管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
エレベーター ワイヤー破断 国内大手も |
エレベーターの信頼に関する問題。
国家資格の違法取得まで明らかになり、まさに、泥沼状態です。しかし、今まではどちらかというと、「シンドラーとかオーチスとか、外国の会社の問題だろ」「独立系のメンテナンス会社の問題じゃないの」という感じだったのですが。
6/19付全国紙朝刊で、「ワイヤー破断 大手も」というタイトルで、日立も三菱も東芝も・・・・ み〜んな発生していたことが明らかになり、「国交省 緊急点検を指示」とも書いてあります。
この新聞を見て、「やべ〜なあ」と嘆息した管理人も多いと思います。
M社がメンテナンスしている当マンションでは、予想どおり朝から問い合わせがたくさんきました。「ねえ、Mもですって。うちは大丈夫?」、みなさん不安がっています。まあ、無理もないですね、ここのところ、問題噴出の業界ですから。私も、「大手といったって、中身の杜撰さは相当なもの。実際、点検の翌日に故障したこともあり、ちゃんとメンテしているのか心配」と考えています。住民から質問をたくさん受けると、放置もできず、M社に電話しました。今までは、のらりくらりとかわされたり、「うちは大丈夫ですよ。違法取得資格者なんかいませんし」などと言って、真面目に応対しなかったM社ですが、今日は、M社宛に直接電話で質問した住民も多数いたらしく、むこうも「こりゃまずい」と思ったのか、いつもよりはわりと真面目に応対し、「ちゃんと点検しますから」と答えました。
質問してきた住民の中には、ただ単に「大丈夫か?」と聞く人だけでなく、「過去10年間で、このマンションのエレベーターで起こったトラブルの記録を見せろ」というシビアなことを言ってくる人もいました。住民としたら、「管理会社のほうで当然過去の記録を保管しているはず」と思っているのでしょう。しかし、実際は、エレベーター会社のシステムとして、「通常の定期点検の報告書は発行されるが、トラブル発生時の報告書はなぜか発行されない」ようになっているため、故障の記録というものは、管理室のファイルの中には全然ありません。国内大手のエレベーター会社としてはまことにお粗末です。ふだんの点検書類は「異常なし」と書くだけで簡単ですが、トラブル時の報告書というのはたくさん書くことがあるからさぼっているんでしょう。わが社なみのいい加減さです。
とりあえず、急遽、フロント、理事長と相談して、「過去の故障・トラブルの記録をすべて、M社から提出させることにする」「今後、故障などが起きた場合は、軽微なものであっても、すぐそのあとに、報告書をマンション内に掲示し、全住民に事情を知らせること」と指示を受けました。そして、すぐにその旨をM社に伝えましたが、「上司と相談させてください」とのこと。どうも歯切れが悪いです。もしかして、社会保険庁のように、「過去の記録は破棄しろ」とかなっているのかもしれません。
なんか、この会社、お役所みたいな対応で好きになれません。たしか、M社の親玉、M重工は防衛庁からの天下りがすごい会社で有名です。民間だけど、国策企業だと思っている会社です。グループ全体で「驕る」体質があるのかもしれません。
とにかく、エレベーター会社がしっかりしてくれないと、私ら管理人の仕事が増えて疲れます。高いメンテ費もらってるんだから、責任ある仕事しろよな! MもTもHもFも。