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マンション管理人は超つらいよ

8003 独立系管理会社で本当に良かった

分譲系管理会社は精神的にしんどいかも?

ギャラリー

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以前、同様のことを書きましたが、「マンションの経年劣化」や「地震などの外的要因」「老朽化がますます進んでいる」状況下、「分譲会社の直系の管理会社でなくて本当に良かった」ということを痛感します。


















当マンションは「分譲デベロッパー」「建築施工会社」「管理会社(分譲会社の直系子会社)」ともに竣工〜入居直後に倒産しています。
倒産したために、うちのような「独立系の管理会社」が入りましたので、分譲会社とは一切関係がありません。
なので、「分譲会社のことを考えて忖度する」といったことはまったく不要です。

ですから、「安倍晋三のことを考えて自殺した」なんていう財務省職員のような悲劇は起きません。


一般的なマンションの場合、分譲会社の直系子会社である管理会社が入るのが普通です。
となると、「分譲会社=親会社」「管理会社=子会社」という関係ですから、分譲会社のほうが立場が上であり、「管理会社が分譲会社を批判する」というのはできません。
例えば、なにかの施工不良があり、それにより居住者が迷惑を被っていても、分譲会社側がそれを隠そうとしていたら、現場管理人がそのことに触れるのは「反逆行為」とされてしまいます。

実際、「言いたいことが言えない」「住民のためになることをしたいのに、実際は住民を裏切っている」という「罪の呵責」に苦しんでいる管理人がいます。

当マンションの場合、「竣工直後に倒産した」という状況であることから、建設時の「手抜き」「施工不良」が多数あります。
「ある部屋には、テレビアンテナの配線が来ておらず、テレビが映らなかった」なんていう信じられない施工不良もありましたが、こういうのは、入居後すぐにわかることなので、なんとか修繕工事が行われ、テレビは映っています。

しかし、「不良」というのは「数年後発現する」というのが多く、例えば、「給水管の施工不良」なんていうのは、分譲会社が倒産してから、ドドドドっと発生し、これは、管理組合の負担で直すしかありません。
この他にも、「10年後に発見された」「20年後に発見された」「40年後に発見された」なんていう不良箇所もあります。
まあ、経年劣化の結果、発現する欠陥箇所もあるので、年数が経過するほどに、増えていくのは道理です。

そういうのが本当に多数あり、これの対応が大変で大変で・・・・ 疲れます。

それでも、「建設時の不良なんですよ。ほんと、困ったもんですねえ」と管理人が口に出せるので、精神的には楽です。これが、「分譲会社の直系の管理会社で、分譲会社の不都合になることは一切言えない」と箝口令がしかれていたら、「施工不良」であってもそうとはいえず、「経年劣化で・・・」とごまかさないといけません。自殺した財務省職員同様、「改ざん」しないといけないわけです。
こういうもののなかには「居住者の個人負担で直してもらう」というものもあり、これはつらいです。当マンションの場合は、不良箇所が専有部分内であっても、これが「建築時の不良工事のせいで起きた」ということがわかれば、管理組合のお金で直していますから、個人負担はありません。(もちろん、管理組合の負担ということは、広義では、相応の個人負担が発生しているわけですが)

東京五輪招致決定後、建築業界は、「資材不足」「人手不足」「優秀な技能を持った職人不足」などにより、施工不良が増えていると、聞いています。そうやって建てられたマンション(横浜の三井のマンションで杭が届いていなかったものとか・・・)の管理人は本当に大変だと思います。

その点では、うちは、大変なことは大変なんですが、「真実を口にできる」というだけでも、精神衛生上、かなり楽で、恵まれている、と思うのです。

これも「独立系管理会社」の良いところのひとつかもしれません。