管理人は超つらいよ　　　
マンション管理最前線

転入の挨拶　大事ですが・・・・

　
　コミュニケーション不足が叫ばれる現代人。「隣の人の顔を見た事がない」という住民もいます。表札やポストに一切名前を出さない人もいます。「上下階間の騒音問題」でも、「上の人がうるさいんだけど、どんな人だか知らないから、苦情を言うのが怖い。管理人さんから言ってよ」と、契約業務以外の仕事を頼まれることもあり、「人間関係が疎遠になってきたなあ。そういうのが、大きなトラブルにつながるんだよなあ」と痛感しています。

　そんな中、先日転入してきた若夫婦。何の予告もなく、突然、引っ越してきました。「いつものパターンか。今の人はだめだなあ」と思ったのですが、これは、仲介した不動産業者の怠慢であり、ご本人はしっかりした人で、引越し業者とともに、「○○○○号室に引っ越してきました、××です。よろしくお願いします」と挨拶に見えました。

　引越し作業が終わったあとに、再度、管理人室においでになり、私のほうから、あらかじめ用意してある「新入居者の皆様へ」という生活案内書（私が作成しました）をお渡しして、いろいろな説明をさせていただきました。
　私としては、「これでしっかりと仕事をした。ＯＫ。おしまい」という感じでしたが、「あの〜、管理人さん。すいません。今から、ご近所に挨拶周りに行きたいんですが、みなさん、初めてお会いする方ばかりで、ちょっとこわいんで、管理人さん、つきあってくれませんか？」と要望されました。
「はあ？」という感じでちょっと驚きました。引っ越してくるというのは、当然、隣近所は知らない人ばかりですし、こんなのは私の仕事ではありません。「勝手にやってください」といいたいところですが、挨拶をすることはいいことです。特に、騒音・振動問題や、漏水などで迷惑をかける可能性のある、階下の部屋への挨拶は重要です。今はみんな猜疑心が高く、見知らぬ人が来ると、「セールスか」と、居留守する人もいます。私が仲介して、「今度、このご夫婦が引越しされて来ましたから、どうぞよろしく」と紹介したほうが、良好なコミュニケーションが取れるでしょう。幸い、今回は両隣も階下もみなさん在宅されており、挨拶することができました。

　本当は、管理人の仕事ではないですが、最初にきちんと挨拶をしておけば、その後のトラブル発生の確率も下がり、その結果、管理人の仕事も楽になります。これはこれでいいことかな？　と考えます。

2007/1