管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

百聞は一見に如かず
まずは、現場を見てよ役員さん!





 先日、理事会が開催されました。

 

この理事会では、
「マンション内の、隣地との境にある植栽部分の樹木が、
築35年もたって巨木になってしまったために、その育った根が、隣地境界線にある鉄製フェンスの根元の土を持ち上げてしまい、フェンスが傾いてしまって、危険だから、修理が必要。樹木の伐採も検討した方がいい」
という問題について、話し合われたのですが、その結論は、「もうしばらく様子を見よう」ということになってしまったそうです。

 マンション管理における「もう少し様子を見よう」というのは、「うちの期では何もしないよ。来期の役員に押し付けてしまえ」という、公務員的な意味になってしまいます。

 こういうの、困るんですよねえ。だって、本当に危険な状態なのです。このまま、もっと傾けば、隣の敷地に立っている一戸建て住宅の壁にぶつかってしまうかもしれません。まあ、ぶつかれば、さすがのぐうたら理事会も重い腰をあげるからいいのかもしれませんが、「ぶつかるのを黙って見ている」というのもおかしな話です。
 我々、管理会社というのは、危険を未然に防ぐのも仕事だと思います。

 さて、こういう問題の際には、私は必ず、現場写真を添えて、理事長に報告をしています。ただ、写真といっても、DPEショップで高いお金を払って、きれいにプリントしたものではなく(そんなお金まで自腹で払いたくないもん)、安物の普通のPC用プリンターで出力しただけなので、鮮明ではなく、「どれだけひどく傾いているのか?」が、ちょっとわかりにくい写真になっています。「木の根がこんなに盛り上がっています」というのも、写真に撮ると、わかりにくいし。それに、私は、シリアで殺された湯川くんみたいな「カメラマン」じゃないし。

 ですから、「
理事長、まずは現場を見て下さい」と書いてお願いしたのですが・・・・  理事長も役員も、こういう「現場を見る」ということを全然しない人ばかりで、「12人の怒れる男」みたいに、集会室という密室の中だけで理事会を終わらせようとします。あの映画は、ピーター・フォンダという頭のいい人がいたから、ああなっただけで、うちの理事会みたいにボンクラしかいないグループでは、現地を見ずに、そのことを論じることができるほどの人材はいません。

 「現地」と言ったって、「東京の人に、沖縄の辺野古の海を、見てきてくれと頼む」わけではなく、「集会室から50メートルほどのところにあるフェンスを見るだけ」なんです。
 
なんで、こんな簡単なことすらやってもらえないのでしょうか? 現場を見れば、誰だって、「こりゃやばいなあ」と思うはずなんです。でも、見ないから、「しばらく放置しても平気だ」とか思ってしまうのです。

 織田裕二じゃないけど、マジで、「現場を見てよ」。

(まあ、理事会って、たいてい、夜間だから、夜だと現場の様子がわかりにくいのも事実です。できれば、各役員が事前に暇な時間を使って、明るい時に現場を見てくれているとありがたいんだけどなあ。そういう、「検討事項予告を配布してくれ」って、何度も、担当フロントに頼んでるんだが、やってくれんのです)



2014/8



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