管理人は超つらいよ　　　
マンション管理最前線

不審者が不審者を呼ぶ　不審者マンション

2014/10

　
　秋になってきて、地域自治会から、「不審者情報」が流れてきて、当マンションでも、その掲示物を貼り出したのですが。
　しばらくしたら、「深夜2時に駐輪場で、何か、ごそごそやっている人がいる」とか「本当なら誰も入らない、ゴミ集積場の裏のスペースに、夜の11時に、男性の人影があった」「夜中に、屋上へ上がる階段で男性を見た」・・・・といった、複数の「不審者情報」が、マンション住民から寄せられました。

　そこで、理事会で、「防犯カメラで調べてみよう」ということになり、本当は「すべて役員が操作する決まりになっている防犯カメラ機器」を、なぜか、私が操作させられ、役員とともに映像を検証調査してみました。

　駐輪場とか、ゴミ置き場は、照明がかなり暗いため、夜中の映像を見ていてもわかりにくく、「外部からの侵入なんだから、出入口を見ていれば、きっと見つかるはず。出入口は照明をちゃんとつけてるから、しっかり映るはず」ということで、出入口を重点的に見ましたが、その時間にそういう人は見られず。

「おかしいですねえ。出入りしている人物はいないですよ。　　　う〜ん　　　・・・　　　ということは。もしかすると、内部住民かもしれませんよ」ということで、エレベーター内を重点的に見る作戦に変更。

　もう、この時点で3時間程度経過し、クタクタ状態ですが、その後の映像検証で、「東棟の住民のAさんが、深夜に西棟のエレベーターに乗り、最上階まで行っている」「西棟住民のBさんが、東棟専用ゴミ置き場のほうに行っている」とか、怪しい動きが確認され、マンション内部の上記男性２名が、「不審者ではないか？」という結論に達しました。

「痴漢」とか「自転車泥棒」といった、はっきりした犯罪でもないため、「とりあえず、事情を聞いてみよう。管理人さん、よろしく！」ということで、また、私に丸投げされ、私がAさんとBさんに事情を聞いてみました。

すると。「あ〜。防犯カメラに写ってたの。そうなの。実はねえ、掲示板に不審情報が貼ってあったので、不用心だなあ、と思って、夜中に、自主的にパトロールしてたんだよ。いわゆる、ボランティアってやつだね。いやいや、お礼なんかいいんだよ。住民として当然のことをやったまでだから・・・・」と、ご本人は、ご満悦の表情で、解説してくれました。

AさんもBさんも、同じ話でした。

パトロールするならさあ、事前に、管理組合に連絡するとか、1人だけでやらずに、複数名でやるとか・・・　そういうこと、考えないのかなあ。自分が不審者になって、住民を不安にして、どうするのよ？

あ〜、バカバカしい。まあ、でも、結果オーライかな。犯罪者とかいなくて、良かった。