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マンション管理最前線

死角  防犯カメラ 警察諸問題 携帯




 今日のMSNのトップニュースは以下の事件です。


オニの行状…19歳少女が元締め、中学生に買春強要 援交で稼がせる

2008.4.24 03:36

 女子中学生を脅して買春させたとして、栃木県警少年課と宇都宮中央署は23日、恐喝未遂と児童福祉法違反(淫行(いんこう)させる行為)の疑いで、宇都宮市の無職少女(19)を逮捕した。

 また、女子中学生を買春した日光市森友、会社員、高橋卓也容疑者(21)を児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で逮捕した。

 調べによると、少女は昨年12月9日、宇都宮市内に住む女子中学生=当時(13)=宅で、女子生徒を暴行し現金を要求。援助交際で金を稼がせるため、女子生徒に成りすまし出会い系サイトで相手を募り、同11日、応募してきた高橋容疑者を相手に市内のホテルで生徒にみだらな行為をさせた疑い。

 女子生徒は、買春で得た数万円を少女に渡さず、県警に被害届を出していた。


 世の中めちゃくちゃですね。私は個人的には、少年法なんて廃止すべきだと思っています。小学生が殺人を犯しても、死刑に値するなら死刑にしましょう。「そんなの絶対にだめだ」と反対するのなら、「親を死刑」にすべきです。それくらいの責任感を持って、子供を育ててもらわないと困ります。また、未成年者の氏名を伏せることもやめましょう。今の少年少女は悪賢いですから、オヤジ狩りする連中なんかも、「俺たちがおまえを殺しても、死刑になんかならない。名前も出ない。数年お勤めすれば、シャバに出て普通の生活ができるんだぞ」と、脅迫するそうです。これじゃ、「少年法が犯罪を助長している」といっても過言ではありません。

 とのかく、今の時点で言えるのは、「出会い系にからんだ悪質な犯罪が多すぎる」ということで、これをなんとかするには、思い切った施策が必要です。
「携帯からのインターネット接続をできないようにする」くらいのことをやってもいいんじゃないでしょうか? ほんと、携帯が世の中を悪くしている、と思います。利点よりもマイナス点のほうが大きいと思いませんか?

 また、こんなニュースもあります。

 

不明少女からの110番、捜査部門に連絡せず…山梨県警

 東京都江戸川区の無職石田佳奈子さん(19)の失跡事件で、山梨県警が石田さんからの110番通報を6日昼に受けながら、捜査部門に連絡していなかったことがわかった。

 県警は「事件性の判断がつかず、確認する必要があった。対応が適切だったかどうか、検証する」としている。

 県警によると、最初に通報があったのは6日正午ごろ。「ハアハア」と荒い息遣いだけが聞こえ、十数秒で切れた。通信指令室の担当者が着信記録からかけ直して約10分後につながったが、途中で切れ、その4分後、再度、通報があった。

 石田さんは名前を名乗ったが錯乱した様子で、「ワゴン車で連れてこられた」「どこかわからない」「知らない人」などと断片的に話したという。担当者は、7日午前7時過ぎまで数十回、電話をかけたが、つながらなかった。

 石田さんは6日午後0時半過ぎ、自宅に「知らない男に連れ回された」などと電話し、父親が警視庁小松川署に届け出た。警視庁から県警には、7日午後、連絡があったという。

(2008年4月16日20時56分  読売新聞)


 これも、もともと、出会い系サイトが発端らしいです。警察も、このように、犯罪が低年齢化していて、多発している状態では、仕事が忙しく、「面倒くせえ。こんなの関係ねえ。シカトしておこう」と思う気持ちもわからないではないですが、私自身の実体験、および、マスコミの報道を見ていると、「警察の怠慢」というのはものすごいです。また、今回のように、「事件が広域にわたる場合の、警察内部の連携の悪さ」というのは、ずっと昔から指摘されていることなのに、なにも改革されません。「日本版FBIを作るべき」という意見も、30年前くらいからずっと聞いています。でも、実現しません。
 当サイトでは、警察の批判を徹底的に行なっていますが、これは、「市民が最終的に頼るのは警察しかない。だから、警察にはしっかりしてもらわないと」という意味の叱咤激励です。(ほんのわずかな人数ですが)真面目な警察官ががんばっているのも知っています。


