管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

めんつゆ問題2  容器リサイクル法改正の影響 
& オバカ公務員の不手際




 最初に、以前書いた、これを読んで下さい。

 
 この4月から、当市ではゴミの分別方法が細かくなりました。このため、自分でいろいろと資料を集めたりしてずいぶん勉強しました。(会社は何もしてくれません)

 かなり、「ゴミ通」になったつもりでしたが、まだまだ知らないことが多い、ということに気がつきました。

 先日、ゴミの整理をしていた時のこと。清掃パートさんに、「管理人さん、このキッコーマンのめんつゆ、ラベルには”ボトル=プラ”って書いてあるけど、ボトル本体には”PET”のマークがついてるんだけど、これって、ペットなのプラなの?」と聞かれました。「え? なんですか? ちょっと見せて」とよ〜く見たら、おっしゃるとおりなんです。当市では、「ペット」と「プラ」では、収集日も違い、厳密に分けなくてはいけません。「ボトル本体にはペットと表示されているのに、なぜ、ラベルにはプラと表記されているのか?????」、不思議です。

 さっそく、キッコーマンさんに聞きました。そうしたら。

 「容器リサイクル法では、飲料以外では
”しょうゆ”と”みりん”だけに関して、ボトルにペット素材を使用している場合に、「ボトル=ペット」と表記できますが、それ以外の液体については、たとえ、ペット素材を使ったボトルでも、ボトルはプラと表示しなければならないように、法律で規定されているのです」

「えええええ? じゃあ、めんつゆは?」

「めんつゆはしょうゆでもみりんでもないため、”それ以外”に分類され、ペットであってもペットと表記できません。」

「でもねえ、うちの市では、”素材が何かわからないときは、ボトルの底を見てください”って市民に指導してるんだよ。めんつゆとしょうゆが扱いが違うなんて、誰が理解できるの? 油ならまだわかるけど」

「はい、同様の苦情はたくさんいただいております。私どももおかしいと思っております。実際のところ、めんつゆの原料はほとんどしょうゆですし、当社では、しょうゆとめんつゆとは、まったく同じボトル(=ペット)を使用しており、これがなぜ、違うものとして表記しなければいけないのか不思議でしょうがないです。」

とのことです。まったく、法律制定時に何があったのか知りませんが、困ったややこしい法律です。役人&国会議員は何をしてるんだ!

 このことを市役所に聞いてみたら、最初に応対した役人は、なにがんだかわからないようで、しばらくたらいまわしにされたあげく、担当課長につながったら、「気がついちゃいましたか? 実は、私たちも困ってるんですよ。ボトル本体の表記とラベルの表記が違いますからね」とのことです。「マンション住民さんには、混乱を防ぐために、”ラベルの表記を見て分類してください”と言ってくれませんか?」と頼まれてしまいました。

 市長は、成人式の祝辞でも、ゴミのことに触れたらしく、そこでは「ゴミ分別は慣れれば簡単です」とのたまったそうですが、実際はこのように奇奇怪怪のものです。現場はほんと大変です。
 それにしても、1年間の長い間、誰もこのことに気がつかなかったというのも、ある意味すごいです。私も、盲点でした。リサイクル、恐るべし。

 こんな難しいことを、うちの住民にどうやって理解させればいいんでしょうか? ゴミのために悪戦苦闘する毎日です。あ〜しんど。

 さて、上記のような事情があって、「しょうゆ業界などの意見」「なるべく多くのペットボトルをリサイクルにまわすべきという意見」を受けて、2006年6月に「改正 容器リサイクル法」が制定されたそうです。私は不勉強で知りませんでした。いろいろな項目で改正が行なわれていますが、今回の話題に関しての改正内容は以下のとおりです。

ペットボトルの容器包装区分の変更[平成20年4月施行]

容器包装区分のうちペットボトルについては、現在「しょうゆ・飲料」を容れたペットボトルに限られていますが、それ以外の商品を容れたペットボトルにも再生利用に適したものが存在することから、新たにペットボトル区分の中にめんつゆ、ノンオイルドレッシングの調味料等再生利用に適した商品を入れたペットボトルを追加することにしました。具体的な商品については現在検討中であり、今後具体的に定めていく予定です。



 この具体的商品が決まったようで、いよいよ平成20年4月から、全国的に施行されます。

 法律文だとややこしいのですが、今回加わるのは「みりん風調味料」「食酢」「調味酢」「しょうゆ加工品」・・・とのことです。私のほうで「変換」して、具体的に説明しますと、「めんつゆ」「だししょうゆ」「ぽんず」「お酢」「ミツカンの”ほんてり”(=みりん風調味料 税法上みりんはお酒だが、これはお酒ではない)」「ノンオイルドレッシング」などになります。ややこしいのは「油を使った普通のドレッシングは対象外だが、ノンオイルドレッシングは対象になる」ということです。同じ売り場に両者が並んで売ってますから、これは相当ややこしいです。

