管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
「こども110番の家」 登録したマンション |
日本全国で行なわれている「こども110番の家」の制度。
もちろん、当地域でもやってます。商店とか、「日中在宅している確率の高い」民家とか。子供が、なにか緊急事態にあった際に、「避難」したり、「逃げ込む」ための施設として、登録されています。そして、上記のようなステッカーが貼ってあります。
最近は、「管理人が日中常駐しているから」ということで、「マンション」を登録させる動きがあるようです。どうも、地元の自治会組織が積極的なようです。
そういうわけで、近所のAマンションにも、このステッカーが貼られました。
でも。私もそのマンションを知ってますけど、ここ、オートロック方式ですよ。そして、ここのマンションの管理会社は、「管理人は掃除だけやっていればいい。常に掃除をしていろ」という指導方針なので、管理人は、ほとんど、管理室の中にはいません。常に、マンション内のどこかで掃除をしています。要するに「ほとんど留守」なんです。
これじゃ、子供が暴漢に襲われて、逃げてきて、「あ、ここに、こども110番のステッカーがある。このマンションに逃げ込もう」と思ってやってきても、「うわあ。オートロックのドアがあかない。管理人さんはいないみたいだ、どうしよう」と、ジタバタしている間に、暴漢に追いつかれて、刺されて死亡、ってことになるんじゃないでしょうか?
実際のところ、ここの管理組合の理事長が、地元自治会の会長に頼まれて、勝手に登録だけしたみたいです。まあ、こういう施策は、反対する人もいないから、理事会でも認められ、管理会社も管理人も、本当はそんなこと嫌だけど、頼まれれば断るわけにもいかないので、仕方なく受諾した、ってのが真実で。管理人としては、特になにか、受け入れ態勢を整えているわけでもなく。まあ、こういう、「管理組合は何もしない」「管理組合の自己満足だけ」っていう無責任なケースはよくある話です。
続いて、同じく、「こども110番の家」に登録したBマンションの話。
先日、地元の小学校が、「自分の地域の、”こども110番の家”を覚えるため」に、「こども110番の家 ウォークラリー」というのをやりました。その際に、このBマンションも、「チェックポイントのひとつ」にされたらしく。
要するに、管理室に誰かが常駐し、次々にやってくる子供たちの相手をして、そして、全員のポイントカードにスタンプを押す仕事なんです。これが、土曜日だったらしく、通常は、管理人業務は土曜日は休みなので、特別に、管理人が休日出勤して対応したらしいです。こういうのって、普通は、管理組合の役員がやるものですよねえ。だいたい、通常は土曜日休業の管理室なのに、それを特別に開けて応対するってのは、実際に、土曜日に、なんか緊急事態が起きて、子供が、「あ、この前のウォークラリーで行ったマンションが近くにあるから、そこに逃げ込もう!」と思って飛び込んでも、管理人はいないんですよねえ。意味ないんじゃないかな? (「管理人だったら、管理組合が命令すれば、1日中、スタンプ押しをしてくれるだろう。だから、あのマンションをチェックポイントにしよう」っていう、安易な考えなんじゃないかな? ある種の、パワハラだね))
さらに続いて、同じく、「こども110番の家」に登録したCマンションの話。
このマンションは、すぐそばに児童公園があります。ある日、子供(このマンションの住民ではない)がこのマンションを訪れ、「すいません、緊急事態なんです。管理人室に入れてください」と言って来ました。管理人がオートロックを解除して、中に入れてあげました。「どうしたの? 何があったの?」「あの、大変なんです。もれそうなんです! トイレ貸してください!」と言って、管理室の中のトイレに飛び込みました。まあ、たしかに、「漏れそう」ってのも、一種の緊急事態ですけどね。
その後、この子供から聞いたのか、別の子供も、「緊急事態なんです!」と言って、このマンションの管理室にトイレを借りに来るようになったそうです。公園(ここはトイレがない)のそばのマンションですからね。こうなるのは当然でしょう。管理人も大変だ。一人に貸してしまえば、別の子に「君には貸さない」とは言えないからなあ。毎日、4〜5人来るらしいです。
なお、このマンションでは、「緊急事態なんです」と飛び込んできた子供が、「お腹が減って死にそうなんです」と、管理人の私物のオヤツをたかることもあるそうです。
「お菓子をくれたお礼に管理人さんの肩を揉んであげるよ」なんて言う子供、いるわけない。
また、このマンションでは、「公園でカクレンボをして遊んでいる子供」が、「ここに隠れさせて」と入ってくることもあるそうで・・・ ご愁傷様です。
さらに続いて、同じく、「こども110番の家」に登録したDマンションの話。ここは、すぐ近くにパチンコ屋があります。どうやら、親がパチンコをしている間の「託児所」代わりに、このマンションの管理室が使われているようです。「すいません。緊急事態で、私だけちょっと行かないといけないんです。すぐに戻りますから、その間、この子を預かってくれませんか?」と、小さな子供を無理やり預けていく親が、たくさんいるそうです。そこの管理人も対処に困って、「こども110番の家は、そういう目的で使うものではありませんよ」とたしなめたら、「何かあったら、すぐに駆け込んで」って書いてあるじゃないか!、と難癖つけて、逆キレしたそうで。大変だなあ。
今までは、マンション在住ではない子供の話をしましたが、在住の子供の場合もあります。「お母さんが用事から帰ってくるのが遅くなって、僕は、部屋の鍵を持ってないから、部屋に入れない。管理室の中に入れてくれる?」(真夏で、屋外にいるのは大変な時期の話)と、母親が帰宅するまで3時間ほど、子供を管理室の中に入れていたこともあるそうです。
これは、うちのマンションでもあるなあ。でも、うちの場合は、管理室じゃなくて、集会室の中に入れちゃうなあ。
そんなこんなで、民度の低い当地域で「こども110番の家」に登録しているマンションは、どこも大変なようで、管理人が悲鳴をあげています。よかった、うちのマンションは登録しないでいてくれて。(役員が怠け者なので、自治会の会合に出席しないんです)
というわけで、もし、マンションを「子供110番の家」に登録するのであれば、管理会社や管理人に押し付けないで下さい。管理組合の役員さんたちで、ちゃんと対応してください。もし、管理会社にやらせたいのなら、それ相応の契約改訂を行って、当然、管理委託費も値上げすべきだと思います。
http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/es/kohoku/00/security/kodomo110/110top.html
子供110番の家とマンションの関係を調べていたら、上記サイトを発見しました。これを見ると、「マンションでも子供110番の家に登録できるのか?」という質問に対して、学校側が安易に「管理人室などにお願いする」と回答しています。まったく、公務員ってのは、何も考えずに、適当なことを言うよねええ。(はるな愛口調で)
管理人に押し付けることを行政側が勧奨するんじゃないよ! アホ。
ところで、この制度、ちゃんと、受け入れ側の施設の審査とかやってるのかな? 「子供110番の家」の看板を掲げている民家の住民が、実は児童異常性愛者だった、なんてニュース、この前あったよねえ。そんな変態の家に飛び込んだら、まさしく、「飛んで火にいる・・」になっちゃうよ。
地元の名士的な家も、これになっていることが多いですが、地方都市の「地元の名士」の家の子供って、けっこう、「ヤンキー率」が高く、この町の「子供110番の家」のAさんの家も、長男が暴走族で、そんな家に飛び込んでもはたして助けてくれるのかな?