管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
福島原発吉田調書 と 管理組合理事長 の 共通点 どちらも、「一極集中はいかん」ってこと。 |
朝日新聞の誤報の問題で、昨夜のニュースは慌ただしかったです。
ただ、朝日が抱えている誤報の問題は「原発に関わる吉田調書」と「韓国人慰安婦強制連行問題の吉田証言」というのがあり、どっちも、吉田であり、ニュースでは、この区別をはっきりいわず、略称で言うので、ややこしくてしょうがないです。
おまけに、このニュースを聞いている時に、私は、吉田戦車の漫画を見ていたので、もう、なにがなんだか・・・・。
慰安婦問題に関しては、「韓国人慰安婦の強制連行という吉田氏の証言は捏造だった」と、朝日が認めたことが、なぜか、「韓国」も「強制連行」も省略されて、「慰安婦は捏造だった」という感じに、恣意的に報道されているような気がします。今の日本は、安倍の息がかかったマスコミばかりなので、安倍自民党は「これを機会に、慰安婦全体を捏造ってことで処理しよう」と思っているのでしょう。日本軍が、慰安所を運営していたのは、中曽根が自伝で「自分が作った」と書いているし、漫画家の水木しげるさんだって書いているし、映画の「兵隊やくざ」シリーズでも詳細が描かれているし、多くのご本人たちの証言もあるように、まぎれもない事実であり、それをなかったことにしようと、「慰安婦は捏造だった」と報道するマスコミに嫌気が指します。(ただし、私は、「韓国人男性を強制連行して、日本の鉱山で強制労働させて、大勢を殺していた」ことを考えると、吉田という人間の話はウソだったのかもしれませんが、韓国で慰安婦を強制連行するぐらいのことは当然やってるだろうと今でも思います。)
こんなことを書いていると、安倍にお金で雇われたネトウヨの人たちがウジャウジャ湧いてくるので、今回は、慰安婦問題は置いておきます。
福島原発の吉田所長と、管理組合理事長の話に戻します。
「大規模マンションの管理修繕 管理組合の法人化」というHPをご覧ください。良記事です。
「管理組合の法人化」というのは、多くの人(マンション管理士等)が、「あまり意味が無いですよ」と説明しています。たしかに、そういう面があり、私もそう思っていました。しかし、この記事を読んで、「法人化の目的」の中に、「責任の分散化」というのが入っているのに、感心しました。
そうなんです。管理組合の理事長というのは、ヘタすると、管理組合の仕事の「9割」が集中してしまう、多忙要職なのです。このため、毎年、「成り手」がいなくて、選出に苦労します。どこのマンションでも、「じゃんけんをして、負けた人が理事長になる」なんていうことが常態化しています。これじゃ、ろくな人間が理事長になりません。「やる気なし」「無能」な人間ばかりになります。
前回の「管理費滞納の督促」のページでも書きましたが、こういう仕事は理事長じゃなくてもできます。駐輪場の整理の問題だって別の人ができます。「上の会の部屋の人がうるさいのよ」という問題なんか、いちいち理事長が対応すべきではありません。
私は、「現状、9割の仕事が理事長に一極集中しているが、できれば、3割にまで下げたい」と思っています。
さて、昨日、吉田調書の内容が明らかにされましたが、ここでも、「所長への一極集中の弊害」が書かれていました。「官邸」「マスコミ」「東電本社」「フクイチの現場」・・・ すべてのことが、吉田所長に集中していました。これは無理ですよ。
緊急事態で、24時間体制で動かないといけない時に、吉田所長になんでもかんでもやらせるというのは、体力的にも不可能です。疲労して頭がボーっとしてくれば、的確な判断もできなくなります。吉田さんご自身も、「なんでもかんでも、俺に集中させやがって。そんなの対応できるわけがない」という意味の発言をしています。ごもっともだと思います。
映画「七人の侍」(私はリバイバル時のチラシをいまだに保管してあります)では、リーダーの志村喬が、残りの6人に与えた「権限」を、その6人がちゃんと責任をもって遂行しています。特に、宮口精二、稲葉義男、加藤大介は、それぞれが「リーダーとなりうる」素養を持った人物でした。このように、組織というものは、優れた「サブリーダー」がいないと、運営できないものです。
今回の吉田調書を見るに、「フクイチには、ちゃんとしたサブリーダーがなぜいなかったのか?」というのを痛感します。
逆に言うと、「事故なんて起きるわけがない」と油断して、たかをくくって、事故に備えた、きちんとした組織を作っていなかった、ということがわかります。このことからも、「東電なんていう、いい加減な組織に、原発という危険な建造物を扱う資格などない」、ってことがよくわかります。本社の人間もアホばっかなんですから。そして、政府の対応を見ても、杜撰でいい加減で、不的確で。
要するに、吉田調書を読み解くと、「日本という国は、原発を持つ資格などない」ってことが判明します。
マンションも同様に、「じゃんけんに負けた人に理事長をやらせ、その人に仕事を全部押し付ける」ということをやっているようなところは、最初から「崩壊」しているのです。そんな人達は、マンションを買う資格などありません。
多くのマンションでは「副理事長」という役職が、「ちょっと頭のいい人が、仕事をしたくないために、あえて、最初に立候補して、副理事長に就任し、実際には何も仕事をしないで任期を過ごす」ということになっています。こんなことじゃだめなのです。
「設備担当副理事長」「住民トラブル&マナー問題副理事長」とか、作って、その担当する案件は、その人が責任をもって遂行するようにしないといけません。理事長職というのは、「本当に、理事長じゃないとできない仕事だけする」というふうにしないといけません。