 これらの商品は、今までは、法律の規制のために、「実際は、ボトルにペット素材を使用していながら、ラベルには”PET”と表記できずに、”プラ”と表記していた。しかし、ボトル本体の底には”PET”のマークがあった」という、奇奇怪怪の商品でした。これを、「ボトル本体の表記と、ラベルの表記を合致させよう」というのが、今回の改正のポイントです。(だったら、なんで最初からこうしなかったのか? 私には不思議でしょうがないです。役人がアホ)

 基準となるのは、「内容物がさらさらしていて、油分がなく、粘性もなく、使い切ったボトルを軽く水でゆすげば、きれいになって、リサイクル工場でリサイクルできる」という点です。このため、たとえPET素材のボトルを使用していても、普通のドレッシングは油分があり、この洗浄には膨大な手間がかかり、PETとしてはリサイクルできないため、対象外となっています。

 さて、このように、複雑怪奇な改正が2008年4月から行なわれます。そして、この法改正にともない、当市でも対応が必要になり、「今まで”プラ”として出していたボトルを”PETとして出してください。回収が変更になります」という予告が、正月に発行された「市の広報 2008/1版」の片隅に掲載されました。私はこの掲載を見て、知った次第です。しかし、当市の役人はいつもいつもミスを犯します。今回、「2008年4月1日から回収品目が変更になります」という文が正しいのに、こともあろうに、オバカな役人が
「2007年(平成20年)2月31日から変更になります」とミスタイプしたのです。

 
おまえはあほか? クソバカ役人!

 
2007年って去年じゃないかよ! 2月に31日なんてあるわけねえじゃないか? 印刷して配布するまでに数多くの校閲、チェック過程を経たはずなのに、誰もこのミスに気がつかなかったのかい? 役所全体が大馬鹿野郎です。(印刷業者含む)


 
今回の変更は、非常に地味でかつ難解でわかりにくいものです。しかし、それだからこそ正確さが求められます。それなのに、こんな初歩的な間違いをするなんて、そして、それを全市の家庭に配布するなんて。あきれてものがいえません。広報は1月4日に配布されましたが、本日1月10日に、「訂正です」という1枚の紙が自治会を経由してあわてて配布されました。この1枚の紙の配布には何百万円のお金がかかっているんでしょうか? 間違いを犯した部署の職員で自腹切れよ。有名大学卒のエリートが作ってるはずじゃないの? だいたい、こういう広報というのは、記述者本人だけでなく、担当課長とかが校閲してOK出してから印刷に回るんじゃないの? そういうマニュアルもないのかな? 経費節減でそういう過程も削減しちゃったんでしょうか?

 私は、1月7日に広報をじっくり読んで、すぐにミスに気がつき、市の担当部署に連絡しました。すぐに「すいません。当方のミスです。」と市役所にはしては珍しく低姿勢で謝ってきました。「小学校の学級新聞でもこんな初歩的な間違いはしないよ。担当者はいくら給料もらってるんだ。全額返還しろ」と皮肉を言った後、今回の改正の詳細について質問をしました。しかし、すぐに詳細を説明できる人がいません。3〜4部署たらいまわしにされて、なんとか上記のような詳細がわかった次第です。このときも、「改正の条文は知らないんですが、とにかく、こういう変更だそうで、国が決めたことなんで、我々自治体も従うしかありませんので・・・・」と言ってました。「おいおい。根拠となる法律の条文も把握してないのかよ」 またまたツッコミ入れさせていただきました。何のために、ネットがあるのでしょうか?  ちゃんと利用しなさい。年末には市の職員が痴漢で逮捕される事件も起きてますし、ほんとどうしようもない公務員です。


 さて、役人のバカは置いておいて、問題はマンション内の広報です。今回の変更は内容が専門的かつ細かくて、説明が非常に難しいです。「ラベルの表記に従ってください」とはいえません。というのも、4月1日に全国で一斉に、製品のラベルを変える訳にはいかないからです。メーカーには1年間の猶予期間が与えられているそうで、完全にラベルの表記が入れ替わるのは来年の話です。当マンションのように、「日本人だけど日本語が読めない」「高齢者が多い」「広報物は読まずに捨てる」という住民ばかりのところで、こんな複雑な変更は理解されるわけはありません。

 ということは、管理人と清掃員で一個一個仕分けし直すということになるでしょう。また仕事が増えます。トホホ。



2008/1