管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
クレーマー 文句を言うのが趣味?? |
今日は2007/1/16。不二家の製品が大手スーパーから撤去されたそうです。腐りきった会社が、腐ったものを売ってたんだから、しかたない処置でしょう。不二家といえば、我々の年代では洋菓子の代名詞です。誕生日のケーキも不二家でした。ペコちゃん人形も家の中にありました。とてもなじみの会社だったんですが、実態はこんなにひどい会社だとわかって、非常に残念です。また、「今までずっと食べていたものはみんな腐りかけのものだったのか?」と考えると、健康被害が心配です。
さて、今、不二家には消費者からの苦情の電話が殺到しています。しかし、この中には、「ふだん不二家の製品などまったく買わない”甘いものが苦手”な人」もいるそうです。要するに、「何か不祥事を起こした会社に対してクレームを言うのが趣味」という人です。
まあ、自治体の不祥事なんかは、そこの市民全員が苦情を言う権利がありますが、甘いものをまったく食べない人が不二家に、この機会を逃すな、とばかりにクレームの電話をするのは、ちょっと問題です。こういう人というのは、「相手に謝らせたい」「自分の言うことを一方的に主張したい」という心理だそうです。雪印にしても、三菱自動車にしても、パロマにしても、今回の不二家にしても、企業側には弁解の余地はありませんから、電話の受付担当者は苦情主から何を言われても反論はできず、平謝りするしかありません。ですから、ふだんの日常会話ではいえないようなひどいことでも、言い放つことができます。それが快感だそうです。
こういう悪趣味の人はマンション内にもいます。
住民Dさん。ご婦人です。離婚したらしく、ご主人はいません。子供を連れて、母子家庭状態で、このマンションに5年前に入居しました。3年前に再婚して、新しいご主人がやってきました。継父と子供たちの折り合いが悪く、子供がぐれてしまい、ご近所にも迷惑をかけています。再婚と同時でしょうか、役員になりました。理事会には律儀に毎回出席します。(ご主人は出ません) しかし、彼女の発言はいつも否定的なものばかり。このマンションはみんなやる気がなく、理事会に出席する人数もぎりぎり過半数です。そして、「出席したんだからいいでしょ。」という人ばかりで、熱心に議論を行うような人はほとんどいません。みんな「早く勝手に決めてくれよ」という人ばかりなので、管理会社のフロントからいうと、「ある意味、仕切りやすい理事会」ということなんですが、このDさんが役員(理事長でも副副理事長でもなく、担当職務も何もない、平役員。ふだんは何も活動しなてもいい、とても楽な立場)になった期だけは大変だったそうです。この人、とにかくなんでも反対する人なんです。もしくは、「それって、本当なの?」と、会話の腰を折ります。「もっと、別の手があるんじゃないですか?」というのも常套句だそうです。しかし、「だったら、Dさん、何かいい案でもお持ちなんですか?」と聞くと、「そんなのないけどさ。それを調べるのが管理会社の仕事でしょ」とのこと。要するに、根拠のない反論をする人なんです。どんなことにもこういう態度なので、議事の進行がうまくいきません。他の役員は意見を求めても誰も発言しませんから、理事会はDさんの独壇場になってしまいます。そして、このDさんは過度のおしゃべり、そして、話をすぐ脱線させる人で、「ところで、○○のことなんだけど・・・」といつも自分の興味のある方向に無理やり持っていってしまい、その理事会で話し合うべき話題をそらします。ほとんどすべての案に反対します。彼女は基本的に「管理会社は悪者」という思想を持っており(ある意味正しいですけどね)、管理会社が主導することを妨害します。しかし、かといって、自分が中心になって動くことはしません。骨を折ることは嫌なんです。
