管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

ささやかな願いです


05/4追記



 こんなことを言うのは私だけかもしれません。でも、ささやかな願いがあるのです。

 相手に呼びかけるときに職業名で呼ぶ場合ってけっこうあります。「看護婦さん」「運転手さん」「車掌さん」「駅員さん」「ウェイトレスさん」「守衛さん」・・・・。管理人もそうです。なかには、「オイ、管理人!」なんて人もいますが、たいていが「管理人さん」と呼びます。(さん」づけしてくれるだけでもありがたいのかも)。名前がわからないのですから、職名で呼ぶしかないのでしょうし、これは間違いではないのですが。


  先日、勤務の帰り道に、近隣の顔見知りの管理人さん二人とたまたま出会って、駅まで行くことがありました。その時、駅の中で「管理人さ〜ん」とどこかから呼ばれました。当然三人とも振り向いたわけです。その人はうちの住民だったわけですが、「駅で見かけて、声をかけるぐらい親しい人なら、普通、名前で呼ばないか?」と、別の二人は口にしました。

 私としては、もうずいぶん長いこと、このマンションで働いてますし、顔なじみの人もいますし、よく話をする人もいます。となると、「一人くらいは、私のことを名前で呼んでくれないかなあ?」と思う訳です。つまり、「**さん」と呼んで欲しい気がするのです。私も以前大病をして入院した時は、顔を覚えた看護婦さんは名前で呼んでました。「管理人さん」だと、「管理人なんか誰がやっても同じだ。いつでも首にできるんだぞ」と、みんながとらえているみたいに思えちゃうんですよねえ。それに、なんか自分の人格が認められていないような気分もします。被害妄想かなあ。
 うちの清掃のAさんも、10数年働いているというのに、ほとんどの人が「清掃のおばさん」といいます。かなり親しい住民でも、「管理人さん、この御菓子、清掃の??? えっと、名前なんだっけ? とにかく清掃のおばさんに渡しといて」なんて言います。

 名札もしているし、法律制定後は、身分証明書を首からぶら下げて働いていますから、はっきりわかるはずなんですけど、誰も名前で呼んでくれません。どこにでもある名前ですから、「漢字が読めない」ということもないです。存在感がないのかなあ? ちょっと寂しいです。気にするほうがおかしいのかもしれませんが。

 ちなみに、私が住んでいるマンションでは、かなりの人が管理人さんのことを名前で呼んでいます。名前で呼ばれたほうが責任感も生じてきますし 、きちんと仕事をさせるためにも、そのほうがいいんでは? という気がします。

「管理人」? それとも「管理員」?

 普通、誰でも使うのが「管理人」という言葉。口から出てくる言葉の場合は、「管理員」という言葉はまず出ません。私たち自身も、「こんちわ。管理人ですけど、○○のことで・・・」としゃべります。
 しかし、管理委託契約書の中では「管理員」という用語が使われています。また、私のいる部屋も「管理員室」と表札が出ています。つまり、「正式には”管理員”だが、実務上の呼び名は”管理人”」なのではないでしょうか? 「先生」と「教諭」みたいなものかな。昨年の理事長さんは「”管理人”って蔑称でしょ。”管理員”って言わないといけないじゃないの?」と言ってくれました。優しい方です。でも、管理人という職業自体が蔑職なんで、正直どっちでもいいです。言いやすい方で結構です。

 「○○マネージャー」という用語を使っているところでも、自らは「管理人」と言ってますしね。

文章上の管理人  05/4追記

 何年かやってると、その年年の理事長によって、管理人の扱いが違うのがわかります。それが如実に出るのが、各種通知類。ほとんどの書類は管理会社か私が作っているものの、「これは理事長自ら作ってくれませんか? 組合が出すものであって、管理会社が作るのは筋違いなもんで」といった配布物もあります。その中で、「詳しいことは管理人に聞いて下さい」「詳しいことは管理員に聞いて下さい」「詳しいことは管理人さんに聞いて下さい」と、表現が理事長によって分かれます。まあ、我々は使用人ですからなんと呼ばれようと文句は言えませんが、やはり、「さん」づけのほうがありがたいです。

ウォシュレット宣言

 私は管理人という仕事のことをウォシュレットと呼称する事にします。他人の尻拭いをする仕事だからです。ほんと、住民の質の悪いマンションだと、仕事のほとんどは尻拭いです。本来の業務以外のことばかりやってます。いい加減にして欲しい。ウォシュレットだって、4〜5年で寿命なんだよ。



2004/12