管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
ペットクラブの名簿の内容 ひどくなるばかり |
2021年02月13日 23時08分頃 最大震度:6強の大地震が発生し、当地域でも「震度5」の大きな揺れを感じ、マンション内の集会室の書棚の上に置いていた「ファイル類」の一部が床に落ちました。
それの整理をしていたら、「ペットクラブ」関係の昔の書類を発見しました。それにはいろいろと驚くことがいっぱいありました。
この機会に、竣工当時から住んでいる、昔の事情に詳しい高齢者住民からも話を聞いて、いろいろわかったこともあり、それも合わせて記述しておきます。
<過去の経緯>
当マンションは、分譲当初、「ペット飼育は禁止」という管理規約になっていました。ですから、住民の中には「ペット禁止だから購入した」という人もいます。
しかし、規約に違反して「隠れ飼い」する人が現れます。そして、そういう人が1人でも現れると、あっという間に、2人・3人・4人・5人・10人・・・・・と、「サスケ」の「忍法影分身」のように増えていき、そして、当初は忍者のようにこそこそしていたのに、人数が増えてくると、隠れることもせずに、堂々と飼うようになってしまいました。完全に規約違反です。
こうNARUTO、トラブルも発生してきます。それを放置もできないため、竣工後10年くらいたった際に、「厳格な飼育細則を整えて、それに従うことを条件に、飼育を認める」という方向になりました。
当時、アンケートが実施されており、その回答用紙も発見しましたが、「絶対にだめだ」「規約で禁止されてるんだからだめ」という強硬反対の人もありますが、それは少数であり、大多数の回答は「ルールをちゃんと守ってくれるのであれば、飼育を認めてもいいのではないか?」というものでした。
おそらく、このアンケートを実施する際に、制定する予定の「飼育細則」の文章もいっしょに渡して見てもらったのではないでしょうか? 現在ある「飼育細則」は、素人が作ったいい加減さも多数あるものの、内容はなかなか細かく、かつ厳しいものであり、これをきちんと守れば、「トラブルは起きない」「トラブルが発生してもすぐに解決する」と思われるものです。
こうやって、「ペットクラブ」を組織して、「厳格な飼育細則」を制定して、ペット飼育を認めることになりました。
※当マンションにおける「ペットクラブ」の「ペット」とは、犬と猫のことです。小鳥やハムスターなどはもともと飼育OKになっており、含みません。
<「ペットクラブ会員名簿」&「ペットクラブ会議議事録」を発見>
今回、設立当時の「会員名簿」と「ミーティングの議事録」を発見しました。
会員名簿なんですが、その記載内容はかなり詳細なものです。
「ペットクラブ加入日」
「飼い主 部屋番号 氏名 緊急時の連絡先」(飼い主が留守の時に、犬猫が部屋から脱走した際に連絡するため。当時はぼちぼち携帯電話を持つ人も現れた時期だった)
「ペットの名前 種類 体長 雌雄 生年月日 登録時年齢 毛の色 目の色」・・・雑種の場合でも、ただ「雑種」と書くのではなく、何と何の雑種なのか書くようになっていますが、書いている人はゼロ。「目の色」まで書かせるのはすごいなと思いました。なお、項目の最初が「名前」というのが、いかにも「ペットは家族」と主張する飼い主の思い入れを感じます。(ただし、「体長」の定義が書かれていないため、これがあとで揉める原因になっています)
「狂犬病予防注射接種記録確認」・・・犬の場合、毎年、予防注射を受ける義務が法律で決まっており、部屋の玄関ドアの横にシールも貼らないといけません。これを毎年確認するための欄が用意されていました。しかし、名簿には「最初の一回分」の記録しか残っておらず、2年目以降は有名無実化して、確認してなかったということがわかります。現在は、部屋の玄関のところにシールを貼っている飼い主はゼロです。いい加減なもんです。