理事会というのは議論の場です。そういうところで好き勝手言えます。管理会社は、相手がどんなにひどい役員であっても、「お客様」扱いし、邪険にしません。今まで、Dさんはこういう「わがまま放題」にできることがなかったんでしょう、また、家庭でもうまくいかないことが多かったんでしょう、理事会に出席して文句を言うのが生きがいになってしまったようで、理事会は皆勤賞だったそうです。毎回、誰よりも早く集会室に来て、そこで会議開催の準備をしている管理会社のフロントをつかまえて、さっそく、文句を言い始めます。会議が終わってからも、文句を言い続けていたそうです。その文句が、根拠・論拠のあるものならフロントもきちんと対応しなくてはいけませんが、「マンション前の道路に猫の交通事故の死体があった。午前中いっぱい放置されていた。こういうのは朝イチに管理人が始末するものではないのか?」(マンション敷地外は管理会社の仕事の範囲外。それに、管理人はきちんと役所に電話をして午後には始末してもらっている)といった、役員のくせに管理委託契約をまったく理解せずに言いたいことを主張するもんですから、フロントもほとほと手を焼いていたそうです。そして、このDさんの息子がまたどうしようもない子供で、なぜか「立ちションが趣味」でした。私が子供の頃の昔の日本では、立ちションをよく見ましたが、今は普通は見ません。でも、この幼稚園児、いつも立ちションするんです。なぜ家の中でしないのでしょうか? 私には不思議でしょうがないです。毎朝、幼稚園の送迎バスが迎えに来る近所のタバコ屋の前でも、日課として立ちションをします。タバコ屋の主人から管理人に苦情が来ました。その苦情をうちのフロントを経由してDさんに伝えると、「本当にそんな苦情があるの? その立ちションの子供ってうちの○○ちゃんのことなの?」(他に誰もいません!)と反論し、フロントがいろいろ証拠を並べて説明すると最後には逆切れして「あんたねえ。管理会社がマンションの敷地外のことに首をつっこまないでよ!」と大きな声で啖呵を切ったそうです。公道上の猫の死体は「管理会社が始末しろ」と言っておきながら、矛盾しています。
立ちションの件以来、理事会での反論・揚げ足取りが一層激化して、フロントは大変でした。役員の任期が終わったときは、フロントが「あ〜よかった。これで解放される。1年任期の輪番制でほんとに良かった」と安堵の息をつきました。
ところが、このDさん、今までさんざん自分の言いたいことを言えたのに、その場がなくなってしまい、それがストレスになり、今度は管理人のところにもしょっちゅう難癖をつけに来るようになりました。つまり、私が標的です。ただ、このDさん、ほんと生活マナーが悪いんです。子供の躾も最悪です。他の居住者からの苦情もたまってきました。また、ゴミだしも最悪。うちのマンション内だけならまだしも、この人、朝一番にゴミを出すことをしないので、うちのマンションの回収が終わってからゴミ出しをしようとしてできなくて、近所の別のマンションのゴミ集積場にゴミを出すことをよくしていました。こういう人ってけっこういるんで、先方の管理人さんにあらかじめお願いはしてあるのですが、このDさん、ゴミ分別ルールを守らない、ひどいゴミを出すので、回収拒否に遭い、先方の管理人さんが非常に困っています。ある日、Dさんがゴミを出すのに鉢合わせした先方の管理人さんが、「あんたねえ。うちの住民じゃないくせに、なんでここにゴミを出すんだ! それに分別をまったくしていないじゃないか! 迷惑なんだよ! 二度とくるな!」と叱りました。
反論できないDさんは、私のところにきて、「あそこのマンションの管理人に侮辱された。あんたから、あそこのマンションの管理会社に電話して、あの管理人をやめさせろ」と言ってきました。私は今まで、フロントから「あのDという女は完全に頭が狂ってるからまともに相手するな。注意してもキレルからやめたほうがいい」と言われていたので、まともに相手もせず、好き勝手にやらせていたのですが、別のマンションにまで迷惑をかけるのが許せなくなり、過去に蓄積した数々の証拠を見せて、「あなたねえ。いい加減にしてくださいよ・・・・」と一説ぶってしまいました。そうしたら、このDさん、玄関ホール内で大きな声で泣き出して、「え〜ん、管理人にいじめられた〜」と叫ぶのです。それをずっと続けます。他の住民が「何事か?」と集まってきてしまい、Dは住民が来たのを幸いと、いっそう大きな声で泣き叫びます。これでは完全にこっちが悪者です。女性って、「泣く」という最大の武器がありますかならねえ。女の涙にはかないません。たとえどんなにブスでも。
私が、「何を言ってるんですか? ルールを守らないあなたが悪いんじゃないですか」と言っても、周囲の住民はそんなことすぐに理解できずに、「管理人が、客であるマンション住民に暴言を吐いて泣かせた」ということになってしまいました。「Dさん、そんなところに座り込まないで立ち上がってくださいよ」と手を持ったことは、あとで、「管理人さんがDさんの体に触れた。痴漢行為だ」ということになってしまいました。
