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マンション管理最前線

狂犬病 36年ぶりに日本で発症!



発症したら必ず死にます



2006/12

 この秋、ペット問題に関して、超深刻な問題が発生しました。

 
「根絶していたと思われていた"狂犬病”が日本で36年ぶりに発症した」というニュースです。

 
狂犬病は「狂犬病予防注射(法律で義務付けられている)」として、有名ですが、日本では根絶したと考えられていて、実際問題としては身近な問題ではなかったと思います。「法律で義務付けられている」といっても、実際に予防注射を受けている犬は、「全体の半分くらいしかいないのでは?」と言われています。(犬を飼っていても登録をしていない違法飼い主がいるため、正確な数字は把握できない)
 
 予防注射を受けさせない飼い主は、「狂犬病なんか今の日本ではありえない病気なんだから」「予防注射なんかしたら副作用があるんでしょ!」「お金がもったいない」「面倒」などと理由をつけて、注射をさせません。しかし、狂犬病という病気は地球規模で見ると、「日本やスウェーデンなど、ごくごくわずかな地域で根絶しただけで、その他の地域では活発に活動している病気」です。年間、何万人という人が命を落としている重大な病気です。発症する前にワクチンを打てば、命は助かりますが、いったん発症すると100%死亡します。今回の日本人も、2人とも死亡しました。中国でも狂犬病は深刻で、ある省ではすべての犬を処分するという思い切った行動に出ているところもあります。(動物愛護団体が猛反発していますが、人間と犬とどっちの命が大事かは自明の理でしょう)
 また、この病気は「狂犬病」という名称ではあるものの、実はほとんどすべての哺乳類がかかる病気であるというところが恐ろしいです。猫やアライグマ、コウモリも媒介します。

 こういった病気が日本で復活したというのは、エイズ問題並みに、そして、北朝鮮の核武装よりも重篤な事態だと思うのですが、思ったよりマスコミは冷静なようです。まあ、いまやペット産業は日本の基幹産業ですし、景気回復の牽引車でもあります。テレビCMや新聞広告、専門雑誌もすごいです。そういったところからの圧力で、大々的には報道できないのでしょう。

 「噛まれたのはフィリピンだから、心配ない」という人もいますが、これだけ、貿易が盛んで人の出入りも凄い国際化社会では、海外の哺乳類がバンバン日本に入ってきます。貨物船に野良犬がまぎれこんで国外に行った例も多いです。また、「人間同士では感染しない」という報道もありますが、「空気感染はしない」という意味であり、狂犬病は唾液で感染しますから、ドラキュラのように噛み付けば感染します。今の日本で恐ろしいのは、「犬との過剰なスキンシップ」で、よくテレビドラマでも「人間と犬がキスをしている」「犬が人間をベロベロ舐める」シーンが流されますが、こういった過度の接触では、もし、人間側の口腔内に傷口でもあれば、そこから感染する可能性があります。エイズ問題にしても、日本では「臭いものには蓋」で、あまり報道しませんが、その間に感染者はどんどん増えています。狂犬病も今のうちに根本的な対策を施さないと将来悲惨な状況になるかもしれません。


 さて、当マンションの中に話題を移します。先日、「うちのマンションの飼い主はきちんと予防注射を受けさせているのだろうか?」と思い、ペット委員会の委員長に質問してみましたが、「委員会では把握していない」との返答でした。「え? なんで?」という感じです。だって、当マンションの「ペット飼育細則」では、
「会員全員に予防注射を受けさせること」という条文があります。「飼い方や感染症や衛生面での知識を啓蒙する」という条文もあります。

 でも、狂犬病問題が報道された後も、何の動きもありません。毎月1回開かれるはずの「飼い主全員が参加する会合」はいまだ開かれたことがありません。会費も徴収するはずですが、一銭も集められたことがありません。要するに、何にも活動していないのです。ですから、マンション内でウンコがたくさん放置されているのです。あ〜、情けない。管理人個人で、玄関前の表札の「犬登録済みシール」を確認したことがありますが、会員数に比較して6割くらいの人しかシールを貼っていませんでした。貼っていない人は保健所への登録も怠っているということです。登録しない人はペット委員会に入れない(=マンション内で飼育できない)はずなんだけどなあ。なんなんだろ、このルーズな感覚。タウンミーティングの会計責任者といっしょだよ。

 ある意味、当マンションはペット天国かもしれません。でも、そのうちに、人間がどんどん天国に行くかもしれません。


 






み〜んな、かかるんだよ。



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