管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

2種類の蛍光灯 (通常用と非常用)




 
 
「まっすぐな蛍光灯」と「丸い蛍光灯」といった意味ではなく、見た目が同じ蛍光灯でも実は中身の種類が違うというお話です。

 普通の蛍光灯は停電になると、電気がとまり、消灯します。

 
「非常口」の蛍光灯(緑色で、人間が出口に走る絵のもの)は、万一停電になっても大丈夫なように、電源が落ちると、自動的に、内蔵バッテリーから電源供給を受け、約20分程度、点灯し続けるようになっているそうです。消防法の規定があるそうです。非常口ですから、こういう機能がないと困ります。当然といえば当然の機能です。




 
  ← バッテリー部分 (2500mAの容量)


 ただし、非常口の電灯だけ点灯しても、そこから離れた部分では、「暗くて困る」ところもあります。ですから、当マンションでは、廊下の蛍光灯は、「およそ3個に1個は、バッテリー内蔵の非常用タイプになっている」そうです。

 こうなっていれば、地震などで電気が全滅しても、避難のための短い時間だけは、夜間でも、マンション内が真っ暗になることはなく、なんとか安全に避難できる、という仕組みです。こちらは消防法ではなく、建築基準法の規定で「30分以上点灯しなくてはいいけない」そうです。 「普通の蛍光灯」か「バッテリー内蔵の蛍光灯」かは、パッと見には判別しにくいのですが、わかりやすいのは、「バッテリー内蔵機種には、
テスト点灯用のヒモがついている」ということです。このヒモを昼間、消灯状態の時に、時々ひっぱってみて、「点灯」すれば、「バッテリーはOK。正常作動」ということになります。

 これらは、「法律で定期的な点検、および、関係各機関への報告が義務づけられている」そうです。しかし、こういう立派な設備があっても、「きちんと定期的に点検しなければ意味がない」です。恥ずかしながら、私、今まで、そんなこと全然知りませんでした。そして、管理員としては、一度も、この点検をしたことがありません。(本来管理人の業務ではありませんし) 
 「消防点検の時に、専門点検業者がやっているのだろう」と楽観的に思っていたのですが、どうやら、「非常灯」だけは点検しているものの、通常の廊下の蛍光灯は対象外のようです。実は、管理会社の設備点検の人間も今まで忘れていたようで、昨年秋に入社して、新しく当マンションの担当になった設備点検員(といっても、65歳の高齢者)から、12月に「トホホさん、ここの蛍光灯のバッテリー、ほとんどだめになっているよ」と、指摘されて、あわてた次第です。

※消防点検業者の点検方法は、「点検用の紐を引っ張って、点灯すれば、ハイOK」というものですが、照明器具メーカーによると本当は、「そのバッテリーが20分間持続するのかどうか、実際に20分点灯させて、調べなくてはいけないものである。バッテリーが劣化していても、ほんの一瞬だけ点灯することはある」だそうです。

 昔のことを知っている住民の話では「築10年の時に交換したようなしないような記憶がある」とのことです。管理会社としては恥ずかしながら記録がありません。とにかく、今のままでは、「万一のときに大変」ですから、「早く交換しよう」ということになりました。ただし、バッテリーは1個1万円近くします。うちのように大きなマンションだと、交換する数量が大きいですから、総量では、けっこう多額なお金がかかることがわかりました。今年度の予備費は底をついた状態で、現時点でなんとかすることは不可能です。次回の総会で次年度予算に組み込む必要が出てきました。総会で可決するまでは、「バッテリーなしの状態」でいなければなりません。

 どうか、地震など来ませんように・・・・

 とりあえず、緊急時用に、自腹で、近所の100円ショップで懐中電灯を3個ほど買ってきました。電池代も含め630円の出費です。気休め程度ですが。



<参考> 照明器具販売会社のHPで調べてみると、
「バッテリーは1〜6年でだめになる」
「4年に1回のペースで全数交換するのが望ましい」
「何年度にバッテリーを交換したのか、外からもわかるように、年度を書いたシールをはっておくのがいい」
などと書いてあります。うちの場合、6年は完全に過ぎてますし、定期的に交換するような計画もありません。前回交換したときのシールも貼ってありません。ナイナイづくしですね。困った管理会社だ。
 でも、他のマンションを数棟あたってみても、みんな同じような感じです。業界全体がいい加減なようです。



 やはり、管理人職、「誰にでもできる」なんて簡単なものじゃないです。電気の知識も必須です。







2007/1



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