管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
管理組合への関心を喚起させ、貢献してもらう方策 |
今、ちょうど年末です。この時期に関連した話題を書きます。
http://blog.livedoor.jp/kazutoyo11/archives/52055840.html
以前、ブログでこんなことを書きましたが、年末の時期というのは、「お歳暮」とか「大掃除」で、不要品がいろいろと出てくることが多いのです。いつもは、このことに困っている私なのですが、別のマンションの管理人さんから、いい話を聞きました。
それは、ふだん、管理組合に関心のない人の関心度を効果的に向上させる方法です。
「集会室の中に貼る、来年度のカレンダーを寄付してもらう」
昔は、マンションというのは、関係する企業からたくさんのカレンダーをもらえたので、カレンダーは「余るもの」でした。しかし、昨今の不況は厳しく、特に、アベノミクスになってから、倒産する会社が続々と出てくる深刻な状況下、「カレンダー配布」をやめる会社が増え、ここ数年は、「管理室に貼るカレンダーもないぞ」と困っている状況です。
特に、「集会室」は、そこそこの広さもあることから、カレンダーがたくさんあったほうがいいです。「ロ」の字に座っている役員が、すぐ目の前にカレンダーが見えたほうが議論もやりやすいからです。そして、理事会というのは、「来月はどうしようか?」「水道の工事は2ケ月後だっけ?」など、当月以外のことについて話し合うことも多いため、「来月部分を表示しているカレンダー」などもあるとなにかと便利で、そういうことを考えると、広い集会室の中には、「カレンダーが8つくらいあっても、けして、多すぎではない」といえます。
しかし、そんなにカレンダーはもらえません。役員から集めたとしても、今は、3〜4部がいいところです。
そこで、こういう時に、「一般住民」に参加してもらうのです。掲示板に、「余ってるカレンダーはありませんか? 管理室や集会室で必要なんです」と寄贈の募集をかけるのです。そうすると、マンションの規模に比例しますが、けっこう集まってくるそうです。やはり、家庭によっては「カレンダーをもらいすぎて余ってる」という部屋もあるんだそうです。
ここで、ひとつコツがあるそうです。「もう、十分集まりましたから、けっこうです。もう、不要です」と締め切ることはしないということです。募集期間を決めたら、あの間は「来るもの拒まず」で、来てくれた人全員から「ご協力ありがとうございます。役立たせていただきます」と、丁寧にお礼を言って受け取るのです。
ありがたく受け取ることで、寄贈した住民側は、「不要物をうまく処分できた。良かったなあ」という「整理成功感」だけでなく、「私はいいことをした」「私は管理組合の活動に貢献した」「私はえらい」・・・といった「満足感」「優越感」を感じることができます。これって、ストレス社会の現代では、けっこう大事なことです。小さなことですが、こんなことでも、「管理組合への好印象」が生まれるのです。こういった、小さなことからも、管理組合と接点を持ってもらい、関心を深めていくきっかけになるものなんです。なにしろ、元手がかかりませんから、いい方法だと思います。
同様に、
「食器」も寄付してもらう
食器って、年末になると、不要品としてたくさん出てくるものです。集会室では、湯のみ茶碗などの食器を使用します。「今、あるもので十分だよ。増やす必要はない」と思うかもしれませんが、「新しいものに変えてしまう」ということで募集をするのです。これも、けっこう集まります。寄付した側は、「じゃまなものがなくなって、ほんとすっきりした」「慈善活動を行った自分は、いい人」と、大きな満足感を得ることができます。(※集まりすぎた場合の整理や処分が大変だそうですが)
上記の、「近所の管理人さんから聞いた話」に触発されて、私も、こんなことを気が付きました。
「クリアファイルを寄付してもらう」
管理人業務では、大量のクリアファイルを使用します。その時に、「戻ってこないこと」も多く、今は実際には、時々100円ショップで自腹で購入し補充している状態です。でも、クリアファイルって、今、あちこちで、配布されています。販促物としても利用されています。募集したら、けっこう、寄付してもらえるのではないでしょうか? 今度試してみよう。
という感じで、各家庭の不要物を管理組合に寄付してもらうことで、「片付け」と「満足感」の一石二鳥になるのだそうです。そして、「管理組合活動に参加している」という「メンバー感」も生まれるのではないでしょうか?
いい方法だと思いました。