管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

5903 シュレッダー 紙ゴミに参ってます





 2005/4の「個人情報保護法」施行後にホームセンターでの売り上げが飛躍的に増えたもの・・・・  それはシュレッダーだそうです。以前は会社などでしか使わないものでしたが、今は個人レベルで使用するようになりました。

 このシュレッド済みの紙に、私、大変困っています。

 まず、当市のゴミ分類では、シュレッダーにかけた紙は、あくまでも紙であり、「古紙リサイクルに回すべきもの」とされています。しかし、「紙クズは燃やすものだろう」と勝手に思っている人がいまだにいて、燃えるゴミに出されることが多いです。これは違反なので、清掃局の職員が取り残して放置していきます。放置したものには警告書が貼られます。そのまま置いておくと、「だめなのか」と気がついた持ち主が持ち帰ってくれることもありますが、知らん振りの人がほとんどです。燃やすゴミは半透明のビニール袋に入れて出すものですから、この違反者もシュレッドゴミをビニールに入れて出しています。しかし、放置しておくと、風に吹かれたり、誰かが別のゴミをその上に置いたりして、ビニール袋の口がほどけて来たり、袋が破けたりすることがあります。また、ひどい奴だと、ビニール袋の口を最初から閉じない奴がいるため、中の紙くず(というより、紙吹雪だね。新橋演舞場で火事になった)が散乱します。始末をする我々は大変困ります。持ち帰ってくれない場合は、我々が古紙ゴミとして古紙回収に出します。

 さて、当市の古紙の出し方は、「ビニール袋に入れてはダメ。紙袋に入れて紙紐で閉じなさい」と規程されています。これだと、そのまま放り投げれば全部古紙リサイクルできるからです。回収者&リサイクル工場側の理論です。「紙袋なんか今時ないよ。スーパーでくれるのはビニール袋だけだし。紙袋をくれるのはデパートでご進物とか買ったときだけだよ」と批判されました。このため、2004年から、デパートの売り上げがちょっと上がったとか???

 普通のA4の紙とかの場合、紙袋に入れてまとめて、紙紐でくくると、まあまとまるのですが、シュレッドゴミはそうはいきません。紙袋を紙紐で縛っても、密閉できません。ですから、紙吹雪がこぼれ落ちます。というか、部屋からゴミ集積場まで持ってくる間に、すでに少しこぼれ落ちてます。この掃除も我々です。さて、ゴミ集積場にはたくさんの紙袋に入った紙吹雪があります。シュレッドすると体積が大幅に増えるため、ひとつの紙袋には入りきれません。

 そして、紙袋の口はあいていますから、「風が吹けば散乱」「紙袋が倒れれば散乱」・・・・・・、集積場が紙吹雪だらけです。私は滝沢秀明ではないので、紙ふぶきはお断りです。この紙吹雪、一度散乱すると手におえません。普通の箒と塵取りでは取りにくいのです。電気掃除機みたいに吸い込まない限りきれいになりません。しかし、そんな便利なものはありません。清掃員泣かせです。それに、ちょっとの風で舞い上がり、四方八方に散らかります。最悪です。(中途半端な風が一番イヤです。どうせなら台風のように強い風が吹けば、みんな吹き飛ばしてくれるため、ありがたいです)

 清掃局の職員も手を焼いているらしく、本音では「シュレッドしないで欲しい」と悲鳴をあげています。古紙を回収する収集車は普通のトラックで、荷台の天井はあいています。走行中に紙吹雪が道路上に舞って、後続車の視界を遮り、交通事故が起きたこともあるそうです。それに、体積ばかり大きいため、1度の回収では積みきれなくて、何度も往復しなければならず、本当に困っているそうです。

 この事態に手を焼いた私は、他のマンションの管理人さんとも連携して、市役所へ陳情の手紙や電話をかけまくり、そのせいか、ようやく、この4/1より、「シュレッドゴミはビニール袋に入れて出してもいい」と、回収方法がマイナーチェンジしました。よそからも相当苦情があったらしいです。これでうちとしては、「少しは楽だ」となったわけですが、こういうマイナーチェンジを効果的に広報する方法が市にはなくて(経費節減のあおり)、「ビニール袋でOKになったことを知っている人」と「知らない人」が混在し、各地で混乱しているそうです。うちのマンションでも、市で広報物を作ってくれないため、自前でポスターを作って、広報しました。皆さん喜んでいます。(でも、「ビニール袋に入れてもいい」、となると、紙以外の異物を混ぜる人がいるんですよね。シュレッドゴミの中に混ざりこんだ異物を取り除くのは、ものすごい苦労です。)

 こういう混乱というのは、事前の準備を怠った行政職員の責任です。シュレッドゴミを紙袋に入れたらどうなるか? すぐにわかりそうなものなのに。ホント、公務員はバカばかり。制度改革するのなら、その道の専門家に意見を事前に聞くのが筋です。ほんと、バカ。マンションのゴミのことは管理人に聞きなさい! おまえらド素人に何がわかる!




