管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

爆発 火災 ゴミ収集車 危険物あれこれ




ライターで火遊びする管理人??


 今朝の「みのもんたの朝ズバ!」で、「ごみ収集車の火災事故」の特集がありました。全国で、「年間に600件以上」発生しているそうです。
 その原因は、「中身が残ったまま捨てられた 使い捨てライター」「カセットコンロのボンベ」「化粧品のスプレー」などだそうです。

 収集車両が燃えるだけでなく、ゴミ処理施設の中で火災が起きたり、非常に危険な話でした。そのゴミ処理施設は操業を停止し、施設の復旧工事のために2億円かかったそうです。105円で買える、たった1個の「使い捨てライター」を、ちゃんと分別しないでゴミに出してしまったために、2億円が消えました。


 さて、危険といえば、「戦場カメラマン」。これも危険な仕事です。もはや、「戦場カメラマン」という「芸名」の「ピン芸人」として認知されている渡辺陽一さん。「彼はいったい、何者なんだ? カメラマンって、本当なの? マンション管理人だって、毎日、デジカメで記録を残しているから、いわば、プロカメラマンだよ、自称だけど」とか思ってたんですが、先日、彼の新作写真集が図書館に並んでいて、拝見させていただきました。

 われわれ、ベトナム戦争世代で、悲惨な写真をたくさん見た人間から正直言わせてもらうと、「戦場そのものではなく、戦場周辺の、市民の生活を撮影したもの」という感じでした。「毎日、兵士と同じように、いつ死ぬかわからない、ロシアンルーレットのような生活」というよりは、ちょっと、少し安全な場所に後ろに引いたような撮影スタイルのように感じました。もちろん、戦争の当事国は、国全体が戦場であり、安全な場所などないでしょうが。
 麻木久仁子さん騒動の、詐欺まがいの名前の通信社を経営している山路氏同様、「なんか、まゆつばだなあ」と感じました。

 さて、また、マンション管理の「危険」に戻りますが、私も実際のところ、「ゴミ収集車から煙が出ている場面」「走行中のゴミ収集車の中で爆発が起きた場面」に遭遇したことがあります。爆発といっても、車全体がふっとんだとか、映画「ダイハード」みたいなことではなく、収集部分の中で、スプレー缶かなにかが破裂して、大きな音が炸裂したというだけなんですが。でも、危険は危険です。

 マンション管理の最前線にいるわれわれ管理人は、ゴミ問題には頭を悩ませます。特に、今回の話題のような危険物は大変です。とにかく、分別方法がややこしいですから、間違えて出す人が多いです。気がついたものは、それを全部再分別します。でも、「透明な袋を使用すること」を守らない住民が多く、外から見えないものも多く、管理人の目から逃れて、ゴミ収集車の中に入ってしまい、車内で爆発するケースもあとを絶ちません。

 ライターやボンベ類は、「中身を全部使い切ってから、ゴミとして出すこと」という決まりですが、そんなの守るわけないじゃないですか? 中身の残ったものがバンバン捨てられています。特に、「タバコが値上がりしたから、これを機会に禁煙しよう。ライターも捨ててしまえ」なんていう人は、ガスが残ったまま捨てます。

 そこで、管理人としては、中身が残ったガスライターがゴミとして出された場合、管理室に持ち帰って、デスクにいる暇な時間を利用して、タバコは吸わないのに、ライターに火をつけ、中身を使い切っています。はたから見ると、「管理人が火遊びしている」ように見える異様な光景です。今のような冬場は「暖房効果」が少しありますが。

 また、中身の残ったカセットコンロのボンベに関しては、以前捨てられたカセットコンロ本体を拾って、管理室の中に置き、そのボンベとして使っています。お茶を飲むときのお湯を沸かすのに使用しています。ですから、管理室を訪れた人は「あれ、湯沸しポットがあるのに、なんで、カセットコンロで薬缶でお湯を沸かすの?」と不思議に思いますが、理由は、「燃料を使い切って、安全にしてから、ゴミに出すため」なんです。


 こんな苦労をしているなんて、住民も組合理事長も管理会社のフロントもマンション管理士も、誰も知らないだろうなあ。やっぱり、マンション管理の実態は管理人が一番知ってます。


 ところで、朝ズバのニュースを見て思いましたが、今はどこの自治体でもごみ収集を民間委託してるんですねえ。大変だなあ。




2011/1