管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

ブーメラン  組合さんにお願いしたのに、結局管理会社の仕事に




2014/6


 「管理人は、マナー違反住民に注意をする、”警察”みたいな役目を押し付けられている」

というのは、このHPの読者の皆さんならご理解されていることです。

 そして、「マナー違反住民に注意をしても、たいてい、”俺達の払った管理費から給料をもらってるくせに、客である、住民に注意をするなんてふざけるな!”と反論される」ってことも、ご存知のはず。どうしても、身分格差があるので、「雇われている側」が「雇っている側」には、強いことは言えないのです。

 というわけで、管理人が注意をしても、マナー違反を改めない、不良住民に対しては、管理会社としては「お手上げ」なわけです。そのため、次の段階として、管理組合に対して、「管理人から注意をしても、聞いてもらえません。組合さんの方で対処してください。理事長から直接注意をしないと、言うことを聞きません」と、下駄を預けるのですが。

 理事会の席上、その件が取り上げられると。「そんなひどいことをしているのか? それはやめさせないといかんだろ」とか、話は盛り上がるのですが、最終的にはいつも、理事長が、

「わかりました。じゃあ、このマナー違反の件は、組合として、きちんと対応することにしましょう。では、++さん(管理会社のフロント君)、警告書の作成をお願いします。出来上がったら、私の方で、組合のハンコを押しますから。そしたら、管理人さんから、その住民へ渡してください」

ってことに、いつもなっちゃうんです。どの期の理事長も役員も、「自分たちが直接相手に注意をする」、ということをしません。「管理会社ではできないから、組合自身でやってください」ということなのに、結局、「名義は貸すから、管理会社で全部やってよ」ってことです。

 そういうわけで、いつも、結局、管理人が、その警告書を、マナー違反住民に渡します。そうすると、それを読んだ相手は、理事長ではなく、管理人に、また、反論をしてくるわけです。自分でも悪いことをしている自覚があるから、理事長には言わないんでしょうね。それで、私がまた、悪口雑言を言われ続けるわけで。

 ただ、今度は、「それは管理組合さんで決めたことです。私はただ、それを渡した配達人です。私に反論しないで下さい。直接、理事長に言ってください」と、私も反論します。

「ところで、理事長って、誰なんだ?」
「え? この前、”今年の役員一覧表”を、総会議事録といっしょに全戸配布したばかりですよ」
「そんなもん、捨てたよ」
「はあ、だめじゃないですか、捨てるなんて」
「うるせい、捨てるのはオレの勝手だろ」
(なんちゅう、住民なんだ)
「理事長は、***号室の++さんです」
「よし、わかった。じゃあ、おまえから、その理事長に伝えておけ ・・・・・・・・」
「自分で直接言えばいいじゃないですか?」
「いや、それはまずい」(何がまずいんだか???)

結局、管理組合は、一言指示するだけで、何も汗をかこうとはしないのです。これじゃ、マナー違反住民からしたら、「違反したほうが勝ち」ってことで図に乗るし、「何をしても大丈夫」ってことが広がると、同じことをする住民が増えるわけで。
まさに、「スラム化」です。

ほんと、何をやっても「ブーメラン」なんだよなあ。

それに、理事会で議論する際、せめて、その「ルール違反」の現場に行って、現状を確認する、ってことくらい、してもらえないでしょうか? 「どんなにひどいことをしているのか?」も、自分の目で見ないで、「それはひどいなあ。じゃあ、管理会社よろしく」じゃ、困るんですよ。 





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