管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
東日本大震災を言い訳に使う分譲会社 住友不動産の横浜の欠陥マンションの事例 |
今、うちの近所に、こんなマンションがあります。「外壁タイルが落下する危険性がありますので、頭上に注意してください」という貼り紙がされています。なんか、今後、足場を作って、全外壁の補修工事をするらしいです。要するに、「欠陥建築」「手抜き工事」ってことです。
そのマンションでは、今、ある部屋が売りに出されていて、この前の土日も「オープンルーム」をやってましたが、客、来るわけないよなあ、って思いました。「来ても、すぐに帰っちゃうだろ」「どうせ、売るのであれば、補修工事が終わってからにすればいいのに」。売主さんもタイミングが悪いです。
こういうのに限らず、当マンションもそうですが、「欠陥建築」というのはいっぱいあります。「もともとの設計がおかしい」「施工が手抜き」、いろいろです。
さて、2014年6月。こんなニュースが流れました。
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<朝日新聞>
住友不動産(東京都新宿区)が2003年に販売した横浜市西区の11階建てマンションで、建物を支える杭が規定に反して強固な地盤に到達しておらず、建物が傾いていることがわかった。同社は「安全だと言い切れない」と判断し、住民に仮住居への転居を要請。補強や建て替えの検討を始めた。
- 傾いたマンション、応急対策を 横浜市が施工業者指導へ
問題になっているのは、同区宮ケ谷の「パークスクエア三ツ沢公園」。6棟約260戸のマンションで、熊谷組が施工し、住友不動産が販売した。
住民で作る管理組合によると、6棟のうち2棟をつなぐ渡り廊下に「ずれ」が見つかったが、住友側が当初は「問題ない」としたため、住民側が1級建築士に依頼。古い地形を調べて設計図と照合したところ、杭が旧地形の地表に届いていない可能性が浮かんだ。
住民の要請で住友側はボーリング調査を実施。4月になって、約60戸が入る1棟の杭の長さが不足し、強固な地盤部分まで到達していない可能性が高いと判明した。体感はできないが、この棟が部分的に沈下したり傾いたりしているという。
建築基準法施行令はマンションなどの大きな建築物について、杭を「支持層」と呼ばれる強固な地盤まで打ち込んで固定するよう定めている。杭の長さが不足すると重みを支えられず、建物が傾いたり沈下したりする可能性があるほか、地震に対する安全性が低下する恐れがあるという。
住友側は「安全と言い切れない」として、問題が発覚した棟の住民向けに仮の住居を無償で用意。6月から一部の住民が引っ越しを始めた。他の棟も問題がないか調査を進めるほか、横浜市も両社から報告を受けて調査を始めた。
住友不動産は「売り主の責任を痛感している。修繕や建て替え、買い取りなどあらゆる手段を検討する」と説明。熊谷組は「コメントできない」としている。
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http://hamarepo.com/story.php?story_id=3018
ここも参照してください。
住友不動産といえば、「違法チラシ配布」で全国的に有名な極悪企業です。当マンションでは、「チラシ配布厳禁」としていますが、住友不動産の連中は、夜中の2時3時にマンションにやってきて、膨大な量のチラシを蒔き、住民に迷惑をかけています。特に住友は、「ひとつの支店」だけではなく、複数のいろんな支店が重複してチラシを蒔くために、その総量が膨大なのです。
当マンションでは、「不要なチラシはここに捨ててください」というゴミ箱が設置されていますが、いつも、その中に入っているものは、住友不動産のものが大半です。
これに対して、住民からの苦情もすごいため、以前、住友に抗議をしましたが、チラシ配布はやめませんでした。「配布厳禁としているのに、無断でマンション内に入って、チラシを蒔くことは違法行為である。逮捕された判例もあるんだぞ。あんたの会社は、違法行為だとわかっていて、それをやってるのか?」と聞くと、「はい、わかってます」と答えました。確信犯です。
そんな住友ですから、廊下のてすりが、20センチもずれているのに、「問題ありません」として、住民からの苦情を退けたのも不思議ではありません。
さて、これから、今回の本題に入りますが、最近、この手の施工ミスの際に、「大震災が原因です。うちの責任ではありません」という言い訳をよく耳にします。
今回も、熊谷組は、原因について当初、「東日本大震災の影響」と説明して逃げていました。
また、このマンションでは、「築2年目くらいの時に、外壁にヒビが入り、熊谷組の人間が、こっそりと修復していった」ということもあったそうです。そして、その「修復工事」は、管理組合に黙って行われたそうです。
今回のニュースでは、管理会社のことが全然出てこないので詳細がわかりませんが、もし、住友系の管理会社が、管理していたとしたら、管理人が、外壁のヒビに気づいても、会社の圧力で、住民側には公表せずに、こっそりと修復工事をしたかもしれません。子会社的な管理会社の場合、親会社に不利なことはできませんから。うちみたいに、分譲会社と無関係な管理会社であれば、こういうことはしっかりと、管理組合に伝えます。
まあ、とにかく悪質です。
そして、ここのところ、このような「大震災」を言い訳に使うケースは多く、「大震災のせいです」といえば、なんでも通ってしまう傾向があります。原発事故における「風評被害」という言葉同様、事実を隠蔽するための、非常に便利な言葉として多用されているようです。
マンションというのは、手抜き工事をされると、2年位から〜10年くらいの間に、症状が出てくるものですが、その間に、「大震災」を経験した、新しいマンションでは、「大震災を言い訳に使う」のに最適です。
その言い訳を論破するのに大事なのは、常日頃の「デジカメ撮影」です。
私は、毎度毎度、デジカメ撮影の重要性を訴えていますが、例えば、「半年に1回」くらいは、「なんでもかんでも、マンション内のすべてのものを撮影しておく」ことをおすすめしています。いわば、「定点観測」のようなものです。
症状が現れてから撮影するのではなく、問題がない状態の時も記録しておくことで、両方の写真を並べて比較することで、「この、外壁のひびは、2010年4月の写真には写ってないが、2010年10月の写真には写っている。ということは、この期間に発生したものに間違いない」という証拠が残ります。
この写真があれば、分譲会社側の「大震災(2011/3発生)の影響で発生したひびです」という言い訳は通用しないのです。そうやって分譲会社側の責任を追求することができます。
とにかく、「写真で証拠を残す」ことが大事です。といっても、分譲会社直系の管理会社の管理人は、そういうことを熱心にはやらないでしょう。(分譲会社が不利になる可能性もあるから) できれば、管理人にすべてを押し付けるのではなく、管理組合自身が、一生懸命写真を撮り続けることです。
「探検ツアーをやりましょう」
当HPでは、上記のような記事を書いて、組合員でチェックすることをおすすめしていますが、この時に、数名でカメラを持って、写真を撮りまくればいいかもしれません。毎年1回でも、必ず、撮影しておけば、いつか役に立ちます。
今のデジカメは、コストはゼロだし、日付も時刻も記録が残りますから、とにかく、シャッターを押して、PCに保管しておくだけでもいいです。撮りましょう!
2014/6
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