管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
「黄砂」についての考察 |
先日、「蒼き狼」という、ジンギスカンの生涯を描いた映画を劇場で見ました。映画の中の、「大モンゴルの草原」は青々と美しかったです。
昨夜、「宇宙船地球号」というテレビ番組では、「内蒙古からくる黄砂」の問題をテーマにしていました。(この番組は、トヨタの1社提供です。今まで、たくさんの自動車を作り続け、大気汚染や交通事故を起こした罪を償おうかという、環境番組です。環境を大事にするのなら、低公害自動車を作るのも大事ですが、「不要な人は車に乗らない」ということが一番大事だと、私はトヨタに言いたいです)
中国本土の黄砂は昔から有名ですが、現在は、これに、「内蒙古地区」で新たに発生している黄土からの黄砂が加わり、大量の黄砂が日本全国に降り注いでいるそうです。この黄砂は、単なる砂だけではなく、工業が急速に発展している中国の大気にある汚染物質を砂が取り込んで、日本に届けているそうです。
なんで、私が黄砂のことを取り上げたかというと、当マンションがある地域でも、黄砂の影響が、無視できないほどの量になっているからです。おそらく、清掃業に従事する人間はみな問題視しているはずです。また、自動車(特に黒い車)を持っている人はよくわかるはずです。「砂が降る」といえば、昔は「鹿児島桜島」の特許でしたが、いまや、日本中に大量の黄砂が降っています。中国の砂漠化が原因です。
マンションの屋上、共用廊下の手スリ、非常階段なども黄砂がびっしり降っています。大きな雨があると水で流れ落ちる場所もありますが、砂はどこにでも入り込んできますから、雨で流れない場所にも降り積もり、始末が悪いです。共用部の清掃は我々の仕事ですから、ここのところ、清掃の仕事量が増えています。我々だけでなく、消防設備点検業者も、「黄砂の影響なのか? ベランダにある非常梯子(鉄板で蓋はしてあるものの、隙間から砂が入り込むらしい)が砂で汚れ、動きも悪くなっている」と、こぼしています。
ですから、黄砂は管理人にとっても、軽視できない問題なのです。
モンゴル民族は「定住地を持たない遊牧民族」です。しかし、現在、「土地の私有化」が進み、「自由にいろいろな草原をめぐって、遊牧すること」ができなくなりました。日本の牧畜のように、柵に囲まれた牧場を作り、その中でだけ、羊を飼育するようなスタイルに変わっているそうです。こうすると、あちこちにいけないため、羊は草を食いつくし、草原の下、数センチのところにある砂の層が露出してしまいます。加えて、「収穫量を増やそう」として、大量の羊を飼うため、ますます、草がなくなり、牧草地は砂漠に化してしまうのです。モンゴルの遊牧は、「日本で消費されるカシミヤ」の大供給産業です。今、日本で、カシミヤが安く買えるようになりましたが、これは、こういうわけです。
資本主義経済が中国全体に広がり、みんなが「金」「金」と血眼になっています。目先の収穫量に目を奪われ、先祖代々続いてきた遊牧の方法を変え、その結果、貴重な草原が砂漠になってしまいました。そして、その砂が黄砂として、強風に巻き上げられ、そして、急速に工業化の進む中国の工場から排出される、何も浄化されていない汚染物質といっしょになり、はるばる日本にまで運ばれます。日本人の花粉症やアトピーなどの増大も、「汚染黄砂の影響?」と言われています。
日本海側の漁業を壊滅に追い込んでいるエチゼンクラゲも、「中国の工場から排出される汚染水が東シナ海に流れ出し、海水の富栄養価を引き起こし、それがクラゲの大量発生につながっている」と言われています。
今、中国は急速に経済発展し、「わが世の春」を謳歌しているように見えますが、その裏では、過去の日本の経済成長時と同様、深刻な公害を引き起こしています。実際、日本の水俣病・イタイイタイ病が、今の中国で起きているのです。工場廃水はなんら処理されることなく、そのまま川に流されています。そして、その川で採れる魚を住民が食べています。中国政府がこのまま、野放図に工業化を進めると、自国民はもちろん、世界中に公害は広がり、健康被害が蔓延するでしょう。
私の主張。
「過去の遺恨はすっきり解決しましょう」
従軍慰安婦、靖国、南京虐殺・・・・ 日中戦争の負の遺産の問題。侵略して、大勢の人を殺したんですから、平謝りするしかないです。「30万人じゃない、3万人だ」なんて反論は無意味です。10万円だろうと、1000万円だろうと、銀行強盗は銀行強盗なんです。悪いことは悪いと謝らないと。従軍慰安婦のことだって、我々は父親の世代の人間から事実を聞いています。軍運営の慰安所があり、朝鮮半島から、「看護婦の仕事だから」「食事を作る仕事だから」・・・・と騙されて、慰安婦にされたことを聞いています。(注:強制的に拉致して連れてきたことに関する証拠はない)「国が運営するのはまずいから」と、途中で、民営になってものもあるようですが、基本は国営です。大勢の兵隊が列を作り、入り口でサックを受け取り(性病予防)、30分間で行為を終えたそうです。女性は30分単位で大勢の男性の相手をさせられました。そんな話を実際に聞いています。ただし、将校の相手をするのは、日本国内から連れてきたプロの女性だったそうです。
こんな話を続けると、「そんなのウソだ!」と右翼の若者に反論されそうなので、やめておきますが、とにかく、悪いことは悪いと素直に謝りましょう。そして、この過去の問題を早く片付けて、現在の問題に関して対等な立場で物が言い合える状態になりましょう。
「中国へ、環境問題を提起しましょう」
「内政干渉」と言われたっていいです。日本は過去に悲惨な公害問題を経験しているのですから、病気の治療法のノウハウもあります。まずは、「公害を出さないこと」をしつこく、中国に忠言しましょう。中国のような大きな国の公害は世界中に影響を与えます。
(海賊版などの著作権・商標権の問題も、中国にきちんと守らせましょう。今の中国は文明国とは言えないほどひどいです)
「砂漠の緑地化」に関して、日本は優秀な技術を持っているそうです。「ただ、金を渡すだけ。使い道もチェックしない」というルーズな国際援助ではなく、有意義な実効性のある援助をしましょう。