管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

管理規約のミス 誤植など けっこうあるんです





 2006/2 社民党の党大会で、「今の自衛隊は違憲」と言ってました。社民党は護憲色を強めてアピールしています。(自衛隊は国際救助隊に改編すればいいんですよ。簡単なことです)

 さて、マンションの憲法というと、「管理規約」「使用細則」です。社民党に触発されて、このマンションの規約を改めて、読み直して見ました。以前から気がついていたこともありますが、よく読むと、けっこう、「ミス」「漢字の誤植」などがあります。当マンションだけでなく、あちこちのマンションで、ミスはあり、「完璧な規約」のほうがむしろ少ないかもしれません。よそさんの件も含めて一筆啓上。

○変換ミス
 ワープロが登場してから、いわゆる漢字の書き間違い(「勘違い」を「感違い」とか書いたり、「絶体絶命」を「絶対絶命」と書いたり)とは別に、キーボードから入力する時の変換ミスというのが多くなりました。当マンションでも、「消火設備」が「消化設備」になっています。それから、用法が統一されていない文字もあります。「電気室」と書いてあったり、「電機室」と書いてあったり。「規定」と書いてあったり、「規程」と書いてあったり。どっちでもいいんですが、1冊の中では統一して欲しいです。

○つじつまが合わない
   「第○○条に定める△△については・・・・」といった、他の条文を引き合いにする規約文です。例えば、具体的には、「第10条 組合員は管理費等を支払わなくてはならない」といった条文を受けて、「”第38条”  第10条にもとづき、管理費等は、各組合員が開設した銀行口座から自動引き落としする・・・・」という規約文を作らなくてはいけないのに、第10条ではなくて、第18条だったりするのです。18条は「理事長は組合を代表して保険金の請求を行なう」といった文だったりするわけで、これでは整合性が取れません。 使用細則の中にも、「規約○○条に規定する・・・・・・」といった条文がたくさんありますが、これも、まったく関係のない条が記載されています。
 理事長経験者の古い住民の一人に聞いてみたところ、「もしかすると、以前の規約文をそのまま移し変えたかのかもしれない」とのこと。つまり、建築当初の初版の規約で、「○○条にもとづき・・・・」と書いていたのを、新しい規約にした際に、そのまま、変更せずに移し変えたようです。新しい規約は、従来のものより、条数が増加していますので、以前のままではズレが生じ、当然おかしくなります。ボタンのかけ違いみたいなものです。要するに、「いい加減に規約変更を行なった。ろくに推敲しなかった」ということです。

○関係ないことが書いてある
 例えば、「集会室のないマンション」なのに、集会室の使用規定が書いてある。こんなことが実際にあります。

○ちょんぼ
 「誠実に守ること」が「不誠実に守ること」なんて書いてあります。大ちょんぼです。

○転用の際の間違い
 ミスの原因の一番大きなものは、転用の際の間違いです。つまり、新しいマンションの管理規約を作る際、それを作るのは普通、管理会社です。管理会社は、国で推薦する「標準管理規約」をもとに、自社で、そのマンションの固有事情(集会室の有無、提供公園の有無、近隣協定等々)を勘案して、オリジナルなものを作り直します。そして、別のマンションができた時には、前回作ったマンションの規約をもとにして、それにちょこちょこっと手を加えて、再作成します。この時に、直し忘れることがけっこうあるんです。
 「共用廊下上に、各部屋専用のエアコン室外機置き場があるのに、”廊下には一切物は置けない”と規約に書いてしまう」「トランクルームのないマンションなのに、トランクルームに関する記述がある」なんてことが、おうおうにして起こります。いい加減に作ってるんです。最悪なのは、マンション名が、参照元のまんまだったりすることがあります。印刷の段階までなんで誰も気がつかなかったのでしょうか?  「○○マンション管理規約」の標題の上に「××マンション二番館」と訂正シールが貼られている、みっともないものもあります。
(これって、けっこういろいろな管理会社でやっていて、オバカさんなのは、管理組合さんとの管理委託契約書の中のマンション名を間違えるようなお粗末な管理会社もあります。H社です)

○数字の間違い
 10000円の管理費を1000円と記載したり。単純ですが大きなミスがあります。持分割合(100000分の63.5)などの数字は、一目ではわかりにくいので、間違えたまま、十数年間誰もミスに気づかなかった、というのもあります。「第11条のすぐあとに、第10条がある」なんていう初歩的ミスもあります。



 このようになんやかんやで、「ここのマンションの管理規約は正誤表の量がすごいなあ」なんていうのもあります。ある役員が、「最初の管理規約は間違いが多すぎるから、ちゃんとしたものを作り直そうよ」と言い出したものの、他の役員は「私は面倒だから嫌だ」と協力を拒絶し、管理会社は「規約作成は別料金になります」と言って、事実上拒絶し、結局、言いだしっぺの役員が一人で作り直したものの、校閲をちゃんとやってくれる人がいなかったために、また、何箇所も間違いのある新規約ができた、なんていう笑えない話もあるそうです。
 まあ、とにかく、マンションの住民というのは、規約とか細則とかを綿密に読んでいる人なんかいないんです。(携帯電話の取扱説明書と同じ。面倒なんです) 正誤表を作るだけましなマンションでかもしれません。というか、明らかなミスがたくさんあるのに、誰一人気がつかずに、十年々たっているというマンションもあります。(ここのことです)


 ところで、管理会社の思惑で、困った文言が入っている管理規約というのもあります。それは、管理会社の固有名詞が記載された規約です。「当マンションの管理のうち、○○は管理会社に任せる」とか、「管理事務室の電話加入権は管理会社のものである」といった条文があったりするんですが、普通は"管理会社”と記入するのに、”株式会社マンションサービス”といった固有名詞を入れてしまうんです。管理会社としては、「このマンションの管理は未来永劫、うちの会社でやらせてもらう」というつもりなんでしょう。管理会社分譲会社の子会社だったりすると、こういう書き方が多いです。
 
 これの何が困るか?というと、管理会社を変更する時に面倒なんです。今、管理会社変更は一種のブームです。よく聞きます。管理会社の変更というのは、一般的には「普通決議」で、過半数で可決です。しかし、管理規約上に、管理会社の固有名詞が載っていると、、管理会社の変更と同時に、この規約上の管理会社の名前の変更または削除が必要になります。つまり、規約の変更が必要なのです。そして、規約の変更は特別決議(4分の3)です。ハードルが高くなります。これを逆手にとって、「当社を切るには、過半数の賛成だけではだめですよ。規約の記載事項の変更ですから、4分の3以上の賛成が必要です」と、管理会社変更を妨害しようとするのです。

 規約の問題、いろいろありますね。難しい。
 


2006/2



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