管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

無駄かもしれないけれど
 「警告した」という記録を残すことが大切





2014/6


 「ルール違反住民」に対して警告をする。

 これって、非常に疲れます。特に、精神的に。無責任な理事会は、こういう「嫌な仕事」を管理人に押し付けます。でも、「主従関係」がある管理人の言うことを真面目に聞いてくれる住民など、この「キングスライム」もとい、「超スラム化マンション」にいるわけもなく。理事長が警告しないと意味が無いです。

 でも、理事長も、同じ住民同士だし、住民同士で「警告する」ってことは気が重いです。人によっては、「警告を受ける」と、反発して嫌がらせをする人もいますからねえ。理事長というのは管理組合を代表して「警告を発している」のに、理事長本人を恨む人がいます。特に、理事長本人に復讐せずに、理事長の家族に対して嫌がらせをする輩とかいます。これは悪質です。今は、こういうのがエスカレートして「殺人事件」まで、起きていますから、腰が引けるのは無理が無いです。

 それと、このマンションの住民って、「活字化された文書で警告を受ける」、ことに異常に反応する人が多く。管理組合側としては、「記録を残しておく」意味もあって、文書で警告したいものですが、「口で言えばいいことを、なんで、わざわざ、文書にするんだよ! 活字にするなんて、ひどいじゃないか!」と怒る人もよくいます。(ワープロやPCのなかった時代に育った人は、活字に対する思いが、重いのです)

 一番いいのは、文書は理事長名で作るにしても、それを、ただ、ポストに投函するのではなく、「手渡し」することです。その「手渡し」は、理事長ではない、「副理事長」とか「その問題の担当役員」がやるべきで、かつ、人数は1名ではなく、できれば、3人以上で行って欲しいと思います。

 人間の心理として、「1名」だと、「個人」と認識してしまい、その目の前にいる人間を「敵」と考えてしまいます。また、応対する、その家庭が、家族で応対すると、「1対3」とかになって、「議論の内容」はともかく、頭数だけで負けてしまいます。3名以上だと、「個人」ではなく、「組織」と認識するし、人数の上でも負けません。そうすれば、個人相手の嫌がらせはしにくいです。

 とはいっても、だれでも、「相手を注意する」ということは気がひけるものです。

 特に、相手が、「何を言っても、言うことを聞かないような人」だと、余計に腰が引けます。「どうせ、あのひとには、何を言っても効き目はないから、放っておこうよ」と。最初から「匙を投げる」役員がいるものです。でも、そこで、「放置」しないで欲しいのです。
 放置すれば、相手の思う壺です。それに、長いスパンで考えると、数年後に、「しっかりした理事長が就任し、マンション内の浄化に着手した」という場合でも、しっかり理事長が、いくらがんばっても、「過去に、何も注意を受けたことはないぞ。なんで、今頃言うんだ。いい加減じゃないか! 統一性がねえぞ!」とか反論することが目に見えています。
 また、一度、見逃すと、「あ〜、あの行為は、やってもいいんだ」と真似をする住民が必ず出てきます。小保方さんのマウスのように、こういうことは「ねずみ算」的に増えていくものなんです。

 そういう「長期的視点」で考えると、
「無駄だとわかっていても、とりあえず、警告を与えておく」「たとえ、相手が無視したとしても、その時に、管理組合として対応し、警告したことの記録を残しておく」というのは、すごく、大事なんです。あとから、「あの年の理事会はひどかった。何もしなかった」と批判されることもないでしょう。

 「警告を無視して、迷惑行為を続けた」ということになれば、その人は、「犯罪者」です。無視しようが、どうしようが、警告をしておけば、「その人は犯罪者」だと認定することになるわけで。そうすれば、あとで、「しっかり理事長」が、本気で、その迷惑行為をなくそうとした時に、すごくやりやすくなるわけです。

 とにかく、「無駄だよ」「意味ないよ」とは言わず、行動することが大事です。その時は「無駄だった」で終わっても、あとになって、意味が出てくることがあるのですから。



2014/6



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