管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

「ミス」は隠さずに伝え、謝る





  2016/11




東京電力とか、横浜市の教育委員会とか、三菱自動車とか・・・・ いろんな「悪いヤツ」がいますが、それに共通するのが
「都合の悪いことを隠す」ということ。
しかし、「隠したこと」で、逆に傷口が広がってしまうケースがほとんどです。

正直、昔は、私も隠しました。ただ、今は、社会的に最下層の人間ですし、いまさら、なくす名誉も地位もないですし、かっこつけることもありません。なので、私の「思想」としては「先に謝ったほうが勝ち」と思ってます。

さて、管理人業をやっていると、いろいろと「隠さないとまずい」というものが出てきます。

これが顕著なのが、「デベロッパーの子会社である管理会社に所属する管理人」でして。
最前線で管理にあたっていると、デベロッパーの悪いところがたくさんわかってきます。「この建物は設計からしておかしい」とか「施工が手抜き」とか「分譲時に営業マンがウソを言っていた」・・・ 分譲会社の悪いところが次々に判明します。こういう時に、直系子会社の管理会社だと、「都合の悪いことは隠さないといけない」わけでして。
なにしろ、マンション業界って、同じ系列でも、「分譲会社のほうが、管理会社よりも立場が上」という身分になってまして、管理会社が、「親会社である分譲会社」に楯突くことはできないのです。人事の面でも、「分譲会社から左遷された人間が、管理会社の支店長になってる」なんてことはよくあります。左遷先なので、一生懸命働くこともしないし、親会社に逆らうこともありません。だから、管理会社ってダメな会社なんです。

実際、私が居住するマンションでも、分譲会社の系列の管理会社が管理していましたが、「管理委託費はぼったくり」だし、私が理事長になって調べたら、「都合の悪いことを隠しまくっていた」ってこともわかりました。ほんと、ひどいもんでした。

普通、「分譲会社の直系の管理会社なので安心です」という謳い文句をよく聞きますが、私からすると、「逆に不安です」って言います。ですから、「直系」「ぼったくり価格」「ろくな仕事はしていない」「視点の先は、マンション住民じゃなくて、親会社」(これ、理事長の妻さんのブログに出てくる管理会社Gライフ社と同じ病状)という管理会社はさっさとリプレイス(会社変更)したほうがいいと思います。

さて、うちみたいに、分譲会社とは何の関係もない、独立系の管理会社というのは、分譲会社とか建設会社の批判とかは全然問題なくできます。これはいいことですが、長年管理していると、いろいろな「修繕」とかもやるようになり、その時は、「管理会社が元請け」となってやることが多いです。となると、こういう「管理会社が請けた工事」で、なにか不具合が起きたときには、やっぱり、「隠そうとする」性質があります。
うちのフロント君も、「ばれなきゃいいんだよ。隠し通そう」って、よく言ってます。私も、その気持はじゅうじゅう理解できるのですが、こういうことって、「あとでバレる」「いつかはバレる」ものでして。特に、その「ミス」によって、なんらかの影響が出たもの、というのはあとで必ず露見します。
その、「あと」というのが、「当時のフロントがまだそのまま担当している時」であれば、その当人が謝ればいいですが、代替わりして、次のフロントになっていたりすると、そのフロント君は、「自分のミスではないのに、前任者のせいで謝罪しないといけない。尻拭いしないといけない」となるわけで、これは理不尽です。後任者に迷惑をかけないためにも、その当事者が、その時に、謝って、問題を解決しておかないといけないのです。

なので、私は、何か管理会社のやったことでミスがあると隠さずにすぐに謝ってしまいます。(もちろん、私自身のミスも当然謝ります) これって、「フロント」じゃなくて、まず最初に「管理人が謝る」ってところがちょっと味噌でして。
管理人って、管理会社の人間ではあるものの、「最低賃金で働かされている」「その管理会社に生え抜きで入社したわけではない、いわば、よそ者」という性質が有り、「第三者的」な立場でもあります。だから、自分の中でも「他人事」というイメージがあり、謝ることにそんなに負い目もありません。「ほんと、どうしようもない管理会社で、申し訳ありません」とか平気で言っちゃいます。フロントだと「自分でそんなこと言っちゃだめだろ!」って怒る役員さんもいますが、管理人だと、「ちょっと許される」面もあるかと思います。ですから、謝り役をやらされるのも、不快ではありますが、「絶対に嫌だ」とまではいかないものなのです。

ただ、謝り方もいろいろありまして、まあ、セコイ手ではありますが、「とにかく謝ったという証拠を残すため」に、重大案件がてんこ盛りの日の「理事長宛の日報」の最後のほうに、つけたしみたいに、「すいませんでした」と、そろっと書いてしまうこともあります。

まあ、とにかく、ミスは正直に隠さずに伝えて謝ることです。これが一番大事。  (by 大自慢ブラザースバンド)







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