管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 ゴーマンな人種 = ペット飼い主




 以前に書いたことがありますが、当マンションのすぐ近くに、ちょっとした広い公園があります。うちの市はお金がないはずですが、ホームレスを追い出し、きれいに整備され、子供用の遊具も置かれています。でも、器は立派でも中がひどいです。以前は私も天気のよい日は、その公園で弁当を食べていたりしたのですが、最近のペットブームのおかげで、「昼食どころじゃない」状況になってきました。

 周辺地域の中ではもっとも広い公園のためか、広範囲の地域から、犬を連れた飼い主が集まってきます。中には自動車で犬を運んでくる人までいます。 

 ここには「野良猫餌やりオバサン」が常駐し、そのため、たくさんの野良猫がいます。その野良猫はご近所に迷惑をかけています。そして、最近増えてきたのが、「鳩餌やりオジサン」です。数名が常時餌をやっています。ひどいのは、大きなビニール袋の中に、パンの耳を詰めて、自転車で運んでくる人。公園内で、そのパンの耳を投げると、百羽近い鳩が集まってきます。この公園では以前から鳩はいましたが、10羽もいなかったのに、今は、100羽オーバー。公園内も含め、周辺道路まで鳩の白い糞で、まるで雪景色のようです。子供が公園で遊んでいても、頭の上から鳩の糞が落ちてきます。私もこの公園の前の道路をたまにとおりますが、フンが頭の帽子についたことがあります。
 こういう、「餌をやる人」というのは、自身では「動物愛護」だと思っているのでしょうが、自己満足に過ぎず、公園利用者および周辺住民に多大な迷惑をかけていることを自覚して欲しいです。たいてい、この種の人は公園から離れたところに住んでおり、自分が増やした猫や鳩によって生み出される迷惑行為の被害は受けません。被害を受けるのはいつも、「関係ない人」なのです。鳩については「鳥インフルエンザの媒介動物」としても問題視されていますので、単純なフン被害だけでなく、これから、伝染病の被害も発生するかもしれない重要な問題です。公園の所有者である行政もしっかり対応して欲しいと思います。ほんと、自称「動物好き」には、ろくな奴がいません。中途半端に餌をやるのではなく、全部自宅で引き取って自分で飼って欲しいです。餌だけやって、自分だけ悦に入っているのは、ほんと無責任です。

 さて、この公園に犬を連れてくる人の多くが、当マンションの前を通過します。一人で犬を何頭も連れて歩く人がいますから、現状では、この通りは、人間よりも犬の数のほうが多いかもしれません。しかし、この通りには歩道がありません。車道といっしょです。巻尺のように伸びる綱、何頭も連れて歩く、しつけが悪い、といったことから、犬が道路の中央に飛び出すこともしょっちゅうで、先日は、マンションの前で、「飛び出してきた犬をよけようとした自動車が交通事故を起こす」ということも起きています。(そういえば、この正月、茨城でしたか、道の真ん中に飛び出した猫をよけようと、急ブレーキを踏んだトレーラーの積荷が崩れ、運転手が死亡しました。猫1匹のために人間が死ぬとは・・・ こういうのって、犬死っていうのかな?)

 こんな状況になるのだったら、以前のように「ホームレスのキャンプ」状態のほうがよかったような気がします。

 すぐ近くにある郵便ポスト。これが今、散歩犬の「便所」と化しています。昔はポストの根元に小便をする犬なんていなかったんですが、今は、小型犬ブームで、背が低い犬が多く、ポストの下に容易に入り込むことが可能になったため、そこで小便をする(というか、飼い主がさせる)犬が大量にいるのです。1匹が流す尿の量はそれほどではないものの、なにしろ大量の犬が集まってきますから、トータルするとかなりの尿の量になります。今、この地域はほとんど雨が降っていませんが、このポストの下だけは、いつも水溜りができています。いや、尿溜まりです。私の行き付けのポストなんですが、この状態では近寄ることも憚られるため、今は、足を伸ばして別のポストを利用しています。ご近所の皆さんも、「あそこのポストは汚くてだめ」と、同様に、別のポストに行ったり、コンビニで投函しているようです。ポストから郵便物を集める係員も大変です。かわいそうに。
 この尿の中にも、うちのマンションの住民のものがけっこうあります。ほんとすいません。でも、マンション外のことには管理人は口出しできませんから、どうしようもないです。

