管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

管理人は物々交換屋か? (これも一種の高齢化の影響かも)



マッサージチェア、いりませんか?

このマンションは高齢者が多い。
高齢者は総じて、「もったいない思考」が強い。
だから、高齢者は物を捨てられない。
そして、高齢者は「ケチ」である。わずかな「粗大ゴミ処理費用」(100円〜500円程度)を出したくないため、処分できない。

そういうわけで、管理人室には、物を捨てられない居住者から、「管理人さん、これ、使ってくれない?」という依頼が多く寄せられます。特に、年末の大掃除の時なんか、いろんなものが来ます。

「電気ストーブ」
「期限切れのカップめんとか缶詰」
「腐りかけのリンゴ」(箱で送ってきたが食べ切れなかった)
「期限切れのシップ薬」
「10年前に買ったシャンプー」
「脚立とか、日曜大工用具」(年をとって作業できなくなった?)
「切れ味が悪くなったノコギリ」(「研げば使えるよ」とのこと)
「冬用の自動車のタイヤ」(スキーにでかける元気がなくなった)
「郵便番号が5ケタの頃の古い封筒」
「高枝切りバサミ」(マンション内で用途はないはずだが、通販テレビを見て、勢いで買ってしまった?)
「キャンプ用品」(キャンプに出かける元気がなくなった。リストラされて車を手放し、キャンプどころじゃなくなった)
「回転が遅くなった扇風機」(本人曰く、「まだ使えるよ」ってことらしい)
「結婚式の引き出物の置時計」(じゃまだから捨てたいけど、引き出物を捨てるのは気が引ける、という心理)
「同様のお皿とか食器類」
「クリーニング屋でくれる針金ハンガー100本」
「観光地のペナント」(「思い出があるので捨てられない」とのこと)
などなど。ほんといろいろあります。

特に、通販なんかで売られる「健康器具」に関しては、ほんと、たくさん持ってこられる。腹筋の機械とか、ツイストする奴とか、足を開いたり閉じたりする奴とか、・・・。
「乗馬式健康器具」(松下のジョーバじゃなくて、安物のばったもん)なんかも。はては、大きな電動マッサージチェアを持ってきた人もいます。

鋭い読者の中には、「そういうのだったら、衣類も多いんじゃない?」とつっこまれる方がいると思うが、衣類に関しては自治体が「ファイバーリサイクル」(貧困地域に送るらしい)をやっているので、そっちに出してもらっています。

さて、私も「もったいない世代」なので、管理人室で使えるものに関してはありがたくいただいて使わせてもらっています。ただ、全部、引き取るわけにはいかないため、

「マンションの玄関ホールに、<ご自由にお持ちください>って書いた紙を張って、しばらく、置いておきましょうか?」

という手を使います。
もちろん、「引き取り手がありそうなもの」限定で、絶対に無理なものは、ご自分で持ち帰ってもらいますし、「賞味期限切れ食品」なんかは、「腹壊しても責任はとらないよ」と、ホームレス君にあげたりしています。

 玄関ホールに置いておく作戦は、けっこう有効で、たいてい、2〜3日のうちになくなります。こうやって、貴重な資源が有効活用されていくわけです。

ただ。困ったことがありまして。

というのも、この措置はあくまでも、最初に、「管理人のフィルター」(マンションの美観のことも考えて、汚いものは置かないようにしているし)を通ったものだけを置いているわけですが、こういうのを見た住民が、自分の独断で、「こうやって、物を勝手に置いていいんだ」と思って、まねをして、好き勝手に置く人が出てくるんです。

そうすると、「昨日、家族で芋ほりに行ってきたので、おすそ分けです」と紙に書かれて、玄関ホールに新聞紙が広げられ、その上に、泥だらけのさつま芋がいっぱい置かれていたりすることがあります。好きな人はそれを持っていくんですが、持ち去る際に、泥があちこちに落ちて、そのあとの掃除が大変だったりします。そういうことまで考える頭がないんですよねえ。住民には・・・・ トホホ。

 それから、面倒なのが、「もらってばかりで悪いから、私も持ってきた」と、廃品を持ち帰っていった住民が、新たに、自分のところから、別の「廃品」を持ってくることがあるのです。こういうのも、高齢者らしい発想です。
「管理人は物々交換屋なのか?」と、ぼやきたくなります。ブツブツ・・・・・



2012/11