管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 1台ずれたら大変なことに 




 
  
 
このマンションの駐車場には「4」と「9」の番号はありません。(縁起の問題で)

 このため、3番の次は5番です。おまけにその番号を表示している路面のペンキがほとんど剥げていて、ちょっと見ただけでは判別できません。このため、実際に駐車場を利用している人は、「うちは、日産CUBEとトヨタパッソの間」とか、左右の車の車種を基準にして、自分の場所の目安にしている人がけっこういます。電柱の前の駐車場などは「柱の前」とか絶対的な目印があるんですが、それ以外に目印になるような適当な設備がないんです。

 こういうのは、管理する側としても非常に困るので、以前から何度も、「番号表記のペンキを塗り直ししませんか?」と組合さんに提案しているのですが、駐車場の絶対数が総戸数に比較して少ないため、理事会の役員内でも駐車場利用者が少数派になり、非利用者が「駐車場のことでお金を使いたくない。うちは関係ない」と思う人が多く、いつもお流れです。地面に番号を書くくらいのことですから、誰か住民の有志が「俺が書いてやるよ」と一言言ってくれれば解決なんですが、そういう奇特な人は、このマンションにはいません。

 さて、ある日曜日のこと、駐車場でパニックが起きたそうです。原因は、1台の車(Aさん、高齢者、オデッセイ)が自分の駐車場の場所を間違えたことです。この人、指定位置は10番(=左から8番目 う〜んややこしい)なんですが、11番に入れてしまったのです。ちょうどその時は他の車がほとんど出払っていて、いつもの基準「セレナ(9番)とワゴンR(11番)の間」という目安が使えなかったのです。さて、そのあとにワゴンRが帰ってきました。このワゴンRもいつも「自分はオデッセイの隣」と思っているので迷わずにオデッセイの隣へ駐車。しかし、そこは11番ではなく本当は12番。そして、そのあと12番のデミオが帰宅。このデミオも「ワゴンRの隣」と思っているので、躊躇なく、13番へ。   ・・・・・・  こうやってドミノ倒しのごとく、ひとつずつずれていってしまい、端っこの車(Cさん)が「自分の場所に隣の人(Dさん)が置いている! うちのが置けない!」と驚き、深夜の12時に理事長を叩き起こした次第。理事長は仕方なく、CさんとともにDさん宅を訪問して、「Dさん、お宅、間違えてますよ」と注意。Dさんは「あれ、いつものとおりに、ノアの隣に置いたんだけど・・・・」「いいえ、間違えてますよ」   こういうやりとりが延々と続き、そして最初にまで行き着き、Aさんが間違えたことがすべての発端だったことが判明し、事件は解決したそうです。(解決といっても深夜に大騒ぎしてたから、無事解決というわけではないですが)

 理事長は、「こんなこと2度と起きて欲しくない」と思い、次の理事会で、「番号のペンキを塗りましょう」と強く主張したのですが、今年の役員には駐車所利用者がとても少ないため、またいつものとおりに却下されてしまったそうです。理事長さん、災難が続きます。「俺、もう辞めたいよ」と嘆いています。ご愁傷様です。






2006/7



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