管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

便利な共有物 いろいろ





 管理組合というくらいですから、「みんなで助け合って行きましょう」という思想が大事かと思います。

 「物」も各個人が持つのではなく、組合で持って、必要なときに、必要な人に貸し出すということがあると便利だと思います。旅先のホテルで急に爪を切りたくなったときに、フロントで爪切りを貸してくれると、とても便利です。

 管理会社の従業員が考えるべきことではありませんが、ちょっと業務を逸脱して、書かせていただきます。


「共用自転車」・・・これはとてもいいアイデアです。ここを参照

「台車」・・・重い荷物を運ぶ際に便利な台車。これも組合で1台購入して、管理室に常備し、必要な時に貸し出すと便利です。

「車椅子」・・・よそのマンションで見たのですが、「一時的なケガなどで、短期必要になる場合」などはいいかもしれません。

「脚立」・・・ふだんは滅多に使うものではありませんが、あると便利なものです。しかし、家庭内には置いて置けないものです。

「自転車の空気入れ」・・・・これも、「1ケ月に1回程度必要になるもの」ですから、個人で買わないで、組合で買っておけばいいのです。

「トイレ詰まり用のラバーカップ」・・・・これなんか、「何年かに1回使うかどうか」というものですから、個人で常備しておくものではありません。しかし、必要な時は絶対に必要なものです。組合で買っておけばいいのです。

「工具類」・・・・電動ドライバーとか、そういうものって、「日曜大工が趣味」といった人以外は、個々に所有する必要はないでしょう。でも、ちょっとした時に、「あったら便利」なものです。

「金のこぎり」・・・・いたずらで、「郵便ポストに、勝手に南京錠をつけられてしまった。鍵がないから、切って外すしかない」ということが、けっこうあります。金属用ののこぎりがあると便利です。

 雪の降る地域なら、雪かき用のスコップもあると便利でしょう。

 長期的なものとしては、幼児用の三輪車とか、ベビーカーとか、不用品を組合でストックしておいて、再利用するのもいいんじゃないでしょうか?

 こういう共用物品って、理事会で話しあうと、必ず、「管理室に置いて、そのたびに管理人が貸し出すならいいが、それじゃ、管理人の勤務時間しか使えないじゃないか?」「だれでも使えるように、玄関ホールにおいておくのが一番だが、盗まれたらどうするんだ?」という反対意見が出ます。

 これに対しては、今は、防犯カメラ設置済みのマンションが多いですから、玄関ホールに置く場合、「カメラから近い位置に置き、カメラによく映るように置いておくことで防犯性を高める」という方法があります。また、デカデカと「管理組合」という文字を大きく太く、マジック等で書いて、「盗みたくない」ようにするのも手です。それでも、盗まれることもあるのですが、「1年に1回くらいは盗まれるものだ」という、はじめからそういう心づもりでいれば、盗まれても大騒ぎしたりしません。


 また、大規模マンションの場合、
集会室がけっこう広いです。しかし、集会室は理事会や総会の時しか使われず、空間利用としてはもったいない気がします。広いスペースを全面的に活用するのは、ほんと、年に1回(=定期総会開催)しかありません。

「趣味のサークルで利用」・・・・住民同士のコミュニケーションをはかるうえでもいいのでは?

「一時的な荷物置き場」・・・・・当マンションのように、老朽化してくると、リフォーム工事が頻繁に行われるようになります。壁紙の張替えや、フローリング張替工事などでは、「荷物を一時的にどこかにどかさなくてはならない」といったことがあります。そういった時に、集会室のスペースを利用したらどうでしょうか? 遠くのレンタルスペースよりも、近くて便利ですよ。

 また、広い集会室の場合、台所やトイレが設置されているとこもあります。リフォームのトイレの工事などの場合、住民が「トイレに行きたくても使えない」と困ることがありますが、集会室を利用すればいいのです。「浴室工事をしているため、水道を一時的に止めている。水が使えない」という時も集会室の水道を使えばいいのです。

 以上の他にもいろいろなものがあると思います。「共同利用」ということを、ちょっと頭を使えば、少ない費用で、マンション生活のレベルがずいぶんアップすると思うのですが、いかがでしょうか?



  



2007/2