管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

慢心するマンション管理士 管理会社と癒着?

2019/5

何事も長年やってると緩んできます






そのマンション管理士さんはゴルフをするときには「マンシングウェア」を着ているそうです。(嘘)

あるところの某マンションのお話。

6年前の理事長ががんばる人で、「マンション管理士を招聘し、顧問契約を結び、その管理士といっしょにいろいろな改善策をがんばった」そうです。それで、一時的に管理の質も向上したわけですが・・・・・

「1年任期 総員入れ替えの輪番制」のため、その「熱心な理事長」は次年度にはいなくなりました。その後の理事長はいずれも「じゃんけんで負けたから理事長を仕方なく引き受けた」という「やる気のない人」で・・・・ 

いい太鼓も叩かないと鳴りません。

理事長がやる気がない人だと、そのマンション管理士も手を抜き始めたようです。そして、「変化を求めない」住民の志向で、ほぼ自動的に「マンション管理士顧問契約」は毎年賛成多数で可決され、管理士さんはたいした仕事をしなくても、ご安泰です。

以前は、管理会社フロントの言うことに対して、「それは違う」「そうじゃなくてこうしたほうがいい」と意見を言っていたのに、今は、「それでいいと思います」と賛同することしかしないそうです。

本来、管理会社に対して「監視」すべき立場のはずが、いつのまにか「仲間」になってしまったようで、毎回の理事会では、フロントと仲良くやっているようです。

仲がいいのに越したことはないでしょうが、「馴れ合い」というのはいけないと思います。まあ、人間、「情」というのがありますので、何度も顔を合わせていると、そうなってしまうのは仕方ない面はありますが・・・・

今は、理事会の会場に先に行って、フロントと管理士で事前打ち合わせをして、すり合わせをしているそうです。

おまけに、私らからすると「そんなに早く更新しなくてもいいんじゃない?」と思われる「某設備の交換工事」なんかも、管理会社の後押しをして「やったほうがいいと思います」とかアドバイスしているようで。

これ、もしかして、管理会社側から、「この工事が受注できたら、管理士さんにもバックマージン支払いますから、援護射撃してくださいよ」って言ってる気がします。

こういった面だけでなく、管理士を招聘した理事長が最も力を入れていた「広報活動」「理事会でやっていることをみんなに伝える」ということもないがしろにしているようで。
そのマンションでは、管理士を招聘した理事長の発案で、理事会開催後に、理事会議事録ではない「壁新聞」のような広報誌を毎回、掲示&全居住者に配布しているのですが、その内容が以前と全然違うのです。

以前は、「こういう質問が居住者から来たので、こういう調査をして、理事会でこういう意見が出て話し合って、こういう結論にしました」といった経緯が書かれていたのに、今の壁新聞は、「駐輪場に関して話し合いました」「自動ドアの故障について話し合いました」くらいの箇条書き数行でおしまいになっています。どういう結論になったのかも書かれていません。
普通のマンション管理士であったら、「そんな内容ではだめですよ」とアドバイスするはずですが、何もしていないそうです。

ある大事な案件で「アンケート」を実施したそうですが、そのアンケートも「現状がどうなっていて、こういう意見が出たので調べることにしました」といった、アンケート実施の理由も書かれておらず、質問項目も意味不明なものが多く、全部選択式で意見を書かせる欄もなく・・・・ おまけに「アンケート結果の発表」もなく、そして、何の告知もないままに、その「重大案件」が総会議案書に乗っていたのです。
議案書に乗ってるということは、「このマンションではそのことを実施することにした」ってわけで。でも、その内容を事前に提示して、それに関する意見を組合員から拝聴する機会も設けていません。何より、その案件は「一部の住民に関して多大な影響があるもの」なのに、その住民に何も伝えていなかったのです。

規約の変更も伴うもののため「特別決議議案」になり、総会の場では、出席者の一部から、「何の事前相談もなく、いきなり議案になっているって、どういうことだ!」「マンション管理士が顧問をしているのに、このやり方は乱暴だ」って意見が出て、事前に提出されている議決権行使書でも、賛成か反対か、判断するための材料もないため、無回答の人も多く、結局、4分の3の賛成は得られず否決され・・・・ そんな騒動があって、初めて、「あのマンション管理士、だめじゃない?」って疑問を多くの組合員が持つようになって、私のところに相談が来た次第です。

この管理士さん、すべてにおいて、舐めてたのかもしれませんね。
ほぼ、自動的更新になり、顧問料は安定して入るようになり、管理会社とはなあなあの関係になり、面倒な仕事はせず、一般組合員には何も伝えず、理事会で勝手に決めれば、無関心住民はなんでも従うと思ってたんでしょう。

とにかく、「マンション管理は広報が肝心」を座右の銘とする私としては、「広報を手抜きするようになった」というのが最悪だと思います。

理事会さん、お金を払って顧問を雇っているのなら、管理士の働き具合の査定もちゃんとやって、「自動的に更新」とかせず、緊張感をもたせるようにしないとだめですよ。


淀む水には芥溜まる