 なんで、ペット飼い主って、他人の迷惑を考えることをしないんでしょうか? 不思議でなりません。

 当マンションでも、つい最近、1階の部屋に賃貸入居者が引っ越してきました。この人、猫をどうやら3匹飼っているようです。(ペット飼育の規則に、はっきりと頭数制限が書かれていないために、事実上、何十匹でも飼えます。なんて、いい加減なマンションなんでしょう) その3匹、どうも放し飼いしているようで、「○○号室の部屋のベランダから、猫が出入りしている」という苦情が寄せられています。自由に外に出して遊ばせているようです。おかげで、最近、糞害が増えてきました。よその部屋のベランダに侵入して洗濯物を汚したりもしているようです。こういう問題に関しては「ペット飼育者の会が責任をもって対処する」となっているため、会の代表者に苦情を伝えましたが、何も動いてくれません。会なんて名前だけで、実質はまったく機能していませんから、あてにならないのです。この部屋の主、ゴミの出し方もひどく、まったくルールを守りません。生ゴミの中にキャットフードの缶が混ざっていたりします。最悪です。大家=部屋の所有者は、猫を飼っていることを承知してるんでしょうか? 賃貸借契約でペット不可にしている場合もあるはずなんですが。はっきりいって、この部屋、廊下を通るだけでも悪臭が漂ってきます。相当不衛生な状態のようです。ひどいなあ。 

 ここのペット飼育者組織も、「自分たちで管理する」「きちんと管理組合へ報告する」という約束を反故にして、とにかく何もしてくれません。活動もほとんどしていないようです。誰が何を何匹買っているかの実態も把握していないようです。ペット飼育申請の受付などの事務仕事も会でやるはずなのに、「管理人がやる仕事じゃないの?」と平気で言う会員までいます。何を考えているんだか? もともとペット禁止マンションだったのを、「皆さんに迷惑をかけないようにしますから、なんとか飼わせて下さい」と、当時の飼い主が頭を上げて頼んで、実現させた「飼育許可」なのに、今はえばって飼ってます。だいたい、当時は7〜8頭だったのが、今は推定50〜60頭いるんですから、トラブルも多発するのは当然です。「ペット飼育許可マンション」に」すれば、新しく入居してくる人のペット飼育率が高くなるなんてことは、すぐにわかるのに、何の予想もしなかったんでしょうか? ほんと、住民全体が頭悪いです。

 そういえば、昨年暮れに、ご近所のマンションの知り合いの管理人さんが「年内で辞めます。今までお世話になりました」と挨拶に来ましたが、原因は、「ペット飼い主とのトラブル」だったようです。飼い主側に非があるのに、逆切れして、管理人に嫌がらせをするようになり、管理会社にも、嘘八百ならべて、「あんな管理人辞めさせろ!」と圧力をかけたそうです。「他の住民はいい人が多いのに、ペット飼い主だけはひどいのがいる。こんなストレスの溜まる仕事は嫌になりました」とのことでした。かわいそうに。一生懸命働く有能な管理人だったのに。

 
 そんなわけで、「他のマンションではペットに関するトラブルはどうなっているのか?」と思い、ネットサーフィンしてたら、すごいのを見つけてしまいました。ここから直接リンクしてもいいのですが、個人のサイトを直接批判するのは気が引けるので、アドレスは紹介しません。

 以下に抜粋します。

「飼い主A氏(以下、敬称略)は単身者。子猫の捨て猫2匹を拾ってきてマンションで同居を始めた。(このマンションがペット可かどうかは不明)」
「猫は大きくなって走り回るようになった。Aは、猫といっしょに部屋の中を走りたくなって、転居することにした」
「ペット飼育可のマンションは少ないため、ペット不可のマンションから選ばなくてはならない」
「部屋の中を猫といっしょに人間がドタバタ走り回ってもいいように、周辺の騒音環境がひどい、うるさい、マンションをわざわざ選択して転居した」
(しかし、ペット不可の規則があるマンションである)
「引っ越してからは、Aはドドドドと走り回った」
「ある日、猫が1匹いなくなった。ベランダを伝ってどこかに行ってしまったようだ」
「探し猫のチラシを作って、近所中に貼りまくった」
「そのチラシを見た、マンションの管理人が”飼ってはいけない”と注意の電話をかけたが、Aはすぐに切った」
「猫は同じマンションの別の部屋のベランダにいて、保護した。その部屋の主は猫嫌いだった。」
(Aは、その人に対して迷惑をかけたのに、その人のことを"変な人"と評している)
「その後、管理人から猫飼育禁止を言い渡される」
「しかし、Aは拒否する」
「”管理規約を守れ”と管理人に言われても、Aは、"猫と私は一心同体”と拒否する」
「Aは、"管理規約を変更してペット飼育可能にすればいい”と言う」
「Aは、"私が理事長に立候補して、ペット可に変更して、そしてあなた(=管理人)をクビにします”と言う」
「その後の定期総会で、Aは理事長にはならなかったが、その翌年に役員になり、管理人をクビにした」
「ペット飼育禁止の規約のまま、おおっぴらに猫を飼い続けている」
「Aのごり押しを悪しき前例として、それに従う住民が出てくる」
「”動物好きに悪い人はいない”とAは言う」
「Aは、サイト読者に対して、”ペット飼育不可マンションに住んでいるペット飼育者は理事会役員になって、改革して、ペット飼育可にすればいい”と薦める」
(悪行を”改革”と称するところが小泉そっくりである)


