管理人はつらいよ
マンション管理最前線
介護職 楽じゃないです |
悪名高き、不良介護企業「コムスン」の親会社「グッドウィル」。ここも、人材派遣に関する不正(ひどいピンハネしてますね。あくどいです)が次々と暴かれ、ついに、あの変な頭の折口会長が、「降り口」から出て行きました。
コムスン問題が顕在化した後、各マスコミで「介護業従事者の劣悪待遇」がとりあげられています。なんでも、今後は「外国人介護職」を輸入するそうです。中国製の野菜同様、安い労働力を海外に頼るそうです。でも、どうなんでしょうかねえ。このマンションにも、大勢の高齢者がいますから、私ら管理人も、一種の「介護職」みたいなものですが、高齢者を相手にするのはかなり高度な語学力が必要ですよ。安易に、海外労働力に頼るのはいけないと思います。
ちょっと前に問題になった「海外研修生制度」(実際は安い労働者を「研修生」の名目で日本に入れて働かせていた)も、さんたんたるものでした。仲介に入った業者のピンハネもすごいですし、日本国内で逃亡して、そのまま不法滞在する外国人も多いし、ろくなことはなかったはずです。研修生を招集する政府系団体でも、「実際は、ディスカウントのエコノミー席のキップを渡したのに、正規のビジネス席の料金を計上し、政府から多額の補助金を詐取していた」ところもありました。この団体も、有力政治家のバックアップで、問題は顕在化しなかったようですが。(自民党はやることが汚いね)
さて、当マンションの中に話を戻します。マンションの中の若者というと、「改造バイクに乗って、爆音を響かせて近所迷惑極まるバカ」などが多く、正直、「今の若い奴は・・・・」と感じる人間が多いのですが、その中に、2年前の春に、「管理人さん、僕ね、4月から介護の現場で働くんだよ。困っているお年寄りの役に立ちたいんだ。管理人さんも応援してください」と挨拶に来た青年がいました。今時珍しい、素晴らしい青年です。その後、2年間がんばったらしいんですが。
先日、また、管理人室を訪れ、「仕事自体は好きなんだけど、待遇がひどくてね。昇給もないし。どうにもこうにも続けられなくなりました。無念なんだけど、転職することになりました」と言ってきました。親元から通勤しているため、なんとか生活は最低限できるのですが、彼女ができて「結婚を意識するようになった」ら、「この給料じゃ生きていけない」と思ったそうです。金額を聞いたら、我々管理人とほとんど代わらないような劣悪な給料でした。この金額じゃ、結婚なんて絶対にできません。部屋を借りて、一人暮らしするのも大変な、給料の低さです。介護の料金は、国で決まってますから、「がんばれば給料があがる」ような仕組みにはなっていません。夢も希望もない職場なのかもしれません。誇りだけでやる仕事なんでしょう。
このマンションにも、大勢の「要介護」の老人が住んでおり、毎日、なにかしらの介護職の若者がやってきます。その人たちの顔を見ると、しょっちゅう入れ替わります。「あの子、最近見ないけどどうしたの?」と同僚に聞くと、「”食っていけないから”と、この仕事をやめて、郷里に帰りました」とのこと。ほんと、続かないそうです。入れ替わりの激しい職業です。
今、「ホームレスの若者」も問題になり、「若者が働ける仕事がない」と言ってますが、彼らに介護職はできないでしょうか? うまく斡旋して欲しいものです。国土交通省でミュージカルやるお金があったら、もっと他の、国民に真に役立つことに税金使ってください。冬柴さん。