管理人は超つらいよ　　　
マンション管理最前線

インターホン（館内電話）があればいいのに

このマンション、古いマンションですから、オートロックはありません。オートロックというのは、便利な反面、不便なことも多く、諸手挙げて賛成という立場ではないんですが、「これはいいなあ」と思う、付加機能があります。それは”インターホン（内線電話）”としての機能です。
　
　当マンションは比較的大きなマンションですから、管理人室から、かなり距離が離れた部屋もあります。エレベーターの待ち時間によっては、そこに行くまでに３分かかることもあります。そんなわけで、住民としても、わざわざ部屋の外に出るのが面倒ですから、「住民→管理人」の連絡には、たとえ在室していても、直接管理人室に来ることは少なく、電話で済ます人が多いです。当然電話代がかかります。また、電話を受け取る私のほうでも、「管理人さん？　○○号室の××だけど・・・」と言われたら、まず、「××さん。今どこですか？」と、まるで携帯電話での会話のように聞きます。外出先からの電話か、マンションの自室の中からの電話なのかで、応対が変わるからです。
　管理人から住民宛の連絡も、その部屋を訪問するのが一番手っ取り早いんですが、現代人は多種多様の生活をしている人がいて、「昼間でも寝ている人」もいますし、「玄関先に顔を出すのを嫌がる人」もいます。逆に、玄関先で「簡単なお話ですからインターホン（玄関ドア横についているもの）だけでいいですよ。出てこなくてもいいですよ」と言っても、「ちょっと待ってね。今着替えるから・・・」とわざわざ服を着替えて、ドアをあけて応対してくれる、義理堅い御老人もいます。（たいした用じゃないのに。すいませんね）

　そんな事情で、マンション内の住民に対する連絡も、電話を使うことが多いのです。このほうが、むこうも気が楽ですからね。居留守もしやすいし、留守電に録音することもできるし。

　ただ、電話は有料ですから、毎月の電話代がけっこうな金額になります。このマンションでは管理室の電話は管理会社の所有ですから、電話代も管理会社が支払います。（管理組合の所有のケースもあり、その場合は管理組合が料金を負担する）　それで、ケチケチ戦略の当社幹部としては、「このマンション、電話代高いなあ」と、あまりいい気持ちではないようです。実際のところ、電話料金の７０％は、マンション内への通話だと推測できます。一切電話を使わずに、足を運んで連絡すればその金額が浮きます。

　そんな心配をしている当マンションですが、よその新しいマンションでは、オートロック装置のおまけとして館内インターホンが設置されているところがあります。各居室の受話器には、「非常ボタン」と「管理室」というボタンがあり、管理室ボタンを押せば、管理室に直通です。料金はかかりません。管理人からも、館内電話で部屋番号を押せば直通です。もちろん無料。便利ですね。そのマンションの機械は、管理人から部屋に内線電話をかけた際、もし留守で、出ない場合、「管理室ボタン」の横にランプが点灯するそうです。これにより、帰宅した住民が「今日の昼間、管理人からなんか連絡があったんだなあ。あした会社から電話してみよう」ということになります。ホテルみたいなものです。

　この機能、いいですよね。無料というのが最高じゃないですか？　やはり、新しいマンションはいいなあ。うらやましい。

2006/3

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