管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

屋根瓦のプレゼント







  つい先日、台風の接近に伴って日本中で強風豪雨の日がありました。

 その数日後の、これまた風の強い日のこと。管理員室でボーっとしていたら、どこかで、「ガチャーン!」という音が聞こえました。同時に「キャー!」という叫び声も。音のするほうへ行くと、なんとマンション敷地内の通路に割れた瓦が散乱していました。当マンションの東隣には、安物の3階建ての建売住宅があります。どうやら、その家の屋根瓦が落ちてきたようです。幸い、通行人には当たらず、惨事にはなりませんでしたが、下手すると、人が死んでいたかもしれない重大な事故です。

 隣家の屋根を確認しようと、当マンションの5階にある住民Dさん(比較的私と仲がいい人)の部屋に入れてもらい、ベランダから、該当の屋根を見てみると、瓦が何枚もはがれて、ずれていました。落ちたのは1枚だけでしたが、今後強風が続けば、落ちてきそうな危ないものがまだ4〜5枚あります。すぐに、その家を訪問し、「お宅の家の屋根が・・・・・」と説明しました。ご本人は、「別に雨漏りしているわけでもないし・・・・ まだ新築で買ったばかりなのに・・・・」と、私の話を信用しないので、この家主を連れて、再度Dさんの部屋に入り、「ほら、あんな状況なんですよ」「え! あれま! 驚いた」と、タメゴロウもびっくりの感じで仰天してます。

 「とにかく、今のままでは、続いて屋根瓦がうちのマンションの敷地に落ちてくる可能性がありますから、すぐに何とかして下さい」とお願いしました。「でも、3階の屋根だから、はしごもかけられないし、専門の業者を呼ばないと・・・・ 」とのこと。そして、1時間後。「業者に連絡がついたんですが、県内各地で似たような事故が発生しているため、すぐにはうちに来れないそうです。1週間待って欲しい、と言われちゃったんですけど・・・」「え? 一週間も先ですか? しょうがないなあ。とにかく、うちの方でも対策を取ります」「はあ、すいませんねえ。迷惑かけて・・・・」

 そんなわけで、新たな事故が起きないように、瓦が落ちてくる可能性がある場所を封鎖しなくてはならなくなりました。赤いコーンとトラロープ(黄色と黒の模様のもの)を使って、通路の一部を通行止めにしました。そして、「隣の家の瓦が落ちてくる可能性が・・・・」と注意書きを貼り付けました。掲示板にも告知をしました。

 これで、普通ならOKのはずなんですが、この通路が、自動車が頻繁に通行する通路で、ロープを張ったことによって、スレスレギチギチに運転しないと通路を通れないようになってしまいました。そうすると、うちの住民というのは、勝手にコーンをずらしてしまうのです。普通の神経なら、ずらしたあとに元に戻すものだと思うのですが、そんなことをする人は一人もいません。移動したら、そのままほったらかし。これでは、封鎖したことにならず、危険です。そのあと、30分ごとに現場を確認にいきますが、そのたびに動かされています。どうやら、隣の家の屋根の状況がいかに危ないのか? 地面からはうかがい知ることができないため、「本当に危ないのか?」わかっていないようです。「本当に危険です。ここを通行しないで下さい。コーンを移動しないで下さい」と貼り紙して、その日は帰宅しました。

 しかし、翌日、マンションに出勤してみると、コーンもロープもどかされて、ゴミ置き場に捨てられていました。当然、危険区域を皆さん、平気な顔をして歩いています。あ〜あ。私はやるだけのことをやりましたので、あとはもう知りません。

 うちの住民というのは、誰かが大怪我しない限り、認識しないようです。これじゃ、三菱自動車の重役連中といっしょじゃないの???

 ほんと、ここの管理人は超つらいよ。トホホ。


2006/10



手抜き建築の建売だったようです




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