管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
ベランダの排水口の場所の問題 |
この問題、ずっと前にも経験してるんで、2回目の登場かもしれませんが、おつきあい下さい。
写真では見えませんが、普通、ベランダにはベランダ内に落下した雨水を逃がすために、ベランダ壁の内側下に溝があり、そして、排水口があります。
この排水口ですが、当マンションの場合、必ずしも、「1世帯に1個ある」わけではありません。「自分のベランダに排水口がある部屋」ばかりではないのです。「2世帯で1個の排水口」というところがたくさんあります。つまり、「自分の部屋のベランダの水は、溝を通って、隔壁板の下をくぐり、隣の部屋のベランダの中にある排水口から、排水される」という部屋があります。
この排水口ですが、ベランダというのは雨水だけではなく、いろいろなゴミとか枯葉とか、虫の死骸とか、わりといろいろなものが集まる場所なので、すぐに排水口がゴミで詰まります。また、「汚くなったから、ベランダにホースで水をまいて、きれいにしよう」と掃除をすると、排水口はごみだらけになります。ごみだらけになったら、排水口を掃除すればいいんですが、自分のところに排水口がないと、掃除ができません。
「隣室の住民が排水口を全然掃除していないから、うちの排水が流れなくて、ダムになってしまう」「自分のところのゴミを隣室へ流すのは心苦しい」「自分のところの排水口に他人のゴミが流れてくる(お隣の部屋に排水口がないことを理解していないケースもある)」「他人のゴミをなんで私が掃除しなくてはならないのか?」・・・・・ などなど、いろいろと困った状態が起きます。日ごろから隣室とのコミュニケーションが取れていればいいんですが、現代社会はそうはいきません。そのため、トラブルに発生するケースも多いです。
「隣の部屋の犬の鳴き声がうるさい。おまけに、うちの排水口にゴミを流してくる。ふざけた奴だ!」と、ケンカに発展することもあります。日ごろの関係が悪いと、ちょっとしたことが導火線になって爆発することがあるのです。特にワンルームマンションのように、ベランダの間口が狭いところでは、「自分のところに排水口がない。排水は隣室へ流す」という構造のものが多いです。時々、組合が主体になって啓蒙活動するといいんですけどね。
それから、排水口の構造も、風呂場の排水口のヘアキャッチのように、ワンタッチでゴミが捨てられれば楽なんでしょうが、からみつくと取り難い形状のものがあり、これは構造上の欠陥だと思います。
共同生活ってのは大変なんですよ。