管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

ゴミ分別が放火を助長している??








 本日、消防署の職員がやってきて、「放火が増えているので注意してください」と言っていきました。その際に、ちょっと詳しく話を聞いたところ、当市では、「ゴミ分別細分化」とともに、放火事件が増えているそうです。原因は、「燃えやすくなったから」だそうです。

 具体的に言うと、古紙回収が推進された結果、放火に最適な素材があちこちに置かれるようになりました。新聞紙の塊なんて、最高の燃料です。塊だと、ちょっと火がつきにくいのですが、「新聞や雑誌・本など以外のその他の紙(専門用語で「雑紙 ざつがみ」)は、きちんと折りたたんでいないと、適度な隙間が合って、空気がとおりやすく、絶好の「焚き付け」になります。

 プラスティックの「容器&包装」も、最高の素材です。すぐに燃え上がります。また、量も多いですから、簡単に燃えあがりますし、軽いため、風で飛ばされて、隣家にも延焼します。ペットボトルも同様です。

 このように、「素材ごとに細かく分別してゴミに出す」ことは、「燃え易い素材だけを大量に一箇所に集める」ことと同義で、放火魔にとっては最高の環境作りになっているそうです。
 たしかに、濡れた生ゴミが混ざっていれば燃えにくいですが、生ゴミは生ゴミだけでまとめるようになりました。

 放火を防ぐためには、「ゴミは回収する直前に出す」「前日や夜間に出すことはやめる」ことが大事だそうですが、そんなの、当マンションの住民には「関係ねえ!」です。

 なにしろ、古新聞(月に1回しか回収してくれない)なんて、回収日の3週間前に出す人がいるんですから。「前夜」なんてレベルの話じゃないです。

 そんなわけで、「早く出されたゴミは、管理人さんのほうで、安全な場所に一時保管してください」とお願いされました。また、市の政策のために、管理人の仕事が増えます。給料は減る一方なのに。トホホ。


<蛇足>
 火事のことを考えながら、巡回をしていたら、ちょっと気になることがありました。

 マンションの部屋のベランダは非常時の通路となっています。このため、一部のベランダには「非常時の避難ハシゴ」が設置されており、階下のベランダに下りることが可能です。その最後は、1階住居のベランダなのですが、問題はそのあと。1階のベランダに降りた人たちは、どうやって、そのベランダから逃げ出すか? ということです。子供とか、体の弱い人にとっては、ベランダの手すり部分の高さはかなり難所です。本来なら、1階住居のベランダの外壁部分には、扉のようなものを設けて、非常には内側から外側に開くことが出来て、そこから脱出できる、ようにすべきではないでしょうか? 現状の、避難ハシゴのシステムは、最後の詰めが甘いと思います。防犯上の問題はあるでしょうが、なにか、方策が必要だと、私は思います。

 この壁を乗り越えるのは大変ですよ。


2008/3