 さて、今回の本題に入ります。
「防犯カメラの死角」についてです。

 東京江東区のマンションで、帰宅した23歳OLが失踪した事件。警察の当初の発表では、「人の出入りは、マンション内に配置された5台の防犯カメラですべて把握できる。この映像にOLの姿が写っていないため、女性はマンション内のどこかにいる可能性が高い。だからマンション内を捜索する」といったものでした。カメラで全部カバーできているのであれば、防犯上は最高の状態で、警察のいうとおりに、マンションの別の部屋にいる可能性は大です。
 このため、警察は、マンションの他の部屋全部を調べようとしたそうです。でも、大規模なマンションで、「全部の部屋」というのがいかに大変なことか、私ら管理人はよくわかっています。当マンションでは、「雑排水管清掃」にしても、「消防設備点検」にしても、「全室完了」というのは、今までに一度も経験したことがありません。警察も苦労しているそうです。留守の家もあるでしょうし、「中に入ってもらっては困る」という部屋もあるでしょう。実際に、警官を中に入れた部屋では、かなりしつこく調べられたらしいです。今は、「死体をバラバラにして、捨てる」といった殺人事件も多いですから、「人間一人が入れるような場所」だけではなく、小さなところまで調べるらしいです。気になったのは、入室を拒否した部屋の住民に対して、「そんなこというなら、捜索令状をとって、中に踏み込むぞ」と脅迫ともとれる言葉で迫った刑事もいたということです。(テレビのニュ−スで、インタビューに答えた住民が言ってました) 重要な事件ではありますが、「特に、この部屋が怪しい・不審だ」といった、感触もない状態で、「捜索令状をとって、無理矢理中に入る」というのは、(犯人を擁護するわけではありませんが)、警察のおごりではないでしょうか? 911のテロ事件以降、「テロを阻止するためには、何をしてもいい」という気運が強まっていますが、アメリカでは、グアンタナモの問題もそうですが、イスラム教徒だからという理由だけで、無実の人を逮捕拘束している、「不当な」事例も多数みられ、はたして、「何をしてもいい」というのは良いことなのか? はなはだ疑問です。

 さて、このように、警察が必死になって、「全室しらみつぶしに捜査」をしている一方で、テレビニュースでは、「カメラに写らない死角があったことがわかった」と報道してました。NHKは「右側の非常階段の出口のところの、高さ1mの壁を乗り超えて外に出れば、カメラに写らない」と報道し、TBSは、「左側の非常階段の出口はカメラの死角になっており、出口からまっすぐに進まずに、すぐに右に曲がれば、写らない」とレポートしてました。TBSでは、実際の場所を映像で写していましたので、視聴者も、「カメラがあそこなら、出口から1mの範囲内は死角になるだろう」と容易に判別できました。
 「死角がある」ということは、「そこから逃げれば、わからない」ということで、「女性は外に出ていない。だから、マンション内の部屋全部を捜索する」という前提が根底からひっくりかえることになります。なんで、警察ってこんなにお粗末なんでしょうか? あのマンションの規模からすると、当然管理人が常駐していると思うのですが、管理人であれば、「どこに死角がある。写っている箇所でも、あそこは、夜はライトがないから写りにくい」といったことも把握しているはずです。管理人には聞かなかったのでしょうか? 警察って、管理人など、身分の低い人をばかにしますから、真面目に話を聞かなかったのかもしれません。また、管理人側も、「今の警察はろくな奴がいない。人をバカにしやがって」と思っている人が多いですから、真面目に協力しなかったのかもしれません。しかし、たとえ管理人がちゃんと協力しなかったとしても、大勢の警察官で、カメラの画角を調べて、「死角があるかないか」を確認するのは容易なことです。映像を見ればわかることなんだから。今や、防犯カメラというのは、へたな刑事よりも有能なツールであり、その防犯カメラのことをきちんと調べずに、安易に、「人の出入りは全部把握できる」と決め付けた警察は、お粗末君です。「相棒」の杉下警部なら一目でわかるはずです。

