管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
「町内会との上下関係」 理由がやっとわかった |
●当マンションは古いマンションで、築40年を超えています。
さて、このマンションは、居住者全員が、管理規約で「強制加入」という形で、地元の町内会の会員になっており、全員が町内会費を払っています。
(実際は、管理費の中から支出しているため、住民個人は、会費を払っている意識はありません)
(居住者が対象なので、賃貸の場合、賃貸入居の人が町内会員になります。でも、会費は部屋のオーナーが払っています。ちょっと変ですね)
※町内会は本来は「任意加入」であり、「強制加入」は、今現在は、最高裁で判決が出て「違法である」ことが確定しており、たとえ、「管理規約で規定されているから」としても、「その管理規約そのものが違法である」とされています。なので、強制加入はよくないことなのですが、当マンションでは、特に異論を申し出る人もいないため、慣習的にずっと続いています。
さて、当マンションみたいな「大きなマンション」の場合、全員加入となると、その「年会費」も莫大な金額になります。
そして、その「払った会費」に見合う見返りはほとんどなく、一部の町内会の幹部の豪遊に消費されているのが現実です。(決算書の中にある「お茶代」という費目が数百万円になっている。まあ、幹部さんたちがいろいろと働いているのは認めるので多少の報酬があってもいいと思いますが、ちょっと高額すぎます)
今、コロナの影響で町内会は、ほぼ活動をしておらず、別の地域の町内会では「活動をしていないんだから会費は徴収しない」としているところもあるようですが、うちの町内会はしっかりお金だけはとられています。
(今、問題になっている、リモート授業だけの大学の授業料みたいなもんですな)
この「会費」の支払いも、本来は「管理会社は町内会とは関係ない」という委託契約内容なのに、管理会社が町内会館まで現金を持参して支払う制度になっており、これもおかしいと思っています。せめて、振り込みにしろよなあ。
250という大所帯です。それだけの莫大な会費を払っているのですから、私から見たら、「このマンションは町内会にとって上客だろ。もっと扱いをよくしろよ」と思うのですが、実際は、なんか、このマンションは町内会において「下に見られている」です。
40数年前に加入しているのに、いまだに、「新入りが生意気なことを言うな」と言う町内会幹部もいます。40年以上で新入り扱いって、なんなんですかね? 鶴や亀(長生き)が会員の組織なんでしょうか?
この「扱い方」がずっと疑問でした。
その疑問が今日解けました。
このマンションが新築時に最初の管理組合第一期の役員をやっていた古株住民と話ができたのです。
この人は、今は80近い老人ですが、当時、「新婚で購入して入居した」そうです。
この住民の話によると、新築時に、マンション側から「町内会に入りたい」と言ったらしいです。今じゃ考えられませんが、このマンションは管理規約に「地元町内会に全員が加入する」と条文で定められている関係で、もしかすると当時の管理会社がそういうふうにしたのかもしれません。
その時、地元町内会は、「こういう大規模マンション住民が一気に一棟まるごと加入してくること」に慣れておらず、「うちでは受け入れられないから、よそに行ってくれ」と断ったんだそうです。戸建て住民からすると「マンション住民」は得体の知れぬよそ者だったのかもしれません。
面白いですね。町内会の財政のことを考えれば、「超多額の会費を払ってくれる大規模マンション」を断るなんてありえませんもんね。まあ、昔は、地域住民のほとんどが町内会に入っていたため、経済的にも困窮してなかったんでしょう。
「いや、それは困る。地元の町内会に入らないとまずいんです」とマンション側が言うと、「大きなマンションは、マンション自体で独自の自治会を作るもんだよ」と正論を言われたそうです。
その際、「面倒なことは一切やりたくない」という習性の理事会では、独自自治会を作る気などまったくなく、「そんなこと言わないで、入会させてくださいよ」とマンション側が町内会に対して頭を下げて入会したらしいです。
こういう経緯があったために、町内会側は「おまえのほうで頭を下げてきたから、入れてやったんだぞ」という態度になったようです。
今までも、町内会開催のお祭りの時とか、必要以上に手伝わされる気がしますし、「顎で使われる」ような、そういう「上下関係」の気配がいまだにします。
しかし、実際にそういう「昔の事情」があったにしろ、もう、40年以上過ぎているわけで、かつ、今の町内会は、「新築のマンション住民が全然町内会に入ってくれないので困っている」というのが現状なんだから、全員強制参加のうちのマンションを「お客様」とまでは言いませんが、「同等」に扱ってもいいと思います。
あの「上から目線」、なんか嫌だなあ。まあ、でも、理由がわかって、少しすっきりしました。当時の人がまだいてくれて良かった。