 詳しい事情はわからず、文面からしか判断できませんが、ものすごく「ゴーマン」な悪人としか思えません。この人は、「管理人はこのマンションを牛耳っていたひどい奴」ということで悪人として、「その圧政から、私が住民を救った」として、自分をヒーロー視しています。

 たしかに、管理人の中には、マンションを牛耳る悪人もいるようですが、今回のペットの問題にだけについて考えると、この管理人さんの行動は「マンションの憲法である管理規約に基づいた正当な行動」であり、なんら非難されるものではありません。管理規約は組合員の4分の3以上の賛成で変更することは可能です。ペット飼育可能にしたいならば、賛成者を集めて、議案を提案し、可決させてもいいです。しかし、可決するまでは旧来の規約が有効であり、あくまでも、ペット飼育は禁止です。まして、このマンションでは、規約を変えないまま、ごり押しすればなんでもとおる、としてペットを飼い続けています。違反状態を黙認させているのです。Aは、「住民から感謝された」と自画自賛していますが、自分自身、「その部屋の人は猫嫌いだった」と書いているわけで、そのマンションには猫が嫌いな人がいるわけです。その人の意見はどうなっているのでしょうか? 無視していいのでしょうか?

 「動物好きに悪い人はいない」とよくペット飼い主は自ら言いますが、このAの行動を見ただけでも、これはウソであることがはっきりわかります。むしろ、「動物好きにいい人はいない」といったほうがいいでしょう。いや、本当に動物が好きであれば、「飼育禁止のところで飼ってはかわいそうだ」と飼いませんから、「ペット飼い主にいい人はいない」というほうが正確です。私も生来動物好きです。ですが、責任を持って飼えませんから、飼いません。

 うちのマンションにも、「規則なんて破るためにあるのよ!」と本気で言い放つ人がいます。どこのマンションもこういった輩に悩んでいるようです。管理人業、大変です。規則を守ってクビになるんですから。

 それにしても、「猫といっしょに走り回りたい」とは、この人、痛い人だなあ。

(本当の文章中では、管理人さんの名前を実名で出しています。しかし、本人は名前を明かしていません。この辺も、ひどいと思います)

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 ところで、この文の中で、ペットとは関係なく、「マンション住民というのは、組合の運営のことをわかっていないなあ」と思われる記述があったので、ちょっと突っ込んでみます。

 このAは、定期総会開催の当日に、「理事長に立候補するつもりで会場入りした」と書いています。しかし、これはなんともおかしな話です。たしかに、翌年度の役員を決定するのは総会の場ですが、これは、事前にだれだれが役員になるということを内定させておいて、それを議案として総会にのせる段取りになっています。どこのマンションでも、総会に参加する組合員は少なく、実際は委任状か議決権行使書を出して欠席する人がほとんどで、本当の議論などは行われません。総会は「誰にするか選ぶ」場ではなく、「承認」の場です。選ぶのは総会ではなく理事会の場です。ですから、総会前の理事会で、実際には翌年度の役員は決まっています。(本当は理事長は誰々、と役職まで決めておいて、この人が理事長になってもいいか?を諮るべきだが、マンションによっては、役職決めは総会後に行なわれる場合もある) Aは総会ではなく、事前の理事会に出席すべきなのです。また、総会開催の最低1週間前までには、議案の内容を示した開催通知が全戸に配布されます。ここには当然、新役員の氏名が記載されています。Aも当然、これを読んでいるはずです。それなのに、「理事長に立候補しようと思って総会に出席した」というのはなんとも変な話です。Aが読まなかったとしたら、組合員としての怠慢であり、それとも、議案に新役員人事のことが載っていなかったとしたら、このマンションの管理組合は正式な総会運営をしていない、いい加減な組合ということになります。(自主管理らしい)
 どちらにしても、そんないい加減なことをしていて、「自分が役員になって、規則を変えればいい」という意見は、一見、筋道が通った民主主義的な言動のように思えて、実は論理が破綻しています。この人、やっぱり、おかしいよ。



 それにしても、ちょっとネットサーフィンしただけでも、何十何百という、「我が家のペット自慢」のサイトが見つかりました。今の日本、まさしく、「ペット狂時代」です。チャップリンが生きていたら、映画にしてくれたかなあ?



2007/1


ペットはモウたくさんです。



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