管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

大震災後の「工事業者」の職人の質の低下があまりにもひどい



2015/2

 最近の日本。中国から、お金持ちの観光客が大挙して来日し、「爆買い」と呼ばれる、すごい買い物をしているそうです。ここでよく言われているのが「Made in Japan」の高信頼性

 私は、「Made in Japan」というのは、「原発事故で、みんな死んじゃって、冥土 in Japan」だと思っているんだけど。それはさておき、「日本製は優秀」ってのが、世界的な評価らしいのですが。どうも、これが最近は怪しい。


 大震災以後、よく言われていることで、私も、ブログに何度も何度も書いてますけど、建設&設備関係の職人さんたちのレベル低下・人手不足がひどいんです。特に消費税増税前の「駆け込み需要」の時はほんどひどかったです。

この原因は複合的です。

「大震災後、復興事業で、多くの職人が投入され、一般の工事に行く職人がいなくなった」
「大震災後、原発立地自治体(双葉郡)の住民には億単位の補償金が支払われ、その人達が次々に県内に新築住宅を建設し、そこに職人が投入された」
「意味のない除染作業が大規模に行われている」
といった、「大震災」の影響が大きいです。

次に、「東京オリンピック誘致〜開催決定」による、公共事業の増加も、多くの職人が投入されています。これも大きな影響を与えています。なんで、震災の復興事業で大変な時に、こんなバカな「お祭り」を誘致したのか? 関係者はみんなアホだと思います。フクイチの汚染水も、ドバドバと海に流れているのに、なにが、「完全にブロックされている」だよ? 頭おかしいんじゃないか? 安倍。おまえの脳細胞のほうが「ブロック」されてるだろうに。

続いて、「大不況」の影響による「人材育成」の不足。ずっと続いている大不況によって、ぞくぞくと会社が潰れていき、新人を育てる余裕などなくなってしまった日本。こういう「職人」というのは、それなりの年月をかけて、じっくりと育てないといけないのに、そういうことができませんでした。

そして、「多重請負制度」「ピンハネ体質」による、末端労働者の低待遇もひどいです。先日、ニュースで「16歳の子供に、除染作業をやらせていた」というのがありましたが、この日当が、なんと「3000円」って。なにそれ? もともとは、1人あたり「3万円」支払われているのに、何重ものピンハネの結果、実際に仕事をする人間に払われるお金は、もとの「10分の1」に減ってしまいます。「暴力団の介在」「暴力団と癒着する警察の見逃し」などによって、この悪質な制度はなかなか改善されません。昭和39年の東京オリンピックの時の建設業界と何も変わっていません。



さて、そんなわけで、とにかく、うちのマンションに工事でやってくる業者の職人の質もひどいです。

「挨拶ができない。基本的な人間としての資質がない。日本人なのに、まともな日本語が話せない。」
外国人のまた増えてきて、日本語がちゃんと話せない人も増えてますが、日本人でもちゃんと日本語を話せない人が多いです。管理人に挨拶せずにマンション内に入ったり、管理人に「車を置きたいから場所を教えて欲しい」と依頼する場合も、何言ってるかわからないような日本語話すし。自分が何者か名乗ることもせず、どこの部屋の工事なのかも言わずに、いきなり用件を話しだすし。ほんと、相手するのが大変です。

「マンションの工事をするなら、マンションの構造を少しは理解していて欲しい」
フローリング床工事の際に、釘を打ったら、床下の排水管に穴をあけてしまい、そこから漏水して、階下の部屋が水浸しになったことがありました。床下に何があるのか、それくらい調べて欲しいなあ。
マンションに入ってくる「光ファイバー回線」の大元を切断した奴もいます。この時は、インターネットもテレビも全滅しました。(自室内でデイトレードをやっている住民から、私がひどく怒られました)
その手のトラブルがほんとに多く、腕も悪いし、しょっちゅう騒動を起こしています。このため、「やり直し工事」も多く、「予定の日程が遅れる」のも当たり前。
リノベーション工事後に入居した人から苦情が来て、工事がやり直しになる場合もあります。「工事の期間中、どこかのホテルに一時避難しないといけないから、ホテルの予約をしてよ」と住民が管理人室に来ることも。私はコンシェルジュじゃないんだけどなあ。
それに、リフォーム工事って、新築住宅と違って、ちゃんとした保証制度がないから、あとで不具合が発生した場合に、補償のことでトラブルになることも多いです。職人がちゃんと工事してくれれば、そんなこと、我々が巻き込まれることもないのになあ。

そんなわけで、本来なら「脂の乗った30代40代の腕のいい職人」が来てくれればいいんですが、「わけのわからない外国人」が来たり、「20代のアッパラパー」が来たり、「70代のヨボヨボ爺さん」が緊急招集で来たり、すごいことになっています。

ほんとに、人手不足のようで、やってくる職人の車のナンバーを見ると、「隣県」どころか、「隣の、また隣の県」だったりして、「高速使って片道3時間かけてやってきた」なんて職人もいます。どうせなら、こっちに宿泊すればいいのに、「毎日、往復6時間かけてやってきます」なんてことやってたら、車の運転だけでクタクタになり、仕事の質が落ちるのも当然です。


とにかく、こういう職人のために、それに対応する管理人の仕事が、マジ、大変で、疲れます。トホホ。

しかしまあ、今の世の中、「通信の進歩や、警備システムの進歩により、大きなマンションでも、管理人がいなくても大丈夫」とか言われてますけど、こんなにいろんなトラブルが頻発している中、管理人無しでやっていけるんでしょうか? 無理だと思うなあ。