管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

チャッチャマンが
総会をめちゃくちゃに

2020/5





 昔、「科学忍者隊ガッチャマン」というアニメがありました。

それをパクって「チャッカマン」というライターも発明されました。

そして、その流れ? で、マンションの定期総会で「茶々を入れる」ことに生きがいを感じる、困った組合員のことを、業界内で
「チャッチャマン」と呼んでいます。

当HPの中によく登場する「あいみつくん」も、「チャッチャマン」の中の1隊員と言えるでしょう。

さて、今年(2020年)の日本のマンションの定期総会ですが、コロナのために、
「延期」
「出席人数を最小限にして開催」
「ごく短時間で終了」
「開催場所を変える」
といった対応をしています。

こうなると、チャッチャマンにとっては、
「年に一度、自分が活躍できる場が失われてしまう」
「生き甲斐を奪われる」
いうことになるわけで、当人にとっては死活問題になります。

というわけで、某マンションで起きたお話をお伝えします。

このマンションでは、当HPの愛読者さんが理事長をしており、当HPを参考に、日頃から広報に非常に力を入れており、また、理事会で独裁的にものごとを決めるということはせず、なにかを決める際は必ず、事前に広報誌で「理事会ではこういうふうにしようと思っていますが、皆さんはどうお考えですが?意見のある方は、投稿用紙または電子メールで管理組合あてにお寄せください。もし、異論がない場合は、賛同を得たと考えて、理事会のほうで決めさせていただきます」と書いて、反対者には説得をし、良いアイデアがあればそれを採用し、そうやって民主的に組合運営を進めてきました。

5月に開催予定の総会における「議案」も、何か月も前から、「こういうのを総会議案にしようと思っています。ご意見はありますか?」と声をかけていました。そして、そういう意見のもとになる、資料も隠さずにすべて組合員に公開していたそうです。(見積書なども全部公開)

しかし、「みんなの前で目立ちたい」というチャッチャマンの人間は、この時点では何も意見も質問もしませんでした。

ここまで「開かれた」理事会運営をしていれば、5月の総会は、「良い意味でのシャンシャン総会」(=議論はなく、すぐに賛否を問い、ささっと議事を進行していく)で済むはずです。

そう考えて、「緊急事態宣言」の状況下で開催するために、「総会に出席するのは、原則的に役員3名だけとします(※議事録の署名に必要な3名という意味の最小限の人数)」「一般組合員の出席は自粛してください」「議決権行使書を出して、書面での出席としてください」「換気を考え、総会は集会室ではなく、駐車場で青空の下で行ないます」という、「非常事態に対応した苦肉の策で行なう総会」にして、その経緯&説明も懇切丁寧に書いて議案書の中に差し込みました。

普通、ここまですれば、この状況下、誰も文句は言わないはずですが・・・・・・

総会の議案書が配布されて、それを読み、自分の活躍の場を奪われたことに気づいた「チャッチャマン」が苦情を言ってきました。

「総会なのに一般組合員が出席できないのはおかしい」
「いろいろな議論を交わすのが総会ではないか?」
という内容です。

まあ、正論かもしれませんが、非常事態宣言下で大勢の人を集めて開催するのはだめだということは自明の理のはずです。
それに、今までの「十分すぎる広報」「意見を受け取る、しっかりとした体制」を考えれば、「意見をください、と呼び掛けた時に意見をいわず、いまさら、何を変えることもできない総会の場で意見を言ってもしょうがない」ってことをわかっていません。

理事長としては、「何かご意見があれば事前に書面で提出してください。総会の場で取り上げますから」と譲歩しましたが、「書類ではいやだ、みんなの前で直接話したい」とチャッチャマンは抵抗。

どうしても大勢の住民の前で、「文句」を言いたいようです。

なんかなあ、そういうことしか「生きがい」を感じられない人間って、悲しい気がします。

戦時下のような非常事態なんだから、みんなで協力して乗り切ろうとか、思わないんだろうか???

そして・・・・・・・

そのマンションで総会が開催されました。

この「チャッチャマン」ですが、理事長から個別に「出席しないで下さい」と頼んだにも関わらず、それを無視して強行出席。



おまけに、日頃、組合活動にまったく興味もなく、掲示板も配布書類もまったく見ないような無関心高齢組合員3名が、「出席しないで欲しい」という要望も知らずに、「ずっとコロナ自粛で家の中に閉じこもっていて、誰とも話しておらず退屈でしょうがないので、話したくてやってきた」という、理由で、まさに「不要不急」の出席をして、参加人数が増加。

さらに、駐車場での青空総会では、自分の声が届かないと思ったチャッチャマンのいちゃもんにより、会場が、「集会室の中」になってしまい。
さらにさらに番町皿屋敷、チャッチャマンが、観衆が少ないとやる気がでないらしく、「出席者が少なすぎる! 最低でも現役員と新役員くらいは出席するべきもんだろ!」といちゃもんをつけ、これに退屈高齢者も「にぎやかなほうが楽しいわよ」と賛同し・・・・ 

総会が終わって理事会になったら参加するつもりで、そのへんに分散して控えていた、新旧役員を呼び込み、集会室へ・・・・・

これで、完全に
「壇蜜」もとい「団密」(団体が密集)の状態になってしまいました。

そして、議案と関係のない話を延々と続け、本来は10分で終了させる予定だったのに、チャッチャマン一人と、「しゃべりたい高齢者」のせいで、予定の時間を大幅にオーバーの1時間超の総会に。
そうやって、総会を混乱させまくって、本人たちは満足した顔で帰ったらしいです。

そしてそして、この「チャッチャマン」の口撃に耐えられず、「では、その件は次期理事会で検討します」と、理事長が口走り、「そんな提案を受け入れたら大変なことになる」というような案件が次期の課題となってしまい、管理会社は、すごく困る事態に・・・・・


でもって、総会のあとには、そのまま「新役員の役職決め」「新旧役員の役職業務要領の引き継ぎ」をやる予定だったのに、「あんなに長く総会をやったら、感染の危険性が高い。もう、解散したほうがいい」という新役員の出席者数名の提案により、第一回理事会は開催されずに、解散。

つまり、新年度の管理組合の「理事長」を誰にするか?も決まっていない状態で、「次回理事会はいつやるか?」も決めずに、新役員の内部でメールアドレスを交換することもできずに、解散となってしまったわけです。

これじゃあ、管理会社も新年度の管理が何もできなくなってしまいます。当然、管理人も、「理事長が不在なんて!!! そんなアホな?」と困ってて。

チャッチャマンに怒り心頭だそうです。