管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

福祉関係者の傲慢さ  工事の際の安全対策







 
 
たびたび述べていることですが再度。

 
マンションも古くなると、高齢者が増えてきます。そうすると、一般の人にはわからないでしょうが、管理人の仕事もいろいろと大変になります。

 今回は、
マンション構内に入ってくる車両の話です。救急車もしょっちゅう来ます。リハビリセンターの送迎の車も来ます。訪問入浴の車も来ます。

 ところで、マンションの建物が古くなると、あれやこれやとメンテナンス工事も増えてきます。年寄りが病院にかかる機会が増えるように、マンションの建物も高齢者になっているのです。

 工事の時に我々が気を使うのは
安全対策です。

 本来なら、工事業者がすべきことですが、彼らはほとんどなにもしません。「工事自体をしっかりやればそれでいい」と思っており、工事に付帯する、「マンション住民の安全を守る対策」を考えに入れていないのです。管理人としてはこっちのほうが大事です。でも、こういうのって、業者選定の際の判断基準になることもなく、「工事内容」と「金額」だけで、決めてしまいます。私が理事長なら、「こういう工事をするので、通路を3日間封鎖します。その際は、警備員を1名配置します・・・・・」といった付帯項目をしっかりと説明できる業者を選ぶことでしょう。

 そんなわけで、
いろいろな工事が行なわれるたびに、安全対策を考えるのは、なぜか管理人の役目になっています。おかげで忙しいです。
「事前に告知する」「危険と思われる場所を封鎖する」「危険な場所に注意書きを貼る」「一般の車両を進入禁止にする」・・・・いろいろやります。以前、屋上にある貯水タンクの修理工事が行なわれた時、業務用の大きなスパナを誤って落としてしまう事故がありました。幸い、人にはあたらずけが人は出ませんでしたが、「もしかすると死者が出ていたかもしれない」と思われる重大なミスです。この事故以来、「少しでも、危険性のある場所は、あらかじめ"立ち入り禁止”にしておく」ということにしました。落下物以外にも、地面に置いてある資材に、人間がけつまずくなんてこともあります。また、マンションというのは小さな子供、いたずら盛り小学生、悪の道に入り込もうとする中高生、バカな大人、酔っ払い、足や目の悪い老人・・・・など、いろいろと「危ない」人間がいます。こういう人間が「常識では考えられない行動をする」ということを前提に安全対策をしなくてはいけないのですが、業者さんは全然そういうことを考えてくれません。「大人の常識」で判断し、「のこぎりにわざわざ触るバカはいないだろう」と考えてしまいます。しかし、わざわざノコギリに触ってケガをするバカが実際にはいるのです。また、発電機の燃料タンクの前でタバコを吸う中学生もいるのです。こういう連中のことを考えて、「不測の事態」が起きないようにするのが、なぜか、管理人の仕事になっているのです。ほんと、疲れます。

 工事の期間中は、工事業者の車両が構内に入ってきて、わずかな隙間に駐車します。このため、他の一般車両(契約駐車場利用車両は除く)は中に入ることは出来ません。無理やり入っても出られなくなったりします。ですから、マンションの正面に「工事中につき、車両入構禁止」と大きな張り紙を書いて貼っておきます。そして、ロープを張って入れないようにします。こうすると、生協の配達の車とか、エアコン取り付け工事の車とかは、入構内するのをあきらめるか、管理人室に顔を出して「なんとか、中に置けないかなあ」と相談に来ます。

 しかし、
福祉に関する車両だけは、「自分たちは特別」と思っているのか、無断でロープをはずして、無理矢理中に入ってくるのです。何の挨拶もなく。
私がその現場に遭遇した際は、「中に入れない、って書いてあるでしょう。それなのに、なんで入ってくるの?」と怒りますが、そのドライバーは悪びれることもなく、「お年寄りの送迎ですから・・・・」と言い訳をします。福祉関係者だと何をやっても許されると思っているようです。体の不自由なお年寄りを特別待遇する気持ちは理解できますし、そうすべきだとは思いますが、無理な時は無理なんです。無理が通ると思っている彼らの神経が信じられません。車が中に入れなくても、車椅子を使って、部屋から車まで運んであげればいいじゃないですか? 無理矢理、中に入らなくてもなんとかできますよ。

 せめて、管理人に挨拶して、「特別に中に入れませんか?」と相談してくれれば、なんとかできる場合はこっちも努力して中に入れるようにしますが、そういう都合を一切無視して、無断で中に入っていく彼らの態度は許せません。福祉関係者の奢りを感じます。

 駐車禁止の取締りが厳しくなってから、「車椅子マーク」のステッカーの売り上げが急増しているそうです。(あれって、実はホームセンターとかでも売ってます。許可や申請が必要なステッカーではありません) 車椅子マークを貼ってあると、警察が見逃してくれることが多いらしいからだそうです。だから、身障者じゃなくても貼っている奴がいるんです。困ったもんだ。

 本物の身障者の場合、「駐車禁止除外車両」という認定書があり、それをフロントガラスの内側に貼ってあります。これは、一種の免罪符で、これがあるとどこにでも駐車できます。でもね、「ここに置いたら、他人に大きな迷惑をかけるでしょう。ここじゃなくても別の場所に置けるでしょう?」という場所に堂々と置いている身障者がけっこういます。「そこのけそこのけ、俺は身障者だ。なにやってもいいんだ」という考え、非常識だと思います。たとえ除外車両であっても、最低限のTPOはわきまえるべきです。身障者車両は「優先」すべきものですが、「何をしてもいい」というわけではないと思います。



2006/9





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