管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
国が、「トイレットペーパー備蓄を推奨」 なんか、胡散臭いなあ? |
今年の9月1日の「防災の日」に合わせて、経産省がこんな発表をしました。
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毎年9月1日は防災の日です。大震災などの大規模災害の際には、トイレ不足が問題となりますが、この原因の一つとして、トイレットペーパーの供給不足が挙げられています。
東日本大震災では、店頭から食品とともにトイレットペーパーが無くなるなど、被災地のみならず全国的にトイレットペーパー不足が発生した事実があります。
さらに、現在、トイレットペーパーの国内生産の約4割は、静岡県で行われており、万一、東海地震等で静岡県が被災した場合、トイレットペーパーが全国的に深刻な供給不足となるおそれがあります。
経済産業省の働きかけを受け、日本家庭紙工業会では、「トイレットペーパー供給継続計画」を策定し、災害の際には、その構成員であるメーカーがトイレットペーパーの増産等を行うことになっていますが、それでも1か月程度の混乱が予想されます。
このため、普段からご家庭で、日常用のトイレットペーパーとは別に1か月分程度のトイレットペーパーを備蓄されることをおすすめします。なお、備蓄は、普 段お使いのトイレットペーパーの他、芯なし・長巻で省スペースでの収納可能な備蓄用トイレットペーパーを備えておく方法もあります。
本年の防災の日を機に、ご家庭でのトイレットペーパーの備蓄をはじめましょう。
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各家庭で備蓄をしておくことに異論はありませんが、どうも、この文章は気に食わないです。
私ら、おじさんたちは、「石油ショックの際のトイレットペーパー騒動」も「311大震災の際のトイレットペーパー騒動」も、両方共経験しておりますが、実は、両方共、「実際に、トイレットペーパーが不足するほど、生産量が落ちたわけではない」ことも知っています。
両方共、その時に、トイレットペーパーの生産量がガクンと落ちたわけではなく、「トイレットペーパーがなくなったら、どうしよう?」という「心配」が、「買い占め行動」を呼び、「一部の不心得者が、普段使う量の何倍もの大量のトイレットペーパーを買い占めしたために混乱が起きた」のです。
事実、大震災の際は、買い占めに困った販売店側が、「お一人様1袋でお願いします」と規制をかけたら、混乱はまもなく収束し、ふだんどおりに、戻りました。(販売店側の対応の遅さも問題ありです。最初から、1袋限定にすべきでした)
要するに、両方共、「トイレットペーパーがなくなると大変だぞ!」という「デマ」に踊らされただけです。どこの家だって、5〜6個のトイレットペーパーはトイレの中の棚に入っているのですから、震災後、物流がストップして、品物が1週間程度入荷しなくても、たいしたことはないはずです。
それなのに、1家庭で、たくさんのトイレットペーパー(「1年分かよ!」って突っ込みたくなるほど)を買い占めする、不埒な輩がいるから、こういう混乱が起きるのです。
本当は、行政というのは、「みなさんが普通に使っていれば、大丈夫ですよ。買い占めしないでくださいね」と広報すべきであり、今回の経産省のバカ役人のように、「災害が起きると、トイレットペーパーが不足します」と、民衆の不安を煽るようなことを言うべきではありません。国がデマを流すとはなにごとですか! (ウォシュレットの普及で、使用料が減っている、製紙産業界からのワイロ&圧力の臭いがプンプンします)
※大震災の際、ツイッター上では「フクイチはメルトダウンしている」とか、「ホットスポット」に関する「正確」な情報が流れていましたが、国やマスコミ(特に読売新聞)は、これを「チェーンメールでのデマ」と断定し、こんな記事を書きました。
本当は、この記事自体が、超悪質な「安全デマ」だったのに。従軍慰安婦の吉田証言なんかよりも、こっちのほうがよほど悪質で、文科省と読売は、会見開いて、土下座して謝罪し、責任者は当然辞任すべきです。でも、誰一人、謝っていません。
大震災の際は、当マンションでも、こんなことが起きました。
元気なバカがトイレットペーパーを買い占めしたために、お店からトイレットペーパーが消えてしまい。
「体の弱い高齢者が、トイレットペーパーを買えなくなり、仕方なく、ティッシュペーパーを使用して、それを便器に流してしまったために、トイレが詰まった」
「大量に買い占めした、アホ住民が、部屋の中にトイレットペーパーを置ききれずに、ベランダに置いていた」
これに対応して、管理組合は何もしませんでしたが、「管理人さん、トイレットペーパー、何個か、わけてくれない?」という住民の切実な依頼に、管理室で私が個人的に、たまたま、わりとたくさんストックしていたやつや、集会室用に置いておいたもの(これもなぜか、オイラの自腹で買ったやつなんだよなあ。清掃員さんがけっこう使うので)を、「お一人様=2ロール を無料で差し上げます。これで、急場をしのいで下さい」という救済措置を独断で行ないました。
これで、「ピンチ状態」の住民は救えましたが、その時に、すでに大量に買い占めしていた一家が、「ただなんだってさあ。だったら貰いに行こう」と思ったのか、「夫婦&子供3人=合計5人」で管理室にやってきて、「5人だから、10個ください」と言って、10個持って行きました。私は、これを見て、「なんなんだ、こいつら?」と、情けなくなって、泣きくれました。
災害時って、人間の本性が出ますねえ。いい教訓になりました。
しかしまあ、「原発事故は大丈夫ですよ。心配しないくださいね」と、ひたすらウソをこいている経産省が、逆に「トイレットペーパーはなくなりますよ。心配してくださいね」と、これまた大嘘こくのが許せんなあ。小渕優子しっかりしろよ。