管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

専門用語解説シリーズ  「げんちょう」とは?




この業界というか、「工事関係の業界」とでもいいますか、その中でよく使われる専門用語にげんちょうという言葉があります。
「明日、げんちょうにいきますので、よろしく」
「げんちょうの結果、よくわかりました」
とか、使います。

最初、「幻聴?」とか思ったんですが、実際は
現地調査」の略で、「現調という漢字でした。
要するに、「現場の下見」ってことです。(外務大臣の玄葉は現地を見に行かないですが)

うちのマンションのように、老朽化したところでは、工事が多いため、しょっちゅう「げんちょう」が行なわれます。

この「現調」なんですが、「わざわざせっかく来たんだから、もっとちゃんと調べろよ」と思うことがよくあります。
調査員は、工事本体の仕事の内容に関することはしっかり見るんですが、付帯的なことを見ていかないんです。

「工事用の車両をどこにとめたらいいのか?」
「工事用資材はどこからどのように運び入れるか?」
「工事用資材を保管しておく場所はあるか?」
「発電機はどこに置いたらいいのか?」
「作業員が用便するトイレはあるのか?」
「水は使えるか?」「電気は使えるか?」
「管理人の執務時間・曜日はどうなっているか?」
「エレベーターが点検で使えなくなる日があるか?」
「掲示板はどこに、どのくらいの大きさのものがあるのか?」
「予告掲示物にはどんな内容のことを書けばいいか?」
「その日に、近隣でなにか行事はないか?」(神社の祭礼とかがあると周辺が通行止めになったりすることもあるため)
などなど。

こういう大事なことがいろいろあるんですが、そういうのを「現調」でチェックする人がほとんどいません。
たいてい、工事の当日になって、「どこからトラックを入れればいいでしょうか?」「管理人室のトイレってお借りできますか?」「管理人さんは夕方は何時まで勤務ですか?」「え? 電源使えないんですか? どうしよう?」・・・という質問やら調整の「松潤 大野 相葉 櫻井 二宮」いや「嵐」。
事前に調べておいて、それにあわせた準備をしておけば簡単なのに。でも、やらないんだよな。だから、工事初日にあれこれ混乱して、工事が遅れることがよくあるんです。

せっかく、現調に来るのなら、そこまでやりましょうよ。

私がもし、工事業者で、マンション関係の工事をするのなら、郵便の集合ポストの大きさまで調べて、「このポストだと、角2の封筒は投函できないなあ。配布物を作るときはB5のほうがいいかも?」なんてところまで調べると思いますよ。

あ、それから。「現地調査に来た人間が、工事当日には来ない」ってのがよくあります。つまり、「調べるだけの人間」ということ。これも困るんだよねえ。実際に工事する人間が現場を見てないと。





2012/8