんは、本来、区分所有者ではなく、おそらく、内縁の夫かと思われます。ですから、本当は役員にはなれません。でも、事実上のご主人と思われるので、この人が役員になって理事会に出席することを認めようと考えます」という文章まで、コピーして配布しようとしたことです。
 この理事長、とにかく、フロントや管理人から来た書類を全部コピーしてしまったようです。「内縁の夫?」なんて文を、そのご本人に渡してしまおうとするなんて、信じられません。おそらく、内容を何も読んでないで、「とにかく、コピーして、全役員に渡して、役員さんのほうで考えてもらおう。俺が自分で考えたり決定したりするのは嫌だ」ということなんではないでしょうか?

 「内縁の夫」の部分が乗った書類に関しては、それに気づいたフロント君によって、「理事長、この紙には個人情報が載ってますから、配布はできません。理事長だけが知る情報なんです」と説明して阻止したようです。危機一髪でした。

 手遅れだったものの中には、フロント君が、「親戚で不幸があったため、6/3-4は休みます。万一、何か緊急の要件があった場合は、会社用ではなく、私の私物の携帯にお電話下さい」と書いた、フロント君の個人の携帯番号が記載された書類もありました。なんか、この理事長、「非常識」なのかもしれません。

 こういう、毎年の「暗黙の了解」みたいなものも、きちんとマニュアル化して、新理事長を教育しないといけないのかもしれません。今回は、ある意味、「フロント君の怠慢」ではあるのですが、しかし、普通の感覚なら、ああいう「きわめて秘匿性の高い個人情報」をみんなにコピーなんてことはありえないことで、私も驚きました。一般常識で「まさか、あんな私的なことをみんなに言ったりしないだろう?」と、判断するのではなく、ほんと、イロハのイから教えないといけないのかもしれません。

 疲れるなあ。




2014/6





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