管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
防災備蓄に関する問い合わせ |
うちでは現在、2つの部屋が「売買」状態で空室になっています。
おそらく、その部屋の購入を検討している客から、仲介不動産業者への質問なんだと思いますが、さきほど、「四井のリハウス」さんから、こんな電話がありました。
「そちらのマンションには、防災用備蓄倉庫のようなものはありますか? もし、ある場合、中にはどんなものがどれくらい入っていますか?」
こういう問い合わせって、ありそうなもので、実はなく、今回が初めてで、ちょっとびっくりしました。
とはいえ、防災に関することは頭に入っていますから、「倉庫はありません。食料や水もありません。でも、水道の貯水タンクはあり、**+立米の水があります。・・・・・」と、すらすらと説明しました。
普通の管理人であれば、「そんなこと聞くなよ。めんどくさいなあ」ってところでしょうが、マンション購入を検討している人が、こういうことにも関心を持ってくれるのはうれしいと思います。ですから、よそのマンションでも、そういう問い合わせがあったら、管理人がすぐにすらすらと暗唱して答えることができるような、もしくは、1枚の紙に全容をまとめておいて、それをFAXすれば、簡単に説明できるような、そんな体制を作っておいて欲しいと思います。
さて、この機会に、私の個人的な「防災用品」「備蓄」に関する基本的な考えを説明しておこうと思います。
まず、「食料」「水」「紙おむつ」「ティッシュ」などの、生活必需品ですが、こういうのは、管理組合で用意するのではなく、「各家庭で備蓄しておくもの」と考えます。「管理組合がそこまでやる必要はない」っていう意味と「現実問題、そんな大量のものを保管しておく場所がない」「古くなったものを更新するなどの管理が大変」という両方の意味があります。
食料なんかは好き嫌いもありますし、「歯の悪い高齢者は固い乾パンなんか食べられない」なんて事情もありますし、ですから、各家庭で、その家族に適したものを自分で買い揃えておくほうがいいと思います。具体的には、保存食や飲料水などを、多めに購入して、家庭内でストックしておき、「1週間程度ならなんとか生きていける」という状態にするのです。「防災用品」というと、高価ですし、食べにくかったり、まずかったりします。「長期間保存可能」というものを買うのではなく、普通に「ボンカレー」とか「カップ麺」とか「さとうのご飯」とか、自分が日常食べているもの、普通のスーパーで売っているものを、多めに買っておいて、それを常に食べながら、同時に新しいものに取り替えていけばいいわけで、「10年間保存可能」なんてものは不要だと思います。
また、食べ物ではないですが、あれこれといろいろ使える「ゴミ袋」や「軍手」なんかも、常に多めに買ってストックしておくといいでしょう。
管理組合で買って置くべき物は、「普通は使わない特別な道具」「個人で買うには高価なもの」です。
「発電機」(燃料で動く大きなもの & 手回しで携帯とかを充電できるもの)
「担架」
「トランシーバー」
「拡声器」
「バール」「スコップ」
「マンホールトイレを設営するための道具一式」
「リヤカー」
上記のようなもの以外にも、「安否確認ステッカー」なんかも管理組合で保管しておくものです。http://www.magnetsheet.net/lineup/resc-seal.html
それから、「物」だけでなく「情報」も大事です。
「マンションの住民のリスト」とか「住民の緊急時連絡先リスト」とか「エレベーター会社の電話番号」とか「避難先となる学校の電話番号」とか「近隣のホームセンターのリスト」とか「近隣のガソリンスタンドのリスト」・・・ いろんなものがあるといいと思います。
また、緊急時は「人材」というのも大事になりますから、「112号室のAさんは、もともと大工だったので、そういう知識も道具もある」「222号室のBさんはもと水道屋だった」「301号室のCさんの奥さんは、もと看護婦」「509号室のDさんはキャンプ好きで、バーナーとか持っている」なんていう「住民の特技」のようなものの情報も有益です。
個人情報保護の観点から難しいかもしれませんが、できれば、そういう情報を全部、一冊のファイルにすべてまとめて、「緊急時は、管理室や集会室から、この一冊だけを持ってくれば、管理人不在時でも大丈夫」とかにしておくといいと思います。
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