あまりの奇態に「これは何か変だ」と思う人や、Dさんの日ごろの悪行三昧を知っている人は、私が悪いのではないことを理解してくれますが、大きなマンションです、Dさんのことを知らない人もいます。そういう人は完全に誤解したでしょう。
翌日、管理会社には5件の苦情電話があったそうです。そのうち3件はDさん本人のもの。名前を明かさず、声色を使い分けて、「Dさん本人」「それを目撃した住民A」「同B」として苦情を言ったようです。(受付した女性職員も、このDさんのことはよく知っていたので判別できた)。ただ、「管理人がひどいことをしていたようだ」と誤解した目撃者が少なからずいたわけで、女性職員からフロントに話が行き、そして私に対して、「Dさんが悪いことは俺もわかっているけど、他の住民に誤解を受けるような事態にするのはまずいよ」と叱責されました。
Dは、このあとも、あることないこと、ウソ八百並べて、「あの管理人はひどい」という苦情電話を、管理会社に毎週のようにするのが習慣になったようで、いまだに続いています。
これだけ、ひどい奴だと会社のスタッフも「またあなたですか! いい加減にしてください ガチャン」と切ってしまいます。Dはこれが気に入らず、何度もかけてきます。まあ、とにかく、事務職員レベルで止まっているので、特に大きな問題にならないんですが・・・・
昨日、困ったことが起きました。実はうちの会社の女子事務職員が昨年末に結婚退職し、2007年から新人に代わったのです。そして、この新人にDさんの対応方法を教えておかなかったものだから。。。
いつものように会社の電話が鳴ります。新人事務職員Fさんは電話をとります。相手は当然初めて聞く声です。Dも、「あれ、今日はいつもと違う人だ。すぐに切られることもない」と思ったのでしょう。そして電話口でただごとではないような大きな声でわめいて、「ひどい管理会社だ! ひどい管理人だ!」と好き勝手なことを言ってます。今回は「あの管理人はセクハラだ!」といったことまで言ったそうです。(もちろん根拠は一切なし。すべてホラ話) Fさんは、こんな電話を受けるのは初めてで動揺し、他の職員に助けを求めますが、あいにく、みんな外出中で誰もいません。あたふたしていると、その状況をたまたま見ていた支社長が「どうしたの、何か困ったことが起きたの?」「いえ、あの、お客様が大変怒ってらして・・・・」「そりゃ大変だ。私が代わろう」と電話をとってしまったのです。今までなら、お偉いさんには伝わらないようにしていたのに、事情を知らない新人のため、よりによって一番知らせたくない支社長に電話がつながってしまいました。「はい、お電話変わりました。支社長の○○です」「(うわ、初めて偉い人に電話がつながった。この好機を逃すものか!) 実はお宅の管理人が・・・・・ お宅のフロントが・・・・・・」と、今までのうっぷんを晴らすかのように、ウソ八百どころかウソ3万くらい並べて我々を誹謗したようです。支社長はDが頭のおかしい人間とは知りませんから、その苦情電話をまともに受けてしまいました。今日、私は会社から緊急呼び出しを受け、マンションにはいかずに朝一番で会社へ直行、フロントと二人で審問を受けました。他の事務職員の「あのDさんは頭がおかしいクレーマーなんです」という証言で、支社長は真実を理解してくれたようですが、「いずれにしろ、このような電話が来るような事態を起こすことはサービス業として好ましくない」と”厳重注意”を受けた次第です。私に関しては別に昇進を気にするような仕事じゃないから、名誉もへったくれもないけど、支社長から睨まれるのは最悪です。毎日支社長と顔を合わせるフロントはしんどいでしょう。
支社長、厳重注意だけでなくて、「基地外をどうやって扱えばいいのか」、その具体策を教えてくれよ。現場を何も知らないくせに偉そうなことを言うなよ。こっちがどれだけ苦労しているのか、全然わかってないよ。
ネット知人の管理人さんも住民とのトラブルが原因で退職するそうです。ほんと、この仕事って、真面目に熱心に働く人ほど、務まりませんね。
200世帯を超える大型マンション。いろんな人がいます。あ〜、つらい。
(もちろん、いい住民もたくさんいますよ)
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