管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

ペットボトル回収 清掃員の災難






 
この仕事、ちょっと油断すると意外とケガをします。


 今日は、「ペットボトル回収」の日でした。ペットボトルを回収に出す際は、「キャップを外す」「中を良く洗う」「ラベルを剥がす」「ペシャンコにつぶす」という作業が必要ですが、残念ながらこれをきちんとやってくれる住民は、全体の約2割程度しかいません。残りの8割はなんらかの追加作業が必要になります。
 誰がやるのか? 私たちがやるしかしょうがないです。
 玄関ホールに実物のペットボトルを使って、上記作業のやり方を展示したことも何度もあります。掲示物で、「こうやって下さい。きちんとお願いします」と呼びかけたことも何度もあります。しかし、馬の耳に・・・・で、まったく改善されません。というか、分別細分化の際の騒ぎが一段落した今、「別にいいんじゃない」という人が増え、分別は後退しています。

 200世帯超の当マンション、全員がゴミを出すわけではありませんが、毎回100以上の袋はありますので、違反率の8割はというと、80袋以上です。この袋を開けて、分別のやり直しを行ないます。
 普通、ゴミの処理は手袋をして行ないますが、「袋の口をきつくしばって、結ばれたものをほぐして開く作業」「ラベルを剥がす作業」は手袋をしたままではできず、素手でやらざるを得ません。結局、最初から最後まで素手でやっています。実にチマチマとした作業で、ひどい日になると、私と清掃員さんの二人で2時間くらい従事することがあります。はっきりいって、通常作業ができません。困ったものです。
 この作業、袋の口を開ける時や、ラベルを剥がす時が大変危険です。ラベルも、ものによってはすごく剥がしにくいものがあります。(メーカー側も考えていて、簡単にはがせるものもあるんですが) 2リットルのボトルより500ccのほうが剥がしにくいですし、外国産のミネラルウォーターもはがしにくいものがたくさんあります。この時、あやまって爪を剥がしてしまうことがあるのです。今日、清掃員さんが人差し指のつめを剥がしてしまいました。ものすごく痛そうです。はっきりいって労災です。でも、今会社では「労災ゼロ!運動」をやっている最中で、労災申請などしたら、会社に怒られます。「今日は帰ったらどうですか? あとは私がやっておきます。これを口実に有休バンバン使っちゃえばいいじゃないですか?」と帰ってもらいました。すぐに代務が来るのは無理だし、清掃員が休むとその分の仕事を私がやらなければならず、本当はいてもらいたいところですが、いつも一生懸命に働いて、お世話になっていますので、こういう時ぐらいは、感謝の意味も込めて、カッコつけさせてもらいます。
 それにしても、住民の一人一人は、「あたし一人がルール守らなくても、大丈夫よね」と勝手に思っていますが、そういう住民ばかりが住むこのマンションで我々がどれだけ苦労しているか、誰も知りません。トホホ。
 ですから、私も加藤鷹なみに、爪はこまめに短く切っています。短すぎるのも困るけど。

 それから、ひどい人になると、ペットボトルの回収なのに、キッチンハイターやカビキラーなどの劇物(塩酸)のボトルを混ぜる人がいます。これは、ペットボトルではないため、出してはいけないものです。袋をあけて、中をごそごそやっている時に、「イテ!」と、指先がピリピリすることがあります。これは袋の中に漏れ出した塩酸を素手で触ってしまったからです。こんな危険もあります。

 管理人も清掃員も、気楽に見えて、けっこう実は危険なことをやらされています。


2006/3



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