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マンション管理最前線

郵便局大丈夫か? 誤配多いぞ 表札の問題




2010年 1/5にこの記事を書いています。

 当マンションでは、郵便物の誤配が非常に多いです。無論、郵便とはいえない「メール便」の誤配もすごく多いのですが、本来、「転居情報もきちんと把握している」「地元に根付いた歴史のある」郵便局が誤配をするのを恥ずかしいことだと思います。

 「人間がやることだから、必ずミスを犯す」ということはわかりますが、それにしても、誤配の率が高いです。

 このマンションの住民は、「自分宛ではない、間違った郵便物」が、ポストに入っていると、(同じマンション内での誤配であれば)「そのあて先のポストに入れなおしてあげよう」、と考える人は皆無です。なんの決まりごともないんですが、みなさん、管理人室のカウンターの上に、無造作に置いて、それでおしまい。「あとは、管理人がやりなさい」という無言の指示なんです。重要な書類でも平気でポンと置きます。

 というわけで、毎朝、出勤時の最初の仕事が、管理人室カウンターに置かれた誤配郵便物の整理です。これが、「年々増えている」ような気がします。同じマンション内宛ての場合は、私が正しい部屋のポストに投函しなおします。また、マンション以外の別の住所宛のもの(これもなぜか多い。完全に、まったくちがう町名のものが平気で入っているのが信じられない)の場合は、配達に来た郵便局員を捕まえて、「これ、誤配ですよ」と言って、引き取ってもらいます。

 「怖いなあ」と思うのは、「年金関係の書類」とか「税金関係の書類」とか、重要な郵便物でも誤配が多いということ。まあ、郵便局にとっては、「年金関係」であろうと、「パチンコ屋の宣伝DM」であろうと関係ないのでしょうが、個人情報満載の重要書類が誤配されるというのはとても恐ろしいです。だって、全くの他人が、その郵便物を開封してしまうことも可能性としてあるわけですし、「うちのじゃねえや」と捨ててしまうこともあるでしょう。実際、間違えて開封してしまったのでしょう、その状態で、管理室カウンターに置かれていることもあります。

 昨日、1月4日の初出勤時には、年賀状の誤配がどっさりありました。年賀状って、今は、みなさんワープロなどできれいに宛名を印刷しますから、読み間違いとかないんですけどね。(もちろん、一部には、部屋番号の印刷間違いとかもあります。これは、差出人のミスであって、配達人を責められませんが、ベテランの配達人であれば、そのミスにも気がついて正しいあて先に届けるものです。でも、そういう人は今はいませんね)

 このマンションは、大きなマンションのため、「高橋さんが6世帯ある」とか、「夫婦別姓でややこしい」とか「狭い部屋に3家族が同居している」とか、郵便屋さんに同情すべき、間違いやすい要因はあるんですが、1回目はいいとしても、そういう間違いを繰り返すのはよくありません。「また、同じ間違いをしたじゃないか! ちゃんと覚えてくれ」と苦情をいう場合もあります。


 まあ、とにかく、小泉改革で民営化してから、「接客態度は良くなったが、配達品質自体は落ちた」と感じられます。「どうして、こんなに誤配が多いのか?」調べてみたら、興味深いHPを発見しました。

 http://home.f08.itscom.net/himitu-c/t003.htm


このHPの「52 誤配のシステム」というページを読むとよく理解できます。なんか、「構造的欠陥」のように思えます。
「国営企業であること」と「急変的な民営化」の両方の悪いことが相乗的に作用して、誤配が増えているような気がします。

このページは民営化前に書かれたようですが、このページ内の要因にプラスして、今は、「人件費圧縮のため、人的資源の質が落ちている。ミスを防ぐチェック体制にあてる予算がない」といった民営化ゆえの要因が加わり、ますます、誤配が増えているようです。、

ところで、このページの記述の中で気になったことが。

マンションで表札を出さない人が増えたことが悪い。

というもの。
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誤配の苦情は大半はそうした表札も出さない所からくる。誰が名前の知らない人物の名を呼べるでしょうか。表札とは番地とともに最も有効な目印であり、私に いわせると、表札を出さない場合には年間いくらかの手間賃、特別料金を取ってもいいとさえ思え、それくらい重要なものなのです。それが自由というものを明 らかに履き違えた人達が自分の主張だけをすることが多くなり、自分で自分の首を絞めているも同然なのです。
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と、作者は主張しています。これには全面的に賛成です。私に言わせると、「名前を出さない人間には、誤配の苦情を言う権利はない」「誤配の郵便物の後処理を管理人に押し付ける権利もない」と思います。

 ほんと、この問題に関しては、「年々、名前を出さない部屋が増えている」ということを実感しており、それゆえのトラブルも多数経験しています。郵便だけでなく、宅配便やら、来訪者やら、・・・ いろいろな人が困っています。そして、「困ったら管理人へ」ということで、我々がとばっちりを食っています。管理人としても、「トラブルの元ですから、みなさん、名前を書いてください」とお願いしていますが、従う人などいません。組合に対しても、「管理組合として動かないと、みんな名前を隠す人ばかりになりますよ」と要望しても、「名前を出さないのは自由だ」とか言い出す役員が必ずいて、何もしてくれません。

上記HPの作者は、
「郵政は誤配多発のシステムを自ら作り上げたと同時に、その一要因となっている表札対策さえも怠ってきた」とも書いています。
 そう、管理人が動くだけでなく、郵便局自体も、もっと積極的に、「名前を出しましょう」と活動すべきなんです。しかし、何もしない。面倒なことは管理人に任せて。、自分たちはせっせと誤配を増やすだけ。何をしてるのか?

 亀井静香も「郵政担当大臣」であれば、「国民のみなさん、表札をきちんと出しましょう」と訴えるべきなんです。それが、郵便配達にとって一番大事なことなんですから。そんなこともわからないで、民主党の足を引っ張っているだけでは、「あんた、郵政に関してど素人だろ」と私から指摘させてもらいます。
「オレオレ詐欺のグループが、マンションの一室を借りて犯罪行為を繰り返す」ということも言われていますが、これも、「表札を出さないでいいから」という面があります。警察も、本気で犯罪を減らしたいのであれば、表札対策に取り組むべきなんです。

 そんなこんなで、「他のマンションはどうなんだろう?」とちょっと調べてみたら、うちのように悩んでいる人も多かったですが、「ポストに名前を書かない部屋のところは、俺が勝手にポストに名前を書いてしまうよ。だって、名前がないと大勢の人が困るだろ?」という人もいました。これくらいの大胆さ、私も欲しいなあ。


 ただ、性犯罪とかの場合は、表札がないほうが良かったりして、難しい問題です。当マンションの若い女性単身住民の中には、苗字は正しいのですが、わざとフルネームで架空の男性名を書いて、「夫婦者」を装って、護身している人もいます。



2010/1