管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

パニック時は普通の思考ができなくなるもんなんです





「バカじゃないの?」 とか言わないでください


  2018/7



自由飲酒党の大バカどもが宴会をして酔っ払っている間に、西日本は大変なことになりました。政府の後手の対応のため、自衛隊の出動も遅れ、かつ、少なく、そのために多くの国民がなくなりました。もはや、安倍政権はオウム以上の犯罪者集団かもしれません。被害の全容が明らかになるにつれ、本当の大災害だったことがわかってきました。

さて、昨夜のニュースでは、溺れて亡くなった老夫婦の奥さんが、友人の女性に対して、「水かさが増えてきて大変だ。あなたから救助を呼んでくれないか?」と依頼する内容の留守番電話が残されていたことが報道されていました。この電話を受けた女性も被災していましたから、電話がかかってきたことも気が付かなかったそうで、助けられなかったらしいです。

このニュースを聞いて、普通の感覚だと、
「友達に電話するよりも直接110・119通報すればよかったじゃないか?」と思います。でも、人間って、パニックになると、普通の思考ができなくなるもんなんです。

うちのマンションでも、管理室に電話がかかってきて、奥さんの声で、「主人が突然倒れたの。管理人さん、救急車を呼んでください!」と言うことがあります。一刻を争う時なんですから自分で119をしたほうが早いのに。
別の人は、「管理人さん! 119番って、何番?」って聞いてきました。これ、冗談じゃなくて、ほんとの話ですよ。

人間、パニックになると正常な思考ができなくなるもんなんです。

東日本大震災の時、停電になり、テレビが消えました。電池式のラジオを持っている人はいませんでした。また、スマホも普及しておらず、スマホで情報を得ることもできませんでした。電話もほとんど繋がりませんでした。
私としては、「こういう時はNHKのラジオだ」と思って、屋外に避難していた大勢の住民に「誰かラジオを持ってませんか?」って聞きましたが誰も持ってなく・・・・ 東北で大きな地震が起きたということさえわからないでいました。
そんなふうに混乱したまま、30分くらい経過したあと、近くのマンションの住民が、そこの駐車場に止めてある自分の車に乗り込み、車内搭載のテレビを見始めました。そこで、うちの住民も気が付きました。「あ、そうか! 自動車のラジオを聞けば良いんだ! 自動車は停電でも関係ない」ってことにようやく気がついたのです。これまでに何分の無駄な時間を費やしたことか。でも、こんな簡単なことでも、パニック時はわからないのです。

また、以前、マンション内のある部屋で、留守宅の洗濯機の水があふれて、階下の部屋だけでなく、3階下の部屋までびしょ濡れになる、大掛かりな漏水事故が起きました。この部屋の玄関ドアの下からは水が滝のように、廊下側に流れ出していました。
このときも、階下の人だけでなく、大勢の人が漏水箇所の部屋の前の廊下に集まりましたが、その人達は、「ここの住民、留守なのか? 誰か携帯の番号は知らないのか?」「こういう時は管理会社に電話をするんだろ? 何番だ?」「いやいや、こういう時はセコムだよ」とか「いやいや、クラシアンだろ!」とか「警察だろ!」、そんなことしか出てこず、誰一人、「水道の元栓を止めればいいじゃん?」とは言いませんでした。おかげで、2時間くらい、水が出っぱなしでした。

誰か一人でも「元栓」のことを思いつけば、すぐに止められたのに、誰も思いつかなかったのです。住民の民度の低さもありますが、これもやはり、「パニック時の思考停止」によるものではないかと思います。


ですから、「非常時はまともな思考ができなくなる」という前提のもとに、「常日頃訓練をして備える」「マニュアルを作って書面にして、目につく場所に貼っておく」ということが大事なんです。

うちのマンションには、玄関ホールの目立つところに、「漏水時はまず元栓を止める!」と大きく書いて貼ってあります。まるで、「地震だ! まず火を消せ!」みたいに。










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