管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

 リプレイス 「管理会社変更」
させないための妨害工作を必死にやる管理会社
 




 ここのところのマンション関係のツイッターで「管理会社変更を妨害する管理会社」のことが話題になっています。

こんなhpもありました。管理見積もりcomさん。

 管理会社の変更の理由というのは、大きく分けて、「委託費が高過ぎる。ボッタクリ」というのと「管理会社の仕事が手抜き」というものの、2種類があります。「お金」に関しては、わかりやすいのですが、「仕事の質」となると、判断は難しくなります。

 あるマンションで、「管理会社の仕事の質が悪い」ことから、管理組合の有志が、理事長に就任し、管理会社変更の検討に取り掛かったところ、管理会社側が、様々な妨害工作を仕組んできたそうです。その内容は実に手の込んだものだったそうです。

 「そんなに一生懸命に妨害工作ができるのなら、その能力と労力を、今までの管理業務に注入すればいいのに」と理事長は思ったそうです。私もそう思います。

 さて、妨害工作にはいろいろありまして。

「書類や資料を管理組合に渡さない」・・・まあ、「人質」を取るようなもので、会計関係の過去の資料とか、そういうのを、管理室ではなく、管理会社で保管しているケースはよくあって、それを渡さないのです。そういう資料がないと、新しい管理会社を検討するのに障害になるので、組合が困ります。悪質なところでは、「会社の中のどこかにあるのは確かですが、探さないとわかりません」とか「紛失しました」とかウソをつくこともあります。また、通常は、管理室内に書類を保管しているのに、「変更を検討」となったら、それを会社の方へ持って帰るところもあります。


「設備管理ができなくなる、とウソを言う」・・・「エレベーターの管理は日立じゃないとできません。うちとの契約を切ると、日立さんとの関係も切れて、日立さんがエレベーターの保守をしてくれなくなりますよ」とか、ウソを言って脅します。

「新規候補会社の誹謗中傷」・・・候補会社が絞られてきて、名前が表面化してくると、「あの会社、一回倒産したんですよ」とか「管理人が横領で逮捕されています。そんな会社に任せられますか?」とか「マンホールに子供が落ちて死亡事故が起きてます」とか、ネガティブキャンペーンを始めるんです。「怪文書の配布」といった形で実行します。マンション管理会社って、ちゃんとした会社ってないもので、どこも、なにかしら、「スネに傷を持つ身」なので、攻撃材料はいくらでもあります。


「組合理事の抱き込み&反対派を組織する」というのもあります。組合内部から嫌がらせをするわけです。これが一番悪質だと思います。私の知っている例をご紹介します。

 「管理会社変更」の情報を得た、現管理会社は、せっかくの「ぼったくりの金ズル」を「手放すわけにはいかない」ということで妨害工作を開始しました。
 まず最初に、管理人に「このマンションは、ペット飼育禁止のマンションだが、実際は、隠れて飼っている住民がいるのではないか?」と聞きました。「はい、201のAさんと、805のBさんは、規約に違反して、隠れて犬を飼ってます」という情報を聞き出します。
 そして、管理会社は、AさんとBさんに、こっそりと接触して、このように言います。

「今期の理事長は管理会社を変更するつもりです。当社は、今まで、あなたがたが規約に違反して犬を飼っていたことを表沙汰にはせず、事実上の黙認をしてきましたが、あの理事長は、管理会社を変えて、その際に、同時に、ペット飼育禁止の規約の厳守を徹底させるつもりです。そうなると、あなた方は、家族同様の愛犬を手放さないといけませんよ。ですから、管理会社を変更させてはいけません。うちが管理している限りは、あなた方を守ります」

 
実際は、「ペットのことに関わると面倒」だから、黙認していた、いや、放置していたというほうが正しいでしょう。それを、「あなた方をかばっていた」かのように言い換え、ペットを人質にして、自分たちの仲間に引き入れたのです。

 規則に違反してペットを飼う人というのは、もともと、ろくでなしの人間ですし、ペットが関わると過激な行動もします。ペットのことになると、頭がおかしくなる人も珍しくありません。「ペットが飼えなくなりますよ」とか言われたら、正気を失って、管理会社に盲従するでしょう。管理会社としては、いいところに目をつけました。

 この後、AさんとBさんは、理事長を始めとする「管理会社変更論者」の役員に対して、悪行三昧をします。「理事会に出席して意見をいう」といった、まっとうなことはしません。当時は、そのマンションには、防犯カメラはありませんでした。ですから、やりたい放題です。

「集合ポストの中に食べ終わったガムを投げ込む」
「玄関ドアの鍵穴にアロンアルファを注入」
「廊下に置いてある、エアコンの室外機の、排水パイプの口を塞ぎ、室内機から水を溢れさせる」
「夜中に、玄関ドアを叩く」
「”あの理事長は、新管理会社からワイロをもらっている”という噂話を流す」
「ピザの宅配を10人前注文して配達させる」
などなど。ひどいもんです。

 そんな状況になると、理事長の家族も参ってしまい、「お父さん、管理会社を変更したってたいして変わらないよ。家族を犠牲にしてまですることなの?」と理事長を心理的に困らせます。ほんと、やることが陰湿です。犬を飼う人間て、他人の迷惑なんか一切お構いなしで、「自分だけ楽しければいい」と思ってますから、こういうことができるのです。

 ただ、北風と太陽の話ではないですが、この組合さんでは、この作戦が裏目に出て、「絶対に妨害工作には負けない」と奮い立ち、翌年、会社を変えました。

 新体制では、「ペット」に関しては、「今、飼っているもの、一代限りは、特例で認めます。しかし、マナーを厳しく守ってください」ということにしたそうです。AB両氏はまもなく引っ越していったそうです。彼らも、管理会社に騙された被害者だったのかもしれません。


 このように、悪質&陰湿な妨害工作があります。しかし、妨害工作をするような管理会社は最初から悪質なんです。絶対に、会社変更したほうがいいです。



2014/7



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