シュレッダーによる指切断事故続出  2006/8/24

 8/23のニュースは、どこの局もこの問題がトップで大きく扱われていました。家の中にシュレッダーを設置する人が増え、小さな子供が指を差し込んで事故が起きているということです。
 私の前職の職場でも事務用の大きなシュレッダーがあり、よく使っていました。この時も、「ネクタイピンを忘れて、ネクタイをブラブラさせていた職員が、ネクタイをシュレッダーに引き込まれ、絞殺されそうになった」という事故が発生し、社内では「シュレッダーを使用する際は十分に注意すること」というお達しが下されました。それだけ危険なものなんです。それが、家庭に入ったらどうなるか? 素人でもすぐにわかると思うんですが・・・・

○メーカーである「アイリスオーヤマ」の社長は、「子供が触るということを想定していなかった」と正直に述べました。しかし、「2005/4から個人情報保護法施行、家庭にもシュレッダーが必要です!」と宣伝して販売しておいて、何を言うのか、と私は憤慨します。 「家庭=子供が触る」ということを念頭において設計製造しなくてはいけません。アイリスオーヤマといえば、ペット用品の部門で急成長して荒稼ぎしている会社です。ペットといえば、「他人の迷惑を考えない、自己中心的な人間が飼うもの」であり、それに便乗して儲けている会社に、「モラル」など期待できないのかもしれませんが、しっかりして欲しいです。
○今回の製品は、ジャンルとしては「電気製品」ではなく「文具」扱いになるそうです。このため、経済産業省でも、「電気製品なら厳しい管理をするが文具だとしない」ということで、事故の把握もうまくいかず、また、「注意する旨の通達」も、電器メーカーには出したが、文具メーカーであるアイリスオーヤマには届かなかったという失態を演じています。文具メーカーでも電気製品を作っていることを忘れていたのです。公務員はほんとバカですねえ。
 だいたい、個人情報保護法を作っている段階で、「今後は家庭内にシュレッダーが増える→電動シュレッダーは危険な製品だ→あらかじめ対策を講じておかなくてはならない」と考えるのが、難しい公務員試験を突破してきた”頭のいい人”であり、こんな単純な図式すら理解できない頭の悪い人間、または、わかっていても「疲れるから働かない」というグウタラな人間が公務員をやっていることがおかしいんです。
○シュレッダーには、「子供には触らせないで」という警告シールが貼られていました。だったら、親が注意しなくてはいけません。少なくとも、子供のいる家庭ではシュレッダーの電源は、「使用するときにだけ入れる」というようにしていおけば、事故は起きなかったはずです。この種の事故は、親の責任も大きいです。

 ところで、日々ゴミと格闘している管理人として感じていることがあります。それは、「シュレッダー本体がゴミとして出されることが多い」ということです。個人情報保護法施行時、ホームセンター、電気店などでは「シュレッダーは必需品」のごとく宣伝し、売りまくっていました。情報保護ブームといってもいいかもしれません。この波に乗り遅れないように、必要でもないのに買ってしまった人が多いように思われます。「手動式のシュレッダーはハンドルが重くて大変。こんなの使えない」「電動式のシュレッダーは音がすごくて、うるさくてしょうがない。毎回シュレッドするのは面倒。ホチキスやクリップをつけたままシュレッドして機械が故障した。シュレッダー本体が大きくてかさばりジャマ。上部にある裁断部分が重いため,重心が高く倒れやすい」・・・・、いろいろな理由で、不要になったひとが、まだ新しい製品を捨てています。シュレッダーって、お店で実演するべきなのに、それをしないで売るから、いざ使ってみると、「使いにくい」と思うことが多いのです。特に、値段が安いものは価格に比例して使いにくいため、「最初に安いものを買って後悔した人が、高価なものに買い換える」(メーカー的にはウハウハ儲かります)人が多く、新品同様のものが捨てられています。





2006/4初稿  2006/8追記



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