「写真貼付欄」・・・ペットの写真が貼ってあります。これはいいことです。ペットが逃げ出して、みんなで探す際には、写真は絶対に必要ですから。しかし、「真っ暗でよく見えない」「風景写真みたいに、犬が小さくしか写っておらず、よく見えない」「逆光でなんだかわからない」「顔のアップで全身像がわからない」「仮装して衣装を着せていて、毛の色もわからない」など、ひどい写真ばかりで、使い物になりません。ある一枚は、「ペット」ではなく、「飼い主の顔写真」が貼ってあり、こうなると、アホとしか思えません。
「会費徴収欄」・・・クラブ設立当初は、「犬が共用部分で粗相をしてしまったら会員全員で清掃をする」といった素晴らしいルールが決められており、その、「清掃道具を買う」などの理由で、「会員は毎年1000円の会費を払う」という細則になっていました。しかし、この欄は空白のまま。つまり、「一回も会費を徴収したことがない」ってことです。今、現在、飼い犬が共用部分を汚しても、ペットクラブは一切何もせず、その処理を管理会社に押し付けています。
「苦情処理」・・・こういう欄があって、「どんな苦情が来て、クラブとしてどのように対応したか?」を記録するようになっています。素晴らしい項目です。しかし、この欄も全部空白でした。苦情はかなりあったはずですから、クラブ側が何もしなかったことの証左ということでしょう。
続いて「議事録」なんですが、「最初の設立時の議事録」しか残ってません。つまり、それしかやっていないということです。これを見ると、最初の会では、管理組合側からも「理事長」が出席して、オブザーバーをやったようです。
さて、現在の「ペットクラブ」の名簿なんですが。「毎年4月に更新して最新版を作成し、管理組合に提出する」というルールになっているものの、毎年、放置されて、催促しない限り、作ってくれません。なので「2年に一回作ってくれれば御の字」というていたらくです。ペットなので、20年も生きるものはおらず、「死亡して飼育をやめた」ケースもあるはずですが、その事務処理もしないので、幽霊会員がかなりいます。また、ペットが死んだら別の犬を買い直すことも多いのですが、その登録をちゃんとしていないため、「この犬、35歳なの?」という、すごいのが掲載されています。
今の会員名簿は上記の細かい内容は削除されて、「犬か猫か? の区別」と「ペットの名前」しか記載されておらず、もはや、名簿の意味もありません。名前よりも「プードル」とかの種類を書いてくれないとまったく役に立ちません。これは、ある犬が脱走して大騒ぎになった際に、「ちゃんとした名簿を作ってくださいよ」「写真もつけて下さい。それがないと捜索もできません」とお願いしたのですが、「うるさいわね」と怒られただけで、なんら改善はありませんでした。
おまけに、ここ数年は「誰がクラブの会長なのか?」も決めていません。(本当は毎年変わるはず)
飼い主としたら、「いったん管理規約で飼育を認めてもらえれば、もう、こっちのもの」という考えなんでしょう。最初の体裁を整えただけで、あとはなんら活動しなかったようです。
とにかく、今現在の「ペットクラブ」は、存在していないといっても過言ではない状態で、トラブルが発生しても、なんら対処はしてくれません。毎回、「管理会社がなんとかしろ!」でおしまいです。管理組合も何もしません。
もともと、管理規約違反を承知で飼育していた人なんだから、ルールなんか守るわけがないのに、「ルールを守ってくれれば飼育を認める」とか言った住民たちがバカなんです。
そして、今日も、ペットに関するトラブルが起きています。住民の皆さんは「管理人がなんとかしろ!」と文句を言いますが、私は、「ペット飼育細則」「ペットクラブ会則」の書類を見せて、「管理会社は何もしないことになっています。すべて、ペットクラブさんが対応することになってるんですよ」と説明して、しらばっくれています。
ただ、「こうなることがわかってたから、私は反対したのに」と、ペットを認める総会の時に反対票を入れた住民からの苦情には、じゃけんにはできず、真面目に対応しています。この人は正しいですからね。