管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
NTTの故障が起こした騒動 |
レバノンとイスラエルの戦争大変です。こういうのをやめさせられない国連の無力さ、「国際平和が大事」といいながら何もしない日本の外交に憤りを感じます。無駄なODAより他にやることがあるでしょうに。
さて、戦争で多くの人がケガをしているのに、病院が停電になることがあります。イスラエルがわざと発電所を狙ってミサイルを打ち込んでいるからです。停電のために救える命も失います。
昔の日本ではよく停電がありました。また、電話の回線がおかしくなって、切れたり、混信したりすることもありました。(「混信した相手が知り合いで、混信の状態でその知り合いと話をした」なんて、おかしな経験もあります。) しかし、今の日本では携帯を除いて、固定電話の回線が故障するなんてことは考えもしません。そんな先入観が起こした騒動です。
わが「飯加減」が管理する別のマンションのお話。そのマンションの理事長さん、ある木曜日のこと、管理人に用事があって、昼間会社から管理人室に電話をかけました。しかし、誰も出ません。それに、留守番電話にセットされているはずなのに、留守番録音モードに切り替わることもありません。その日何度かけても同じです。あきらめました。
翌日、金曜日。また電話をかけました。しかし、相変わらず誰も出ません。「まさか、管理人さん、さぼってるのかなあ? 留守電モードも切ってるのかなあ?」と思い、今度は管理会社のオフィスのほうにかけて、事情を伝えました。管理会社からも電話をしましたが、連絡がつきません。
翌日土曜日、理事長は会社が休みのため、管理人室を直接訪問して管理人に声をかけました。事情を聞いてみると、「その時間は私いましたよ。それにずっと留守番モードにしてありますけど。・・・・ う〜ん、おかしいなあ。もしかして電話機の故障かなあ。これ、中国製の安物だから・・・・」「そういえば、去年、FAXが欲しいというおたくの要望に、前期の理事長が”一番安いものでいい”といって、デオデ○で、12800円の激安FAXを買ったんだよね。確かに、見るからに安物だねえ。知らないメーカーだし」「あの、理事長。試しに、今、理事長の携帯から、この電話にかけてみてくれませんか?」「え? うん。わかった。やってみる」 「あれ? 呼び出し音がならないね」「はい、鳴りませんね。でも、おとといは古紙回収の業者に電話をかけて話しましたよ。ということはもしかして・・・ じゃ、ここから理事長の携帯にかけてみますね」「”チャラチャララ〜ン” あれ、ちゃんとかけられるね」
「そうか、わかりました、理事長。この電話機、かけることはできるけど、受けることはできなくなってしまったんですよ。電話機の故障ですよ。やっぱ、安物はダメだなあ」
「そうか、そうみたいだね。どうしようか? このままじゃ困るよね」
「今度の月曜日に電気屋に修理に出してきます」
「でも、電話機を持っていったら、その間に電話が使えなくて困るでしょう。」
「そうですねえ。ところで、理事長、この電話の保証書って見たことないんですけど、知りませんか?」
「え? 俺知らないよ」
「もしかして、前期の理事長が知ってますかねえ?」
「うん、じゃあ、今聞いてみるよ。」 (電話をかける)
「前期の理事長の部屋にあるってさあ。困った人だよ。でも、ちょうど1ケ月前に1年間の保証が切れているらしいよ」
「あちゃー、そうでしたか? それじゃ、無料で修理はできませんねえ。修理代だけで1万円はかかるだろうなあ? それに修理に出すと、2〜3週間、電話が使えないことになるし、困ったなあ」
(しばし、沈黙)
「安物を修理してもまた壊れるかもしれないし、そういえば、今日の新聞に○ーズ電器の特売のチラシが入っていたから、午後にでも行って新しいのを買ってくるよ。今度はちゃんとしたメーカーの信用できるのを買ってくるよ。2〜3万円のことだから、理事長の独断で買っていいよねえ」
「はい、いいと思います」
ということで、土曜の午後に、理事長は新しいFAX機を購入しに出掛けました。ただし、チラシに載っていた「日替わり特価品」のFAXは売り切れていました。それでも理事長はあきらめずに、「おい、台数限定とか書いてないだろ。なんで売り切れなんだ! 店長を出せ」とか、店の中で騒いで、無理やり特売の値段で注文して、翌週の水曜日に届けさせるように手配をさせました。この理事長さん、真面目な人で、「みんなの管理費から支払うのだから、なるべく安い値段で、いい製品を買いたい」と思ったようで、それが大胆な行動に結びついたようです。
さて、ここまではいいんですが、問題は水曜日の朝に起きました。新しい電話機が管理人室に届いたとほぼ同時に、管理人室の電話が鳴りました。「あれ、なんで電話が鳴るんだろう? 壊れているはずなのに???」と管理人は不思議に思いました。電話に出ると、相手はNTTでした。「あ、どうもすいません。今、お出になったということは、電話がちゃんとかかったということですね?」「はあ、お宅何を言ってるの?」
NTTの話は以下のとおりです。
「先週の木曜日から、当局の管内のごく一部、10世帯ほどの電話回線に、”かけることは可能だが、受けることはできない”という故障が発生しました。全局でダウンといった故障でないため、苦情も寄せられず、当方で気がつくのが遅く、全容が掴めたのが昨夜のことです。それで、復旧工事をしてさきほど元に戻ったしだいです。このたびはご迷惑をおかけしてすいません」
「え? 電話機の故障じゃないの? NTTの電話回線の、それもごくごく一部の故障? え??? でも、うち、新しい電話機を買ってしまったのに・・・・ どうしてくれるんだ!」「いえ、どうして?と言われましても、当方ではどうすることもできません。お詫びするだけです」「そんなあ???」
このあと、管理人は理事長に電話をして説明しました。そして、「すいませんが、理事長。返品してもらえないでしょうか?」「え? 返品??? 無理だよ。店の中であんなに大騒ぎして安く買ったのに。店長まで引きずり出して大声出したのに、いまさらどの面下げて、返品なんてできるんだよ。だめだめ。だいたい、電話が故障した時に、なんであなたはNTTに電話をかけて、回線の故障かどうか確認しなかったの? 管理人さんの責任だよ。そっちで返品してきてよ。」「う〜ん、困ったなあ」(実はこの管理人さん、つい先日、管理人室にエアコンを設置してもらう際に、同じ店に行ったんだそうです。組合が「管理人一人のために高いエアコンなんかつけられない。工事費、消費税、全部で4万円でなんとかしろ。自分で安い店探して買って来い」と言われて、その店でずいぶん値切ったらしく、恥ずかしくて二度と行きたくないそうです)
その後、管理人はフロントと相談し、フロントが今度はNTTに電話をかけて、「NTTの責任だ、なんとかしろ」と要求して、結局のところ、管理人とNTTの職員が二人で、電気店に行き、NTT職員に事情を説明させて返品してきたという顛末です。そのあと、お金の処理も面倒だったようです。
この管理人さん、とんだ災難でした。今の世の中、NTTの固定電話の回線が故障する、それも「かけるのはOKなのに、受けるのだけNG」だなんて、思わないものね。その思い込みが招いたトラブルでした。
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