管理人はつらいよ
マンション管理最前線
業者が変更になりました 勝手が違います |
非情なリストラが断行された、当社「株ム加減」では、社員の何割かが去っていき、この4月から、顔ぶれがずいぶん変わりました。担当フロントも変わりました。そして課長も外部から来ました。
この課長になってから、消防点検とか植栽とかの業者が変更になりました。どうやら、新しい課長が連れてきたようです。前の業者に関しては、「飯加減から無理な値下げ要求をされたために逃げられた」という噂もあり、「引き受けてくれる業者がいなくなったために、新課長が知り合いに頼んだ」というのが真相のようです。
<消防点検>
ベランダにある避難はしごの点検。以前の業者は、ちゃんとはしごを実際に使用して,人間が上り下りして点検していたのですが、今度の業者は、はしごを下ろしただけで、あとは目視による機能点検だけで、実際に降りることはしません。
「あんなんで大丈夫なの?」という疑問が住民から来ました。係員に聞いてみたら、「大丈夫ですよ」との返答。実際のところは、「面倒」「汚い」といった理由かもしれません。以前は、実際にハシゴを使用して、降りていたため、「一番上の階にさえ入れれば、あとは留守でも、はしごづたいにベランダを降りてきて、全部のはしごを点検できる」という利点がありました。しかし、今回は、ハシゴは目視点検だけのため、すべての部屋に玄関から入る必要があり、「留守だったので、○○号室は点検できませんでした」という部屋がいくつかありました。また、住民からも、「いつもは上の階から勝手にベランダに入ってきたのに、今日は玄関から入ってきたんだけどどうしたの? 困るなあ」(他人が通行するとなると、室内の片付けも必要ですから)という質問も来ました。ハシゴ点検ひとつとっても、会社によって、そのやり方は違うようです。
また、非常ベルの動作試験も、前の会社は各階ごとに鳴らしていたのに、今回は1回鳴らしただけで終わりでした。それから、消防点検の際は、警報が鳴るため、あらかじめ警備会社に「これから点検します」「点検が終わりました」と報告しなければならないんですが、以前は、点検業者が電話してくれたのに、今回は、私任せでした。というか、連絡していなかったために、警備会社が「緊急事態」と勘違いして出動してしまい、「あれ、管理人さん、連絡してくれなかったの?」「何言ってるの。お宅が連絡するんでしょうに」と、ちょと揉めたため、わかったことです。
消火器の表示板も、はがれそうなもの(1階とか湿気の多い場所ははがれやすい)は、いつもは点検業者のほうで貼りなおしてくれるのに、今回は、それをあてにしてはがれたままにしておいたのを、そのまま放置してました。どうもいろいろ違います。やりにくいです。
このように「手抜き」と思える一方、今までの業者が指摘してこなかった、「連結送水管の周囲の植木が大きすぎて、送水管の場所がわかりません。これはだめです」といった点を、改善事項として報告をしてきたり、「ちゃんと見てるなあ」と感心したり、画一化された点検業務のようでも、会社が違うと、手法は違うもんですねえ。ちょっと戸惑ってます。
<植栽>
うちみたいに敷地の大きいマンションでは、植栽剪定は一大事業で、駐車場の車を移動しておいたり、それなりに準備が必要です。過去の経験から、準備を行なって、当日効率よく剪定してもらえるようにしておくのですが、今年は、知らない間に業者が変わっていて(社からの連絡なし)、今までの業者とやり方が違います。剪定場所の順番も違います。道具も違います。(今年はクレーン車が来ました。びっくり。) 剪定と消毒を含めて全部で4日間なんですが、この新しい業者とは打ち合わせを全然していなかったために、「何日の何時から何時まで、どこそこを通行止めにする」といったことも、はっきりしてなくて、困惑しました。特に消毒はマンション住民のみならず、風向き、風速によっては周囲の住民にも影響するため、事前打ち合わせが必要でした。
今回の業者さん、前の業者と比べて、「バッサバッサ切りまくる」ため、見ていて気持ちいいし、「ジャマだなあ」と思っていたのもバッサリ切ってくれて、とてもありがたいんですが、やはり、あとから苦情が来ました。特に、今回、消防点検で指摘された、「植物で隠されて見えにくい」という箇所を、どっさり切りましたから、「なんで切ったんだ」という文句が多いです。植物に関しては、「多ければ多いほどいい」「虫が沸くから嫌だ。全然不要」という人もいて、どっちにしても文句が来ます。
ただ、今回、「共用部分に住民が勝手に植えて、大きく成長してしまってジャマな木」もずいぶん切ったため、文句も多かったのですが、いい機会だと思って、「共用部分の不法占有」のことを教えてあげることができました。こういうことは1回言っておいたほうがいいんです。嫌われますけど。