管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

誤解 (省エネが招いた)



無駄な電灯は消しましょう


 どうも、私は誤解を受けやすいタチだようでして・・・・・

 先日、会社のほうにマンション住民から苦情の電話がありまして。「管理人が定時より早く上がって帰っている」とのことです。

 まず最初に始業時間の項目を再度ご覧下さい。管理人業界はちょっと不思議な体質がありまして、
「早くから仕事をして、早く帰る」という人がけっこう多いのです。年寄りが多いから、みんな朝には強いのかもしれません。

 私の場合、朝は15分前には管理人室に入りますが、そのあと、着替えたりして、実際の業務開始は、定時ちょうどです。終業は定刻までしっかり働き、時間になったあとに着替えて、そして帰宅します。ですから、実際に管理人室を出るのは定刻の10分後くらいになります。ですから、「早上がりしている」ということは絶対にありえません。むしろ、最近は工事が多く、最後の施錠まですると、遅くなり、サービス残業しています。

 なんで、そんなこと言われるのか? ちょっと考えてみました。苦情の主は、「定刻の10分前に管理人室が真っ暗だった」と電話口で言ったそうです。よくよく考えると思い当たる節があります。

 私は、終業前、直前に最終の巡回をします。これは、本当にざっと見回すだけの簡単なものです。この見回りをして、「特に問題ないな。じゃあ、帰りの準備をするか」と終業の準備になります。どの管理人さんもそうだと思うのですが、巡回の時は、省エネのために、管理人室の電灯の明かりを消して、外に出ます。もちろん、「行き先表示板」に「巡回中」の札をたてかけておき、わかるようにしてあります。この巡回が原因だと思います。特にこの時期は終業時はすでに真っ暗ですから、管理人室が真っ暗だと、ぱっと見には、「管理人がいない。もう帰ったのか?」と思うかもしれません。たとえば、毎日、○時45分に帰宅する住民(パート勤務帰りの奥さんとか)は、常に管理人室が真っ暗の状態を毎日見ていることになります。この人の場合、「この管理人は早上がりしている」と誤解するかもしれません。特に、秋冬は、最終巡回の際に、マンション内共用電灯のチェックを行っています。夏場は終業時でも明るいので電灯のチェック(玉切れの確認)はできないのですが、この季節は外が真っ暗なので、チェックしやすいのです。このチェックを行うために、春夏の巡回よりは多少時間が長くかかっています。それだけ、管理人室を不在にしているわけです。

 管理人室の電灯を常につけておけば誤解は受けないでしょうが、そうすれば確実に「いないのに、なんで電気をつけっぱなしにしてるんだ。もったいない」と怒られるでしょう。消さないわけにはいきません。でも、消すと誤解されます。「巡回中」の札が電光掲示板みたいに光って目立てばいいんでしょうけど、この行き先表示板は消灯時はちょっと見難いのが困りものです。

 うちの場合、タイムカードもありませんので、会社としては、住民からこのような指摘があると、住民側を信用して、「おい、さぼるんじゃない」と叱責してきます。 大手管理会社は早上がり防止のために、終業5分〜10分前に会社から「アリバイ証明の電話確認」をさせているところもあるそうです。それだけ、早上がりする管理人がいたということでしょう。
 私は真面目に時間を守ってるんですが、こういう誤解をされるとつらいなあ。

 とりあえず、管理人室の窓の前に置いた時計をどかしておこうかなあ? これがあるから、「何時に管理人がいなかった」とわかりやすいからなあ。(時計を持っていない子供たちのために、自腹で時計を買って、置いているんです。これがないと、「管理人さん、今何時ですか?」と子供たちが聞いてくるんで)

 


2006/11



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