 うちのマンションでもそうですが、「予算の関係で、防犯カメラが設置できなかった箇所」というのがいくつかあります。先日、仕事で行った、イナホ銀行では、「いったい、何台のカメラがついてるんだ。客だけでなく、行員の不正防止用のカメラもあるなあ。ワンフロアで20台はあるんじゃないの?」と驚くくらい、たくさんのカメラがついていましたが、普通のマンションでは、「つけたいところに全部つける」なんてことは無理です。たいていは、「出入り口関係」「駐車場」といった、重要な場所だけです。当マンションで、「各フロアの廊下にも設置」なんてことになったら、100台近いカメラが必要です。また、最近のマンションは「プライバシー保護」の観点からか、「各部屋の玄関ドアは、ちょっとへこんだ場所にある=アルコープタイプ」になっているところが多く、これだと、廊下にカメラがあっても、「玄関のところでいざこざがあった」というシーンが写りません。プライバシーを保護すればするほど、当然、カメラの死角は増えます。このあたりの「加減」が難しいです。

 当マンションの場合も、「通常の出入り口」に関しては、完全に写るように防犯カメラを設置していますが、隣家との低い塀を乗り越えれば、どこからでも外に出られます。いわば、死角だらけです。「完全」なんていうのは無理です。カメラを設置した箇所についても、「夜間照明の設置」の予算がなくて、事実上「夜は写らない」というお粗末な場所もあります。防犯カメラ設置業者は、「最新式のカメラなので月明かりでも写ります」とか、えらそうに言ってましたが、実際は全然写りませんでした。ウソ八百です。暗くてもきれいに写るんだったら、盗撮マニアがみんな買ってるし、テレビ局の取材スタッフも照明さんは不要です。
 また、カメラ画像を記録する「ハードディスクレコーダー」の「画質設定」「撮影間隔」も重要です。限られた容量の中で、「なるべく長期間(1ケ月とか)画像を保管したい」と思えば、「画質を落とす」「撮影間隔を広くする」ことになります。こうなると、「1ケ月前に起きた事件の録画画像を調べたい」といった時に、画像が残っていますが、「画質が悪いので、犯人の顔がぼやっとして判別できない」とか、「犯人はバイクですばやく逃げていったため、撮影コマと撮影コマの間に出て行ったらしく、映像に残っていない。(「3秒間隔で撮影」といったモードにしておくと、こういうことはよく発生します。最低でも1秒間隔にしたいところです)」という、歯がゆい事態が生じます。逆に、「画質を最高に設定」「撮影間隔は、1秒間に5コマ、ときめ細かく設定」ということにすると、きれいな画像が残りますが、記録時間が非常に短くなり、「3日前に起きた強盗事件のことで調べてるんですが、防犯カメラの映像を見せてくれませんか?」「3日前ですか、うちのレコーダーは24時間しか録画保存されていないので、もう、消去されてますよ」といった事態が起きます。難しいですね。

 最新のマンションというのは、防犯カメラは必需品であり、設計段階から、「どこに防犯カメラを設置する」といったことが盛り込まれているはずです。「少ないカメラの台数でカバーできるようにする」「死角になる場所を最低限に減らす」、そのような建物を設計すべきではないでしょうか? 建築士にはそういう配慮・知識も必要だと思います。管理人にアドバイスしてもらうのが一番だと思いますけどね。建築士ってプライド高いから、そういことしませんね。だから、死角ができるんです。

 


2008/4